幸寿し/七尾(石川)

誰かにオススメされてずっとブックマークしていた七尾「幸寿し」。1956年オープンの老舗であり、地元客はもちろん遠方からのゲストも多い。食べログではブロンズメダルを獲得しています。
17:45にお邪魔したというのに結構席が埋まっていて驚き。18時を過ぎれば満席の人気店。小上がりでは地元のファミリーがちょっとした宴会を楽しんでおり心温まる雰囲気です。

握るのは山田ブラザーズ。七尾が誇る兄弟であり、とにかく物腰が柔らかい。何をするにも癒し系ボイスが胸に沁みわたり、絵本の朗読などにも適任かもしれません。
私は運転があるのでノンアルコールビール。400円とハンドルキーパーに優しい価格設定です。ツマミのイカをイカスミでどないかしたやつが旨く、ああ、日本酒が飲みたい。
おまかせ12カン@3,500円のコースを注文。まずは赤イカ。バリっと新鮮、シコシコとした食感がたまりません。
ガリは薄造りの一般的な仕様です。シャリは温度が高く調味が薄く、あまり好きなタイプではありません。また、にぎりは全般的に小さめサイズであり、12カンのお任せとは言え、追加注文が前提といった印象です。
マダイ。やはり新鮮。ムキムキとした歯触りに爽やかな旨味が響きます。
キジハタはギュっと密度が増して大人の味わい。ああ、日本酒が飲みたい。
ヅケはきちんと美味しい。カラシのピリっとした味覚が鉄の強い肉にちょうど良く刺さります。
アジもフレッシュ。きちんと旨味もあって今夜トップクラスに美味しいタネです。
甘海老も王道の美味しさ。トロっと甘く舌でとろけます。
バイガイはコリコリと独特の食感。独特の臭みは控えめで上質なミノのようにサクサクと頂きました。
ヒラメの昆布締め。〆は控えめですがヒラメそのものの上品な美味しさが伝わります。
お椀には魚の切り身が含まれており、飲むというよりは食べ応えのある1品。
フクラギ。ブリの幼魚でありサッパリとしてクセのない上品な旨味が楽しい。
本マグロのトロ。おー、これは真っすぐに美味しいマグロですねえ。鮨タネの王者たる存在感が抜群の美味しさでした。
白海老はネットリとした舌ざわりにコクのある甘味が特長的。
12カンコースの大トリはウニ。こちらも品の良い甘味を湛えており、口の中でウニリゾットが出来上がりました。
ここからは追加。まずは真鯛の昆布締め。冒頭のマダイとはまた違った、いぶし銀の旨味が感じられます。
ヒラメのエンガワ。やはり先のヒラメとは方向性が異なり、じっとりとした脂のコクを楽しむ逸品。
生ゲソはナンコツの部分をコリコリと楽しみます。まるで焼鳥のやげんナンコツを食べているようなリズムを感じました。
手巻きのネギトロ。マグロの美味しい部分がたっぷりと放り込まれており、マグロ特有の酸味を感じながら胃袋を埋めていきます。
フィナーレはウナキュウ。その辺の鰻屋顔負けのボリューム感であり、バリっと焦げた香ばしい香りと共にアツアツで頂きました。

かなり食べましたが酒を飲まなかったため、お会計はひとりあたり7~8千円で済みました。うーん、安い。あまり飲まない女の子とかだと5千円を切るんじゃないかなあ。

シャリなど好みでない部分もありましたが、このタネ質と量を食べてこの支払金額であれば大満足です。もちろん都心のピンのピンを用いる鮨屋とは舞台が全く異なり、あくまで日常に溶け込むちょっとした贅沢。近所にあれば毎週でも通い詰めたいお店です。
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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。