ロドラント ミノルナキジン(l'Odorante par MinoruNakijin)/銀座

「ダイナースクラブ 銀座レストランウィーク 2019 SPRING」という、銀座の名店のランチが3,240円で楽しめる企画でお邪魔しました。
今帰仁実シェフは大阪府出身(勝手に沖縄だと思ってた)。岐阜「ラーモニー・ドゥ・ラ・ルミエール」、銀座「レカン」などで経験を積んだ後に渡仏。修業先は主に南フランスだったようです。
銀座の路地裏地下の地下といったポジションであり、まさに穴倉といった秘密基地。その隠れ家感はケータイの電波が入りにくいほどです。

サービスの皆さんはそつなく仕事はこなすものの、ちょっと冷たい雰囲気。「最初にグラスシャンパーニュでも」と問われましたが、どれぐらい飲むか決めかねていたのでワインリストをお借りすることに。ボトルだったら1本で通すかなあと思い、今日の献立についてソムリエに尋ねると、「は?先にお料理のご説明ですか?」と真顔で聞き返されました。わたくし、そんなにヘンな質問しましたっけ?

何故かソムリエからバトンタッチして別のスタッフが料理の説明。謎のオペレーションです。料理とのマリアージュを提案するはずのソムリエが料理の説明ができないとはけしからん。
期待していたよりも皿数が少なかったので、酒はグラスで注文することに。夜だと1杯2,000円ですが、昼だと1,800円という珍しい価格設定です。
前菜が美しい。ラタトゥイユ・オマール・ホタテの3層構造(だっけ?)であり、野菜の甘味と魚介の旨味が実に良く合う。トップを飾るのは青のりのチップスであり、超高級のりしお味といったところ。盛り付けも味覚も思惟的であり、かなりのセンスを感じました。
パンはピンポン玉大のサイズがひとつだけ。かなり早いタイミングで食べ終わっているのに、サービスはおかわりを持って来てくれません。せっかく美味しいのにもったいない。このお店はサービスで色々と損をしています。そういえば予約確認の電話が10日前にかかってきた時点で違和感を持っていたことを思い出す。
メインはマトウダイ。お魚の調理ならびにソース、いずれも文句なしに美味しい。とりわけ付け合わせのトランペッド茸やタケノコが絶品。思いきりの良い火入れでプンと焼けた香りが漂い、それでいて素材の風味は大切に保管されていました。しかしながらポーションとしては実に小さく人差し指2本ほどであり、デザート含めて3皿コースのメインを張るには苦しい。
デザートはイチゴ。マスカルポーネにとちおとめを配置し、トップにはイチゴのソルベです。いずれも素材の味覚を際立てつつも彩りのセンスは外さない魅力的な甘味でした。
コーヒーもきちんと美味しい。連れは当店オリジナルブレンドのハーブティーを楽しんでおり、ミント主体の薫りが実に爽やか。ハーブティにすれば良かったかな。

ちょっと今回は意見差し控えですね。ダイナースの企画の枠に当てはめての提供だったのであまりに量が少なすぎ、このお店本来の実力を推し測ることが不可能でした。夜の客単価は何万円もするのにランチ3千円チョイで提供するコンセプトに無理がある。料理の腕は間違いないことを確認できたので、次回は夜にフルコースで、ワインもきちんと味わってみたいと思いました。


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