THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田(ディナー)

ひらまつが高級リゾートの最高峰、軽井沢へと進出(写真は公式ウェブサイトより)。今回はそのメインダイニングへとお邪魔します。基本的に宿泊客のみの利用なのですが、オフシーズンの平日であればビジターでの利用も可能だそうです。
ワインは全てソムリエにお任せ。アペリティフは定番のひらまつドゥラモット。キリっとした酸味が食欲を刺激してくれます。
まずは地元のトウモロコシをドロっとさせたやつに、これまた地元のキクラゲをトッピング。このキクラゲが実にフレッシュで、そのへんの中華料理屋で食べるものとは別格の味わい。人生で一番美味しいキクラゲでした。
続いて寄せ豆腐にウニ。こちらも豆腐を上手にフランス料理風にアレンジしており、ブラインドで食べれば豆腐だと気づかないかもしれません。
鮎の調理はシンプル。悪くはないのですがあまりにもシンプルすぎるきらいがあり、もうちょっとややこしい調理でも良かったかもしれません。
ロワイヤル(茶碗蒸し)には山伏茸にトリュフ。トリュフの香りと山伏茸の食感は良いのですが、同居するトマトがアクセントを超えて悪目立ちしておりとにかく酸っぱい。トマト抜きでしみじみ食べたかったです。
スズキは贅沢にキャビアを含んだシャンパンソースで。スズキのしっとりとした食感にビビッドなソースな味わいがベストマッチ。本日一番のお皿でした。
メインは鴨。美味しいのですが、作者不詳で全く個性が見当たらずパッとしないフィニッシュです。披露宴のメインディッシュを口にしたかのような食後感。
メインに心が満ち足りなかったのでチーズを追加したのですが、サービスのチーズに係る知識が微妙で合わせるアルコールの提案も特になし。加えて添えられたノワゼットがメタメタに酸化しておりかなり腹が立った瞬間です。
デザート1皿目はフロマージュブランにヨモギ。想像以上にヨモギの風味が強く面白いひと皿でした。
デザート2皿目は輪郭が緩く味に質量がなかった。
小菓子はどれも美味しいですね。特に最上段に置かれたブルーベリーのタルトなどは溌剌とした味わいであり、メインのデザートよりも心に残りました。
ハーブティーで〆。平たく言うと期待外れでした。いずれの料理も手堅く美味しいですがシェフの顔が全く見えず主張があるようで無い。また食材も日本中から集めており、軽井沢に来たでぇ感が薄い。あまりにも堅実。これなら同じ予算を広尾で使いたい。

ゲストは東京から渋滞に巻き込まれながら数時間かけて1泊10万円超の宿に泊まる酔狂な奴らばかりなのだから、もうちょっと攻めた料理で良いと思うのだけれど。賢島とかに比べるとハコが大きすぎてそういう冒険は難しいのかなあ。

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