UBERおよびLyftとタクシーの比較

今回の旅行は兎にも角にもUBERおよびLyft。もちろん教養としてこれらのサービスの存在は知っていましたが、実際に利用することにより、これらのサービスが如何に革新的かを実感することができました。

まずは結論。
UBERおよびLyftの圧勝です。タクシーのオワコン感が半端ないです。それでは具体的にUBERおよびLyft、ならびにタクシーを比べてみましょう。


【配車】
UBERおよびLyftの場合、自分を迎えに来ている車がどこに居てあと何分で到着するのかがスマホの画面でリアルタイムに把握できます。Lyftは精度が若干劣る使用感ですが、普段使いする分には気になりません。
他方、アメリカのタクシーの配車事情は心から最悪ですね。まず、流しのタクシーは期待できない。迎車をお願いするにしても電話口で自分の居場所を説明しなければならないし、「すぐ着きます」と言っておきながら平気で20分も待たせたり、来るか来ないかわからないまま待ち続けて結局来なかったり、ということもあります。

【経路】
UBERおよびLyftの場合、スマホで設定した目的地とGPSによる現在地情報から最適ルートを計算し、それに沿ってドライバーは運転します。ドライバーの画面と乗客の画面は同期されており、乗客は「今、自分がどこにいて、どの経路でどこに向かっているのか」が手に取るように把握できます。不安感など一切ありません。
こう書くと、タクシーの酷さが骨身に沁みます。行き先を告げると「わからない」と平気で回答し客にナビすることを要求する。仮に目的地をドライバーが知っていたとしても最適ルートである保証は全く無く、遠回りされているんじゃないかと疑念が生じる。皆さんも同じような経験があるのではないでしょうか。

【料金】
UBERはタクシーの30~50%オフ、Lyftはさらに安く感じます。しかもGPSとアプリにより計測された距離と時間から、料金がチップ込みで計算されるのでボラれる心配は一切ありません。迎車料金も不要です。また、事前登録したクレジットカードから決済されるので、降車時に金銭の受け渡しは生じません。
それに比べてタクシーに対する不信感。遠回りされているんじゃないか、メーターに細工されているんじゃないか、チップが15~20%とか心理的に高杉、さらにトランク1個につき1ドルのチップ?意味わかんない、がーん大きい紙幣しかないから無駄に多く払っちゃうことになる…、などと悩みは尽きません。UBERおよびLyftの透明性に一度慣れるとタクシーのいい加減さに腹が立ってきます。また、国や地域にもよりますが、迎車料金がかかる場合もあります。

【安全性】
UBERおよびLyftはタクシーよりも運転技術は高く感じました。タクシー業界は「アマチュアドライバーの運転技術は信頼に値しない」との一点張りですが、私にはあまりにも根拠薄弱に思えます。

私の実体験に限ってですが、日本ならびに世界中のタクシーで「運転荒いなあ」と思う確率は5割以上であり追突事故に巻き込まれたこともあります。UBERおよびLyftは今回20回以上利用しましたが、そのように思ったことは一度もありません。

さらに、UberおよびLyftは、乗客が乗車後にドライバーを必ず評価する仕組みであり、その評価は全ユーザに公開され、評価が一定ラインを下回ったドライバーはUberおよびLyftからクビになります。安全性に問題のあるドライバーは淘汰される構造です。もちろんタクシーにも「お客様の声カード」のようなものはありますが、果たしてどれ程機能していることやら。

また、タクシードライバーは高齢者が多く、UBERおよびLyftのドライバーは20~30代がほとんどであったことを考えると、身体の基礎能力という観点からも、運転技術はUBERおよびLyftに軍配が挙がると感じました。

