2018年秋に目黒不動前の近くにオープンした「焼肉BABY（ヤキニクベイベー）」。このあたり
「りんだ」や
「らんまる」など、中々にイケてる店が揃います。
今回は個室を予約。個室であれば子連れであってもOKなようです。恰好の良いカウンター席もあり使い勝手が良い。いずれであっても全てお店の方が焼いてくれます。
普通のビールは800円、クラフトビールは1,200円と結構高く、量も少ない。焼肉はビールをガブガブ行きたい派なので、この価格設定は少し残念。お食事は9,000円の「悶絶Babyフルコース」をお願いしました。
「ゆず薫るみぞれ和牛サーロインのお凌ぎ」で開幕。大根おろしを包んだ薄切りのサーロインに、キノコと薬味を添え、たっぷりのお出汁を注ぎます。いわゆる企画ものですが、これは素直に美味しかった。
タンが3種。結構な厚切りで焼肉というよりはステーキを食べているような気分です。昆布締めのタンが絶品。クリアな味覚のタンにしっかりと昆布の旨味が沁みていて、
祇園「にくの匠 三芳（みよし）」に迫る美味しさでした。
黒ニンニク味噌やパイナップルの何か（？）など、薬味にもひとひねりあって面白い。
「蕃 YORONIKU（えびす よろにく）」のように光の速さで下げられたりはしないのでご安心を。
ゴボウの冷製スープにモモ。まさか焼肉屋でこんなにシャレオッティな皿が出るとは驚きです。きちんとしたビストロに比肩する美味しさ。
ケジャン。韓国料理のひとつで、生のワタリガニを塩、漬け込みダレに漬けて熟成させたものです。大胆にかぶりつきチュウチュウと中身を吸う。ネットリと甘辛く酒が進む逸品です。
「溺れキムチ」はいわゆるキムチのほか、アワビや子持ち昆布などが付与された上、たっぷりの出汁（？）に漬かっています。サッパリとしつつも手ごたえのある旨さ。意欲的な皿が続き楽しくなってきました。
肩ロースとサガリ。厚い、というかデカい。やはり焼肉というよりもステーキに近い味覚です。
参宮橋「いぶさな」ほどでは無いにせよ、かなりの量の肉を食べたという実感があります。
野菜も葉っぱを出して終わり、というわではなく、ロマネスコや赤い根菜（？）などを用いた新鮮なサラダであり、その辺の欧米系レストランのサラダよりも余程レベルが高い。
ハンバーグまで出てきました。ただのミンチ肉ではなく、サーロインやタンなど本日登場した肉たちオールスターズな仕様であり、荒々しい噛み応えと肉そのものの味わいがすごくいい。全体を取りまとめるクリームっぽいソースもグッドです。
〆は大判薄切りのサーロインにトリュフをぶっかけて、、、
クルっと巻いて軽く炙り、濃厚なタレと卵黄と共に頂きます。万人受けするストレートな味わいであり、悔しいが、旨い。白米が欲しくなる濃厚さです。
〆の炭水化物は冷麺。麺のクニクニした美味しさはもとより、スープのアッサリとした旨味が締めくくりにちょうどよい味覚です。ひとり1杯づつ気前の良い量で配備されるのもいいですね。
締めはセミフレッド（半解凍状態のデザート）であり、こちらもキッチリと量があります。マルサラの風味が心肉い演出です。
温かいお茶でまったりしてごちそうさまでした。少し飲んで、お会計はひとりあたり1.2万円。これはいい、すごくいい。同じ支払金額で
「蕃 YORONIKU（えびす よろにく）」では怒りしか得るものはありませんでしたが、当店は量はたっぷり質は良し、サイドメニューも百花繚乱と、およそ非の打ち所がありません。何より店主の肉に対する愛情や焼肉に対する姿勢がすごくいい。次回は一番高いコースを注文しちゃおうっと。
関連記事
それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。有名店で、良かった順に並べてみました。
そうそう、肉と言えばこの本に焼肉担当として私のコメントが載っています。私はコンテンポラリーフレンチやイノベーティブあたりが得意分野のつもりだったのですが、まあ、自分の評価よりも他人の評価が全てです。お時間のある方はご覧になってみて下さい。
