ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 賢島(ホテル)/三重

ひらまつがホテル事業に本格参入。最初に目を付けた地は三重県は賢島(かしこじま)。伊勢志摩サミットの舞台であり、国内外のVIPが滞在する渋い保養地です。最近ではアマンも開業して話題となりました。ホテルまでのアプローチは「MAGACHABARU(マガチャバル)」に似た雰囲気です。
英虞湾(あごわん)を見下ろす高台にある位置し、何でも某企業の保養所だった建物をリノベーションしたとのこと。建物全体を茶色の金網で囲ってしまった斬新な外観です。デザインを手がけたのはデザイナーのムッシュ森田恭通。
まさに絶景。日本人にとって海とは白い砂のビーチを思い浮かべがちですが、この島々に海が入り組んだ地形も乙な味。まるで地中海やエーゲ海の島々に来たかのようです。
また、館内は美術館さながらの展示品に溢れています。草間彌生を始めとする美術作品に囲まれて過ごす贅沢なひととき。ラウンジでウェルカムドリンクを頂きながらゆったりとチェックイン。
我々のお部屋は本館のツインルーム。平たく言うと安い方の部屋なのですが、それでも50平米はありそうなゆとりのある空間。
ライティングディスクは割と普通です。加えてwifiは弱く速度も速くない。京都のひらまつでも同じことを思いましたが、やはりビジネスホテルでないためその辺あまり興味がないのかもしれません。
クローゼットには沢山のハンガーにセーフティボックスなど一般的な仕様。ホテルオリジナルのルームウエアやバスローブ、パジャマなどお着換えで忙しい。
ミニバーはソフトドリンクに限って無料であり、アルコール類はしっかりと別料金。普通に泊まれば1泊1室10万円を超えるリゾートなのだから、その辺は気前よくやってくれても良いと思うのだけれど。
洗面所は広く動線も良く使い勝手ヨシ。タオルは今治産、ベースのアメニティは「OMNISENS(オムニサンス)」であり、試供品(?協賛?)としてミキモトのアメニティもありました。
バスルームは英虞湾(あごわん)を望むことができる抜群の眺望を誇るのですが、別途予約制の露天風呂もあるため、そっちを使う人がほとんどでしょう。
トイレは完全セパレートタイプ。一般的な仕様です。
部屋に入ってすぐ、ウェルカムスイーツとハーブティーが届きました。一般的なホテルであればこういう食べ物は投げやりなクオリティであることが多いのですが、当館はやはりひらまつ、きちんとした夕食の最後を締める小菓子レベルの美味しさがありました。
夕食は階下のプライベートダイニングへ。詳細は別記事にて
食事中にターンダウンして頂きました。マットレスは「REGALIA」のものであり寝心地抜群。自宅では夜中に必ず一度は目が覚めお手洗いに行くのですが、この日の夜は一度も起きることなくぶっ通しで寝続けることができました。
朝イチで貸し切りの露天風呂へ。浜島温泉の湯というものを引っ張っており解放感が抜群。
朝食もお部屋の下にあるプライベートダイニングへ。ゆうべとは異なる部屋であり、窓際にラウンジチェアまで置かれています。全客室に応じた個室を用意するだなんて、何て贅沢なのでしょう。
朝食は地元の有名な牛乳「山村牛乳」で始まります。新鮮かつ濃厚な口当たり。
朝のスープは伊勢エビのビスク。凝縮に凝縮を重ねた味覚であり、ザラりとした舌触りもたまりません。「ラ・メール(La Mer)」で一番マシだった伊勢海老のスープのクオリティを軽々超えてきます。
パンはクロワッサンにパンオショコラ(チョコデニッシュ)、アップルパイ的なデニッシュ、トーストと選り取り見取り。チェックアウト時にお土産としても持たせてくれました。
新鮮なレタスにハム、海藻、トマト、ジャガイモなどなど。シンプルな皿ですが食材の質が高いことが伝わってきます。
メインはエッグベネディクト。やはり高品質で新鮮な卵を用いており、トロりとした黄身が魅力的なソースです。
〆にヨーグルト。フルーツやミントのジュレで食べて良し、備え付けの濃厚なハチミツで食べても良し。
ハーブティーで〆てごちそうさまでした。いやはやシンプルながら素晴らしい朝食。私は普段朝食は食べない派なのですが、当館のそれは例外。這ってでも食べたいレベルです。

素晴らしい滞在でした。沖縄のひらまつに比べると敷地が狭くアクティビティも限られるので、食しかすることが無いのですが、その食べるという行為に没頭できる施設です。料理のクオリティはこれまでお邪魔したひらまつ系列のレストランで一番。食材の宝庫においてプロ中のプロが限られたゲストのみに全力を注ぐというコンセプト。美味しくないわけがありません。ゲストとしての楽しみは勿論のこと、働く側としても魅力的な施設と言えるでしょう。お伊勢さんへのお参りのたびに泊まりたいホテルです。オススメ!


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ホテル業界の神と随一のマーケターの共著。サービスする側/される側の両視点があり、「ホテルマンが感動するお客さま」「少しでもお得に、上質な部屋に泊まる方法」などの話題も興味深いです。

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