レヴォ(L'evo、宿泊)/利賀村(富山)

2021年最も話題のフランス料理店「レヴォ(L'evo)」。「リバーリトリート雅樂倶」というリゾートホテルのメインダイニング時代にお邪魔した際、私の琴線に触れまくり。このたび独立・移転の運びとなったということで、さっそく予約を入れました。
公式ウェブサイトの「アクセス情報」に、
  • 山間部のため、道路工事や大雨などの事情で、通行止めとなることもあります。
  • 冬季は、北陸屈指の雪深い地域となります。お車でお越しの際は、スタッドレスタイヤまたはタイヤチェーンが必要です。4WD車をお勧めいたします。
  • 初夏は、深い霧が発生することもあります。
  • 携帯電話の電波が届きづらい区間があります。また、夜間の電灯が全くない区間があります。
  • レヴォは、小さな橋を越えて、細い急坂を上った場所にあります。大雪などで運転が困難な際は、近隣の「そばの郷」からご連絡ください。
と、フランス料理店とは思えないハードボイルドな注意書きがあり、すっかり怯え切った保守的な私は6千円の追加料金で送迎をお願いしました。お迎えの車は1日1便。最寄りのJR越中八尾駅から車で50分ほどです。
ガードレール抜きの狭い狭い山道を抜け到着。おおー、マジで何にもない。「ガスや水道を通すところから~」のような記事を読んだことがあるのですが、なるほどその工程にも納得の何にもない立地です。時折ダムの放水のサイレンが鳴り響くのが実にシュール。
さっそくチェックイン。開業したばかりで不慣れなのか、そもそもレストラン付随の宿泊施設という位置づけだからか、チェックイン時のオペレーションは洗練されていません。色々と待たせるなら待たせるで、ウェルカムドリンクを用意するなりすれば良いと思うのだけれど。
お部屋は1棟独立のコテージタイプで50平米ほどの広さ。ぽかんと広いワンルームでシンプルな構成です。窓が大きく水墨画の世界の中で寛ぐことができます。雨や雪がよく似合う。
電波は届かず、コテージにはwifiは通っていないため、完全に外界から隔絶された「かまいたちの夜」状態。デジタルデトックスと言えば聞こえは良いものの、インターネット前提のライフスタイルを送っているギャルたちには辛いかもしれません。コンセントの数も少なく取り回しも悪い。
畳の小上がりにベッドが敷かれています。天井の脇がガラス窓になっており、月や星を愛でながら眠りにつき、太陽光と共に目覚める。この空間設計は実にロマンティック。
お風呂は一般的なホテルのバスルームといったところ。アメニティは必要最低限であり、水勢もいまいち(そもそも水道が通っていない!)。ホテルというよりはバケレン、もっと言えばグランピングに近いテイストです。
お手洗いはしっかりしていて現代風。ウォシュレットに飼いならされたアーバンな私としては心安らぐひとときでした。
お風呂は普通ですが、なんと時間予約制の貸し切りサウナ小屋があります。インターネット環境よりもサウナが優先される世界。
薪ストーブでチンチンに熱された石(?)にセルフで水をジャバジャバかけて蒸気がジュワーという仕組み。私はサウナについて詳しくなく、エベレストたる「サウナしきじ」だけ行ったことがあるというミーハー野郎なので、サウナの良し悪しについての意見は差し控えます。
さて夕食。当テーマパークの最重要コンテンツです。詳細は別記事にて。
朝食は意外にも和定食。たっぷりの山菜や鹿肉のしぐれ煮、シシ汁などコンセプトをはっきりと打ち出したものでした。ただ、美味しいは美味しいのですが、この朝食がサービス料を含めると4千円を超えるのは高いなあ。
1泊2食に食事の際のアルコール、駅までの送り迎えなどをつけて支払金額は2人で16万円。うーん、ちょっと、いやかなり高いですね。「リバーリトリート雅樂倶」時代はハコも立派で収容人数も多く規模の経済が働いていたからかリーズナブルに感じましたが、今回は料理は申し分なし、酒は賛否両論、宿泊施設としては極めて割高、という印象です。
もちろん山を切り開いて作ったオーベルジュという意味では正統な価格であると私は納得していますが、東京からの交通費を含めて考えると、ちょっとした海外旅行級のコストとなるため、きちんと使命やレゾンデートルなどに賛同した上で訪れる必要があるでしょう。
いずれにせよ、尖りに尖ったローカル・キュイジーヌ。ここまで攻め切る姿勢には脱帽し敬礼せざるを得ない。大変に意義のある試みであり、費用対効果を論じるのは野暮なのかもしれません。とにかく富山の食材や工芸品に拘っているので、富山県へのふるさと納税のつもりでどうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。