龍苑(りゅうえん)/川崎

「知る人ぞ知る」という表現がピタリと当てはまる焼肉屋「龍苑(りゅうえん)」。食べログでの評価は恐ろしく低いですが、昔から川崎に住んでいる人であれば「焼肉なら龍苑」と評するほど有名なお店。川崎駅から徒歩30分近い僻地にあり予約は不可、2時間待ちはザラというパワー系。1回転目に入ろうとすれば開店前からシャッター前に並んでおく必要があります。
1回転目に入れない場合はファミレス形式に記帳し一旦解散。空席が出そうになれば電話をくれるという仕組みなので、待つには待つのですがそれほどストレスはかかりません。近くのマクドナルドで時間を潰すのがセオリーです。車で来た方は近くのイトーヨーカドーをブラブラするのも良いでしょう。
そのような経緯を経て味わう生ビールは格別。大ジョッキはバケツサイズであり、この量で千円を切る価格設定なのだから、多少の待ち時間は気にもなりません。

店内はテーブル数が数卓にお座敷という構成。グループでの来店も多く時間制限も無いので、美味しい肉をツマミにガンガン飲むといった雰囲気です。
当店を特徴づけているのは塩系メニューの味付け。ただの塩じゃなくて、とんでもない量のニンニクと謎の油に漬け込まれており、ざく切りのネギと絡まり不気味なほど旨い。ニンニクの量は相当なので、翌日まで確実に響くのでご注意を。
看板メニューのタン塩。厚めに切られたタンを出す店は多いですが、加えて大判で食べさせてくれるのが当店の美点。グザグサと歯を突きたてながらタンでタンを味わう。唯一無二の美味しさである。ちなみに店主の口は悪く客がへりくだるレベルの客あしらいですが、女子にはそっとハサミを添えてくれるなど、本質的な優しさに満ちたお店です。
サイドメニューも美味しい。朝鮮系の調味料を気前よく使う暴力的な味わいであり、思い切りの良い味付けです。お気に入りはチョレギサラダ。規格外のサイズに外観から美味しそうですが、これでも千円しません。
上カルビ。この皿については2千円強と、都心の焼肉屋に比肩する価格設定ではありますが、ポーションがかなり大きいので、結果的に割安です。
内臓系はタレがオススメ。火力を落としじっくりと火を通しながら酒を飲むのがベスト。ここからは独特の濃い味噌ダレをアテにダラダラと飲みます。臭みなどは一切なく、ザクザクとしたミノの歯ごたえなんてもう絶品。
なんやかんやで閉店まで居座ってしまいました。お会計はひとりあたり6千円と、都心の調子に乗った焼肉屋の半額以下で済みます。もちろん「いぶさな」のように頂点に到達した店の肉質と比べると見劣りしますが、普段使いの焼肉という意味では最高峰の美味しさ並びに費用対効果と言えるでしょう。良く飲み良く食べる仲間と共にどうぞ。

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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。有名店で、良かった順に並べてみました。
そうそう、肉と言えばこの本に焼肉担当として私のコメントが載っています。私はコンテンポラリーフレンチやイノベーティブあたりが得意分野のつもりだったのですが、まあ、自分の評価よりも他人の評価が全てです。お時間のある方はご覧になってみて下さい。