ところで、「UBERおよびLyftのドライバーはアマチュアであるから、犯罪に手を染めるかもしれない」という問題提起についてはどうでしょうか。そりゃあどこにでも一定層悪い奴が存在することは認めますが、過去の乗客から評価はされているし、プロフィールも顔写真も車両もナンバープレートも全て公開されているのですから、そうそう悪いことはできないと思います。タクシーのほうがよっぽど匿名性が高いんじゃないかなあ。そのような事件に遭ったことが一度も無いので何とも言えませんが。

【サービス】
前述の通り、UberおよびLyftは、乗客が乗車後にドライバーを必ず評価する仕組みであり、その評価は全ユーザに公開され、評価が一定ラインを下回ったドライバーはUberおよびLyftからクビになります。「キャンディいるか?」「水は自由に飲んでくれ」など、皆、評価を上げようと必死です。私がお会いしたUberおよびLyftの運転手は一様にスマートで物腰が柔らかくホスピタリティに溢れ、他にホワイトカラーの仕事があるけど空いた時間でバイトしている、そんな雰囲気の方々が多く感じました。そのためか、UberおよびLyftのドライバーにイラついたことはただの一度もありません。

他方、私がタクシードライバーにイラつく確率は3割を超えます。私は日々の生活を送る上で腹が立つことなどほとんどないのに、タクシー運転手たちの私を怒らせる才能は凄まじいものがあります。

【カバー範囲】
田舎はUBERおよびLyftのドライバー獲得営業が進んでおらず、また都会に比べるとITリテラシが低く新規サービスへの心理的抵抗感が高いためか、UBERおよびLyftの登録車が非常に少ない。LyftよりもUBERのほうがまだマシな印象です。もちろん私はサンフランシスコ、ナパバレー、LA、アナハイムでしか利用していないので、これだけで全てを語ることはできませんが。

一方で、さすがにどの街にもタクシー会社はあるため、そういう意味でタクシーのカバー範囲は広く感じました。
長距離運転に関して。Lyftにおいてサンフランシスコからセントヘレナへの移動(約100km)をリクエストすると「エリアをまたがる移動は不可」のようなメッセージが表示され、アプリの時点で受け付けてもらえませんでした。元々Lyftはコミュニティの人がそのコミュニティの人を助けるという概念で始まったものなので、これは仕方ないのかもしれません。

UBERのドライバーは「え?セントヘレナまで?途中トイレ行って良い?」程度の反応であり、特に距離に制限はなくドライバー次第といったところ。


繰り返しになりますが、UBERおよびLyftの圧勝です。UBERおよびLyftはタクシーの情報産業としての機能をITで補い、タクシー業務を限りなく単純労働に近づけました。タクシーについて回るあらゆるストレスをITで解消した正真正銘のイノベーションです。

とは言え、現時点においてはタクシーの利用価値もまだ残るのも事実。したがって、いずれかのサービスに執着するのではなく、複数サービスを組み合わせてその時々の最適を目指すのが良いでしょう。私は基本的にはLyftを使い、捕まらなければUBERを呼び出し、最後の手段としてタクシー会社に電話する、というスタンスです。それでも将来的には自動運転技術がさらに発達するでしょうから、この世から「タクシー運転手」という職業は消えてなくなるかもしれませんね。

日本においても時代錯誤な規制はさっさと取っ払って欲しいなあ。最大多数の最大幸福を目指すなら絶対にUBERおよびLyftの活用だと思うんだけどなあ。
ところでUBERに興味を持ったアナタ!アプリをインストールの後に、プロモーションコードとして q1xjbncdue と入力すれば初回2,000円分が無料となります。同時に私も2,000円分のクーポンが貰えます。私の麻布十番から恵比寿までの片道タクシー代が浮くので、使ってもらえると嬉しいです。ちなみに私はほんの少し得したいだけであり、決してネズミ講の回し者ではありません悪しからず。


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「北米西海岸」シリーズ目次
今回の旅行ではこの本が心から役立ちました。食やワインに特化したサンフランシスコの紙媒体って意外と少ないんですよね。同じく西海岸を旅する友人に勧めると、5秒の立ち読みで買いました。オススメ!


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