THE HIRAMATSU 京都/烏丸御池

京都の中心、洛中室町通三条上ルにオープンした、ひらまつグループ初の都市型ホテル「THE HIRAMATSU 京都」。全29室のスモールラグジュアリーであり、監修は日本を代表する数寄屋建築の工房「中村工務店」。5階建てのビルのはずですがうまーくカモフラージュされており、すっかり京都の街並みに溶け込んでいます。ちなみに「レストランひらまつ 高台寺」「十牛庵」とは全然違うエリアにあるのでご注意を。
フロントは無く、その時々の空きスペースでチェックインの対応をしてくれます。我々はラウンジにあたる「くら」というスペースでのご案内。
ウェルカムドリンクとスイーツ。わらび餅はその辺のスーパーで売られているものとは全くの別物であり、高級和食店の〆に出てくるものと同クオリティです。コロナ禍の2020年3月18日という地獄のタイミングでの開業なので色々と制限がある旨ご説明頂きましたが、まあ、仕方がありません。人生は長い。
さっそくお部屋へとご案内。デラックスプレミアというお部屋で、72平米もあるそうです。なのですが、あまり空間使いが上手いとは言えません。この、手前のだだっ広いスペースは何だ。
奥のこのスペースもちょっと謎。景観を損ねないための努力として窓はラブホテルのように閉めっぱなしなのですが、さすがに何万円も払って一日中薄暗い部屋に引きこもるというのは色々と思うところがあります。
洗面台の使い勝手は良好です。バスローブはもちろんのこと、部屋着やパジャマまで用意されており、フカフカのバスタオルも気持ちよい。
バスルームもクールでスタイリッシュなのですが、和の要素は1ミリもありません。インバウンド客はもうちょっとジャパンな木の風呂桶を期待するはずなのに。
アメニティはひらまつオリジナル。沖縄のひらまつのアメニティはブルガリに統一されていただけにちょっとガッカリ。もちろん中身の質は大して変わらないかもしれませんが、消費者とはブランドとそのパッケージに弱いものなのだ。
トイレはセパレートタイプ。手を洗う場所もそこにあって使い勝手が良いです。
クローゼットとミニバーが一体化しているという不思議な間取り。クローゼットは結構出入りするので、リビングの無駄なスペースをクローゼットにあてて欲しかった。
ミニバーの飲み物は宿泊代金に含まれています。京都のクラフトビールがあるのが嬉しかったです。
ちょっとした書斎スペースもあります。デスクから高名な陶芸家の私邸の庭を再現した箱庭を望むのですが、私のように教養に乏しい人間には勿体ないかもしれません。WiFiの電波が行き届いておらず、速度もすげえ遅かったので、これはどうにかして欲しい。
またスイッチ類にスペルミスがあるのも、このクラスのホテルとしては如何なものか。
夕食は割烹とイタリアンのレストランがあり、外来での利用も可能です。我々は朝食のみのプランだったので、ここからは朝食をご紹介。
朝食は和食か洋食かを選択できるのですが、やはりここは和食で。追加料金で湯豆腐や焼き魚(だっけ?)も楽しめるとのことでしたが、スタンダードなメニューでもパーティーのような品揃えでした。
イカに毛ガニ、じゅんさい。朝から食べる料理としては最高峰の美味しさです。
こちらはイサキ(だっけ?)とお野菜を白味噌ベースのスープで頂きます。うーん、やっぱひらまつやるなあ。
蓮根餅。こういった小鉢まで朝からきちんと美味しい。
スッポンの茶碗蒸しなんてもう絶品。スッポンの身がこれでもかというほどぶち込まれており、その濃密なエキスと共に絶頂に達しました。河原町「本家たん熊」のどの料理よりも美味しいとか草。
ゴハンは各テーブルごとに特別誂えの土鍋で炊いてくれます。つやつやピカピカに輝くコシヒカリ。
お漬物もハイクオリティ。これだけで白米が捗るというものです。
しっかりとしたお味噌汁で〆てごちそうさまでした。部屋ひいてはハコについては色々と思うところがありましたが、朝食はさすがはひらまつといったクオリティでした。ただ、やはり部屋に解放感が欠落しているのは気になるところ。柊家は似たような環境なのにそれほど圧迫感を感じなかったので、何か上手くやる方法があれば良いのだけれど。

調度品などにも力を込めているのはすごく伝わってくるのですが、私を含めてその価値をきちんと理解できるゲストがどれだけいるのかは疑問。細部に拘り過ぎて、ホテル本来の目的を見失っている気がしないでもありません。
ただ、宿泊代金が高かったから私はこうやって文句ばっかり言ってるだけかもしれません。ホテルとしてはもう少し価格を抑えて数をこなし、「レストランひらまつ 高台寺」「十牛庵」とのコラボ企画などがあれば面白くなりそう。あまり宿泊施設として固執せず、京都におけるひらまつグループのハブとなることを一丁目一番地とする。
十牛庵でチェックインしてそのままランチを楽しんで食後は専用車でホテルに移動し一休み。夕暮れ時に散歩がてら高台寺に移動してフレンチを楽しみ車で帰っておやすみなさい。朝食はホテルで楽しんで、フリーフローのドリンク込みひとり10万円でどうだ!少なくとも十牛庵の庭の素晴らしさとレストランひらまつ高台寺からの景観でサポートすれば、ホテルの圧迫感は払拭できるような気がします。

このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング


関連記事
ひらまつ関連のお店にはかなり行きました。全般的に「外さないレストラン」で安心できるのですが、たまにハズレもあります。
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。