The Restaurant at Meadowood/Saint Helena(Napa Valley)

アメリカにはミシュラン三ツ星店が9つあって、そのうち2つはナパにあります。ひとつはフレンチランドリー、もうひとつが当店です。広大な敷地を擁するホテルのメインダイニングであり、ナパひいてはカリフォルニア屈指の高級リゾートに位置します。
暖炉ありーの木材すてきーの、いわゆるアメリカ人がものすごく好みそうな雰囲気。
延べ床面積自体は非常に広いのですが、どこまでも豊かな空間使い。欧米人のこういったセンスには毎度憧れてしまう。
プレゼンテーションプレートにはどことなく影のある雰囲気に溢れた花々。当店のイメージにぴったりです。
お通しは酸が感じられるチップスに
クレソンのソースを湛えたホワイトチェダーチーズ。普通に美味しいのですが、ババーンとテンションが上がる事は決して無い。
スモークした鰻にKornell Staves Cabernetで風味付けし、牛タンを挟み込んだもの。手でつまんで食べます。
普通じゃない調理に面食らいましたが、味わいとしては鰻とベーコンを一緒に食べているような感覚。当然に美味しいですが、あまり赤ワインは感じられず。それにしてもなぜイタリアワインを持ってくるのん?
冷やしたアボカドにひまわりのスプラウトと油を垂らし、大量のキャビアを盛り付ける。ハリウッド映画のような前菜。ピンポン玉ほどの大量キャビアが最高に美味しいのですが、この1皿だけで10,000円は超えるんじゃないかと暗い気持ちにもなりました。キャビアこんないらんから、その分もうちょい他の食材に配賦して欲しい。
ふとナプキンに目をやるとフレッテのものでした。ナプキンごときに凄まじいこだわり。なるほどこの店は食材だけでなく全てにカネがかかっているので、全てを味わう必要がありますね。
アワビにタマネギをムース状にしたもの?確かに美味しい。しかし成金的な食材の使用法に名古屋のトゥ・ラ・ジョアを思い出しました。
ビネガーをきかせたジャガイモのペーストを蜜蝋で調理したもの。カリカリとトロトロが共存して味はさることながら、食感も面白かったです。
サービスの方が丸焦げのキャベツをテーブル上で取り分けます。
内容物はキャベツにギンダラに牡蠣。仕上げにバターとヨーグルトと牡蠣エキスのソースを流し込む。ううむ、微妙。こんな不気味な調理ではなく、普通にフランス料理として食べたいですな。牡蠣の旨味が強すぎて魚の味は全くせず。
フラスコのような機器でラムとアーティチョークのエキスを抽出。こういう奇抜なプレゼンテーションに走られるとどんどん斜に構えてしまい、味わいのハードルを上げてしまう。。。
懸念した通り、大したスープではありませんでした。ラムとアーティチョークの他、様々なハーブなども含まれているようで複雑度が私のキャパシティを超えてしまい、何がなんだか。
スープと同じ構成要素で作った1皿。アーティチョークのムースにラムのタルタルを並べ、ヒマワリのスプラウトを並べる。なんだかツェルマットのAfter Sevenの失敗作のようです。
御開帳するとこんな感じ。これがニコライ・バーグマンの生花であれば良いのですが、食べて美味しくないのであれば価値は無し。
プクっと膨らんだ生地。サクっとした食感にほんのりとした甘さ。タルタルのっけて一緒に食べると割に良かったです。
熟成させたアヒルのグリル。マスタードとキャラメル(?)でマリネしたルバーブなど。これはまあ、普通に美味しいです。
唐突に出されるチーズの塊。
ノルマンディのトリプルクリームチーズ。黒トリュフが間に挟みこまれ、蜜蝋とハチミツの甘味を添える。トリプルクリームって、バターとそう変わらない乳脂肪分ですよ。こんな食えるか!食べたけど。妻の分もな。
米粉で作った酸味のきいたパンがあわせて提供されます。これはこれで結構な大きさ。先ほどのチーズとこのパンだけで、細身のOLのランチとしては充分です。全くもって意図を汲み取ることができず、どよ~んとした気分になりました。
ケフィア(発酵した乳飲料)のアイスはカンテサンスのメレンゲのアイスのようで美味。添えられたイチヂクのシロップ漬けもほどよい甘さ。シンプルでいいですね。
当店の庭で採れた食材をキャンディにしたもの。ひとつづつ全種類頂きます。
左からグレープフルーツ、ニンジン、ルバーブ、ビーツ。グレープフルーツは普通に美味しい。ニンジンはそれとは気づけないほど甘味が凝縮されていました。ルバーブは元々そんな好きな食材じゃないので印象なし。ビーツは土臭くって不味かった。
インドネシア産のコーヒーは非常に美味しかった。一番レベルが高いのはこのコーヒーだったかもしれません。
〆の小菓子にコーヒーの風味を感じることができるチョコレートケーキ。突然にわかり易い味わいで、直線的に美味しかったです。

全体を通して大して美味しくありませんでした。ところどころ面白い工夫はなされているのですが、いずれもどこかで見聞きしたような着想であり、ああまたか、という印象。既視感。これで三ツ星は違うと思うなあ。もちろん北米において突出した存在であることは認めるのですが、フランスや日本の三ツ星レストランと比べるとお話になりません。

加えて、値段が高すぎです。帰り際にキッチンを案内してもらえたのですが、40人近い従業員が居り、ある人は非常に忙しそうではあるものの、他の人は割とボーっとしてました。高い支払い金額の原因が彼らであることを考えるとなんだかなあ。

大いなる不満を抱えながら退店。やはりアメリカはステーキとハンバーガーの国なんだと確信した一夜でした。


「北米西海岸」シリーズ目次
今回の旅行ではこの本が心から役立ちました。食やワインに特化したサンフランシスコの紙媒体って意外と少ないんですよね。同じく西海岸を旅する友人に勧めると、5秒の立ち読みで買いました。オススメ!


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