ビストロ ダイア/新栄町(名古屋)



BISTRO DIA。私は食べログの検索から見つけたのですが、後日コリエドールで話を聞くと、「すごく人気店ですよ。一時期はホント予約取れなかったんですから」というお店。
「高級レストランで働くのに疲れた水口シェフがアットホームに」がコンセプトという斬新なお店です。シェフズテーブル。臨場感満載のアリーナ席に通して頂けました。
そうそう、当店のスタッフは皆、客のことを親しみを込めて「山田さん」のように 、さん付けで呼んできます。もちろんお店のコンセプト由来でしょうが、私は苦手です。六覺燈での接客を思い出しました。それでもサービスの如才なさの表れとも捉えることもできるので、人好き好きかもしれません。
新たまねぎのポタージュ。バカみたいに甘いというわけでなく、きちんと玉ねぎの旨味が広がります。トッピングに鳥取県産のズワイガニがドッサリ。菜の花のピュレ苦味がアクセントになってOCです。
フォカッチャは普通。これ単体では味があまり強くなく、ソースと共に合わせるタイプです。
したがってバター・塩・オリーブオイルも完全完備。
前菜盛り合わせ。期待以上に相当盛り合わさっており心が躍ります。

左下はブリのカルパッチョ。柑橘類最大の晩白柚(ばんぺいゆ)を用いて味付け。ちょっと甘ったるくて、普通のレモンで良かったかもしれません。中下はワカサギのエスカベシュ。思いのほか淡白な素材でしたが、味付けはすごく好き。右下のサーモンのミキュイが上作で大好物。

左上はパテドカンパーニュ。粗挽きで肉の食感を楽しむことができる逸品。中上は鶏肉にエシャロットのカリカリ、トリュフソース。ややこしい調理のはずなのですが、あまり印象に残りませんでした。右上はホタテのブルゴーニュソース。ブルゴーニュソースがとてもきちんとしていて、ブルゴーニュでの思い出に浸る。

それにしてもランチコース4,000円でここまで手の込んだ多種多様な前菜を用意するのは超人的。仕込み大変だろうなあ。
鳥取県産サワラのポワレ。ナイフを入れるとジュワっと溢れ出る肉汁。表面はバリっと香ばしく焼いている一方で、身と皮の境目がジューシーで美味しかった。ソースはアサリとサフランのクリーム。全般的に思い切りよく塩が用いられており、北島亭的にわかりやすい味付けです。
メインは半田産豚肩ロース肉の低温ロースト。皿を置かれて目を瞠る。ローブリューもかくやと思わせる横綱級のポーション。それでも色とりどりの野菜が用いられており現代的な色合いです。

ソースは柚子胡椒風味の赤ワインソースだったのですが、ややアタックが弱め。もう少しガツンとゆず胡椒をきかせたもののほうが私は好きです。サワラと比べて総体的に味付けが弱めであり、豚肉がバルキーでもあったため、終盤少し飽きがきました。
デザートはチョコレートブラウニー。サクサクとモッチリの2つの食感が楽しめます。チョコ味が濃厚で美味しい。ベリーのソースも濃密でグッド。キャラメルアイスクリームは中くらい。
コーヒーでごちそうさまでした。

味の良さ費用対効果は先述したとおりなのっですが、マクロで見るとお店の雰囲気がとてもいいのが印象的でした。店員がいつも静かに笑っており、スタッフ同士の仲も良く活き活きと働いている感動がひしひしと伝わってきます。こういうお店が未来永劫世の中から愛され続けるのでしょう。次回は夜にお邪魔したいと思います。


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