cenci(チェンチ)/神宮丸太町(京都)

神宮丸太町駅から歩いて10分、平安神宮のそばの閑静な住宅街にある「cenci(チェンチ)」。ミシュランでは1ツ星、食べログではブロンズメダルを獲得し百名店に選出と、京都を代表するイタリア料理店です。
お店のつくりが格好良いですねえ(写真は食べログ公式ページより)。築100年以上の日本家屋をリノベしたそうで、天井が高く開放的な空間であり、それでいて木の温かみも感じます。雰囲気エロ過ぎないので、のんびりしたい上質なデートにピッタリです。接客も程よくカジュアルであり、ハイアットっぽい親しみ易さが感じられました。

坂本健シェフは京都生まれ京都育ち。「イル・パッパラルド」や「イル・ギオットーネ」で腕を磨いたのち、2014年に当店をオープン。
ペルシュウ、すなわちパルマ風の生ハムでスタート。コンドームのように薄くスライスされておりエアリーなタッチが魅力的。品の良い脂の甘味と繊細な塩気。付け合わせの蜜芋の濃密な甘味に良く合います。
サワラの生寿司(きずし)。穏やかな酸味が味蕾に心地よく、柿のアダルトな甘味との組み合わせも魅力的。酸味豊かな白ワインにピッタリです。
馬肉のタルタル。鉄分を感じるマッチョな味わいに舌鼓。ソースというかミンチというか、牡蠣がたっぷり組み込まれているのも美味しい。
グリッシーニに始まり、パンは3種ご用意頂けました。いずれもプレーンな味わいですが、当店は全体を通して味付けが濃いので、それぐらいの位置づけで丁度良いのかもしれません。
表面にビビビと焼き目をつけた雲子(タラの白子)。単刀直入にズバっと旨く、発酵させた白菜やマコモダケの穏やかな酸味も心地よい。また底には特大のラヴィオリが置かれており、中にはジャガイモがギュウギュウに詰まっていて食べでがあります。
肉厚のシイタケをぶつ切りにして豆板醤で味付け。甘いテイストのピーカンナッツやトマトなども散らされており、ちょっと味が多過ぎで複雑怪奇。私のシンプルな味覚では良くわかりませんでした。
メインは鹿。血の気配を感じる濃密な肉であり、赤ワインに良く合います。付け合わせのジューシーなネギの美味しさも見逃せません。
〆の炭水化物にフェトチーネ。紅ズワイガニがドッサリと盛られており、その旨味で口腔内が完全に支配されるのが尊い。ところどころ山椒のアクセントも光っており、記憶に残ったパスタでした。
デザート1皿目は栗をたっぷり用いたクリーム。真っ先に「クリのクリームですね」というダジャレにもならないダジャレが脳裏に浮かび、私も歳をとったものだと哀愁に浸ります。
デザート2皿目はアップルパイ。酸味の強いリンゴの果肉とヘーゼルナッツのアイスの重厚な風味が良く合います。ところで当店は全体を通して酸味の出番が多く、しかもその酸味がトマト由来でないことが多いのが興味深い。
食後のお茶は10種ほどの中から選択することができるのですが、せっかくの京都なので、ミーハー的に抹茶としました。恐らくきちんとした抹茶を食後に出すイタリア料理店は当店が初めてでしょう。

お食事が1.6万円ほどで、そこにワインをたっぷり飲んで、お会計はひとりあたり2.8万円ほど。イタリア料理店としては中々の支払金額ですが、それに見合った食事内容であり大満足。クラシックなイタリア料理というよりは和のテイストを多分に滲ませているので、京都イタリアン!的に観光客にもオススメ。ランチは7千円台~なので、今度はそちらを試してみようと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング


関連記事
京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
JR東海「そうだ京都、行こう。」20年間のポスターから写真・キャッチコピーを抜粋して一冊にまとめた本。京都の美しい写真と短いキャッチフレーズが面白く、こんなに簡潔な言葉で京都の社寺の魅力を表せるのかと思わず唸ってしまいます。