Series(シリーズ)/麻布台

飯倉片町の交差点近くにある中華料理店「Series(シリーズ)」。六本木「虎峰(こほう)」の姉妹店であり、運営会社は「北の家族」などを展開する株式会社subLime。高級業態として当店や「エルバ ダ ナカヒガシ」なども展開しています。
内装は「Restaurant T3(ティースリー)」からの居抜きであり、スタッフも残っています。金子優貴シェフは「聘珍楼」やマンダリン「センス(Sense)」出身。ソムリエでもあり、広東料理を土台に「虎峰」と同じく少量多皿多目的(26品!)に料理を展開します。テーブル席はもちろんのこと、厨房すぐそばのカウンター席や、入り口すぐのバーカウンターなど多彩な楽しみ方ができます。
26品という料理数も凄いですが、きちんとそれに合わせたペアリングを用意するのも凄い。結論を述べると、料理とペアリングでひとりあたり合計1.4万円と驚きの価格設定であり、それなのに1杯目はきちんとシャンパーニュで乾杯させてくれるとはハッピーうれピーエントロピーである。
まずはピータン豆腐。独特の嫌な風味は全く無く、ブラインドで食べればピータンとはわからないほどクリアな味わいです。
アオリイカ。中華風のソースが酒を呼ぶ味わい。
クラゲにインゲン豆にピクルス。そう、26品といってもこの1皿で3品カウントなので割にスイスイ食べ進めることができます。ところでこの日は小松菜奈似のワインエキスパートとお邪魔したのですが、華奢な彼女であっても余裕で食べ切り二次会でビールまで飲んでいたので、「26品」という響きに過剰に反応する必要はないでしょう。
よだれ牛。タレを楽しむ料理であり、濃いめの調味がやはり酒を呼びます。
続いて餃子。タネの野菜(セロリだっけ?)のザクザクとした食感が美味。
よだれ三部作の最後を飾るのは麺。細いヌードルでよだれダレを1滴残らず絡め取りました。
自家製の豚チャーシューにフォアグラを手羽先につめたチャーシュー、これはお酒とのマリアージュが素晴らしいですね。酒は梅を漬け込んだ紹興酒を花を含んだ氷を溶かしながら飲んでいくのですが、チャーシューの飴焼き的なコッテリした味わいに紹興酒の風味が良く合い、酸味は梅に補填され、飲み物とセットでひとつの完成された料理のように感じました。
点心はジャスミンにハイビスカス、トリュフ。色彩に目を奪われがちですが、タネは海老やら肉やらしっかりとしたものでした。
鮎の春巻。アツアツホクホクで旨い。大人の苦味を楽しむ逸品。
ハムのみで取った出汁のスープ。であっても驚くほど旨味が強く飲みごたえがあります。
空心菜を「マレーシア醤」という海老の風味を感じる調味料でガガっと炒めたもの。味付けが濃くやはり酒が進みます。
海老のビスク風チリソースとマンゴーマヨネーズソース。これは美味しいですねえ。みんな大好きエビチリソースをこれぞプロの調味といった濃密な味わいにしてています。甘い系統のワインとの組み合わせも良く、記憶に残った一皿でした。
このあたりワインやらカクテルやら何やらでパーティー状態。食事の楽しさは並べられるグラスの数に比例するのだ。
皮付豚バラ肉の黒酢酢豚に自家製の大根餅。ジューシーな豚肉にやはりハッキリとした味付けで攻め込みます。ライスが欲しくなる濃密な味わい。残ったソースは大根餅で絡め取ります。
茄子のフリット。シンプルな料理ですが唐辛子や山椒の風味が小気味よく、隠し切れないプロの香りを感じる1皿です。
ササっと作ったチャーハンも王道の美味しさ。先日の「東京五大炒飯」とは何だったのか。
〆の炭水化物は坦々麺。恵比寿「龍天門(リュウテンモン)」を彷彿とさせる白胡麻クリーミー系であり、とにかくスープが旨い。個人的には麻辣のきいた担々麺のほうが好みなのですが、そういった個人の趣味嗜好を凌駕するほどの完成度の高さを感じました。
デザートは杏仁豆腐にマンゴープリン。一般的な中華料理店ではどちらかひとつの選択となることが多いですが、両方出て来るのはハッピーうれピーエントロピーである。
ライチのシャーベットでお口をサッパリ。ごちそうさまでした!
前述の通り、料理とペアリングを合わせてひとりあたり合計1.4万円。びっくり仰天の費用対効果であり、白金台「ShinoiS(シノワ)」であればお茶のペアリングだけで似たような金額を請求されることを鑑みると、中国四千年の歴史って何だろうと考え込んでしまいました。
少量多皿の宿命からかズバリ記憶に残る料理は少ないですが、そのウイークポイントを補って余りあるほどの酒の量とカリテプリ。酒飲みな女子を中心に人気が爆発する予感。「虎峰(こほう)」は気取った雰囲気の割にバタバタと落ち着かないのであまり好きになれませんでしたが、当店は良い意味でカジュアル。三枚目キャラの店員たちが盛り上げながらグイグイ飲ませてくれるのでハッピーうれピーエントロピーなことこの上なし。オススメです。必ずワインペアリングをつけること。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
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