「奄美めっちゃ良かった!超オススメ!」という話をあまり聞かない理由

今年の夏はGoToで混みそうなので、海は早めに楽しみます。黒糖焼酎の里、奄美大島。鹿児島県ではりますが、鹿児島市からは400キロも離れており素人目には沖縄的なポジションに見えます。
「大島」と言うだけあって、日本の島では5番目に大きい(択捉島>国後島>沖縄本島>佐渡島>奄美大島)。他方、意外にも年間の日照時間は日本一短く、海と空ばっかりあると甘く見ていると雨に降られます。


■A・コープ鹿児島笠利店
https://acoop-ks.co.jp/shop/kasari
車を借り、さっそく島内の食糧事情と物価の調査に入ります。湿度が高く建物から出た瞬間にブワっと水滴がつくので、良いカメラをお持ちの方は中から腐食しないように気を付けましょう。湿気取りの薬剤をジップロックに入れて、その中に一緒にカメラを入れると良いらしいです。

さて、食材ならびに物価につき、私はあまりピンと来ませんでした。コンビニやマツキヨなどは普通にある島なので、ある意味本土の地方都市と同じ、無個性な印象を受けます。


■伝泊 The Beachfront MIJORA
https://www.takemachelin.com/2020/07/beachfront-mijora.html
建築家の山下保博が手掛けるスモールラグジュアリー。なのですが、ハードはイケてますがソフト面がチー牛そのものでした。同じ価格帯のリゾートホテルに比べると全然プーですね。箱が良ければいいってもんじゃない。あくまでロケーションと建物と景観を楽しむだけの超高級エアビーと割り切って訪れましょう。詳細は別記事にて



■ガジュマルの樹の下で
https://www.takemachelin.com/2020/07/kinoshita.html
奄美大島の北部、ちょっとした市街地となっている街(笠利町)の中心地に位置する居酒屋。おじいさんが独りでフラっと飲みに来るなど、地元客も積極的に利用しているようです。
かなり飲み食いしてお会計はひとりあたり4~5千円で済みました。おおー、これが島の力、英語で言うとアイランドパワーです。気軽に入ってガンガン注文して腹いっぱい食べてこの支払金額は素晴らしい。ランチはもちろん夜でも定食を提供しており、ドリンクを頼まなくてもOK。近所に欲しいお店です。詳細は別記事にて


■たこ照
https://tabelog.com/kagoshima/A4605/A460502/46011920/
奄美大島はタコが良く獲れるからか、妙にたこ焼き屋が多い。しかも観光客だけでなく地元民も普段使いしているようで、たこ焼きが日常に溶け込んでいます。
さて当店のたこ焼きは、生地の旨さや焼きの技術はさておき、確かにタコそのものが美味しい気がします。マッチョな質感に濃いタコの味。一方で、8個で600円と東京とそう変わらない値付けに色々と思う所がありました。


■ひさ倉 (ひさくら)
https://www.takemachelin.com/2020/07/hisakura.html
奄美の郷土料理と言えば「鶏飯(けいはん)」。一般的には鶏肉の炊き込みご飯を想像しがちですが、奄美の鶏飯は出汁茶漬け的な料理です。かなり豪快に飲み食いしてお会計はひとりあたり1,500円ほど。これはやばたんまるな費用対効果ですね。あなたが仮に食べ盛りの中高生や大食いのデブだったとしても、ライスとスープおかわり自由というのが素晴らしい。東京のラーメン屋が太刀打ちできないぐらいのスープが飲み放題ってどういうこと。午前中オープンの夜閉店までのノンストップ営業というのも観光客にとっても魅力的。今回の奄美旅行で最もビビビと来たお店でした。詳細は別記事にて


■マネン崎展望所
THE SCENE(後述)に向かう途中、島の南部にある何でもない展望台なのですが、ここからの眺望は絶景中の絶景でした。2020年タケマシュラン・ルックアウト・ベスト10に入りそうな予感。


■THE SCENE amami spa&resort(ザ・シーン)
https://www.takemachelin.com/2020/07/the-scene-amami-spa.html
奄美空港から車で2時間、奄美最南端のまち瀬戸内町にある「THE SCENE amami spa&resort」。東京からのアクセスは極めて悪く、着いてみても海以外は何もないという中々にハードルが高い地域ではありますが、休暇に対して誠実なゲストが多く、ヘンなパリピや不倫カップルがいないのが良い。高齢者も子供もいますが、ジェネギャを超えた客側の価値観の統一が感じられるホテルでした。詳細は別記事にて


■それいゆふぁーむ チーズ工房
https://tabelog.com/kagoshima/A4605/A460502/46012697/
フルーツや養蜂、ヤギの飼育に取り組む「それいゆふぁーむ」の直売所。写真スポット「ハートロック」の近くなので、そのついでに訪れると良いかもしれません。
自慢はヤギのミルクを用いたソフトクリームやアイスクリーム、チーズケーキ。いずれもまあまあ美味しいのですが、ソフトクリーム400円超というのはやりすぎかも。この価格帯になってくると、ゴディバ「ショコリキサー」あたりとの闘いになってくるので、自然と評価は厳しくなります。


■ラフォンテ (La Fonte)
https://tabelog.com/kagoshima/A4605/A460502/46007204/
前述の「それいゆふぁーむ」からすぐにあるジェラート屋。大きなテラス席を備えた雰囲気のある建物です。
が、やはりカップジェラートが600円超とすごく高い。「それいゆふぁーむ」と同じくそこそこ美味しくはありますが、ここでしか味わえない絶品というわけではなく、色々考えると割高に感じました。


■ジョイフルジュニア 奄美空港店
https://tabelog.com/kagoshima/A4605/A460502/46007384/
奄美空港にはラウンジが無いのでカフェで時間をつぶそう、と思いきや、ファミレスしかありません。なぜかジョイフルは奄美の民に受け入れられており、島内で何軒も見かけました。


■総括
奄美の皆さんには申し訳ありませんが、あまりピンと来ない島でした。中途半端に都会で妙に物価が高く、かなりの僻地に来たはずなのに離島感は無く、どっちつかずな印象です。これなら沖縄いっちゃうなあ。沖縄は上手く予約すれば飛行機もホテルも安く済むし、アーバンにもジャングルにも対応できる。「奄美めっちゃ良かった!超オススメ!」という話をあまり聞かない理由が何となくわかった気がします。

ただ、道を歩いていると、すれ違う人たちみんなが「こんにちわー!」って声かけてくれるのはすごく嬉しかった。旅ではなく、住むべき島なのかもしれません。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。