北の華 はやし/千歳

JR千歳駅から徒歩15分にある「北の華 はやし」。ミシュラン2ツ星。カウンター8席のみ2回転の鮨屋なので、立地の割に(失礼)ものすごく予約が取りづらいです。
林直司シェフは千歳市の出身。札幌の鮨屋で経験を重ねたのち、地元の千歳で「鮨処 北の華」を開業。30席超の大箱なのですが、このたびそのお店のお隣に「北の華 はやし」をオープンさせたのです。平日に訪れたためか、ゲストの殆どは地元の常連でした。
酒が安い。ハートランドは700円で、日本酒はグラスで800円ほど。女将が妙に日本酒に詳しく、北海道の地酒を中心に料理との相性を考えてアルコールを組み立ててくれます。
まずはハマグリ。ハマグリというよりも、少し散らした海苔の強烈な風味に心を奪われました。
アスパラにレタス、新玉ねぎと春の味。
ゴジラエビ。正式名称はイバラモエビという海老であり、漁獲量が少なく殆どが漁師町で消費されるそうな。味はボタンエビに近く、ゴジラだけにより逞しく感じました。
頭の部分をバリっと焼きます。なるほどイバラ(茨)と冠するだけあってトゲトゲで歯茎から血が出ます。
ツブ貝は生と炙りの2種。生は甘く、炙ると旨味が増す不思議。
肝の部分。おお、こんなにクリンとデカいんですね。濃密な味わいで酒を呼びます。
真ゾイ。ソイ・カーストの上位に位置する魚であり、その卵と親子丼的に和えて珍味な一皿。
シラウオの笹焼き。おおー、こんなに大きなシラウオは初めてです。笹の香りがほんのり移って乙な味。
ソイのアンキモ巻き。ぐわー、これは美味しいですねえ。濃厚なアンキモを淡泊だがしかしマッチョなソイが包み込み、コッテリとムキムキが同居するツマミでした。
シャコのメスとオスを食べ比べ。なるほどメスは卵(?)のジョリジョリした食感が旨く、オスはネットリと甘い味覚。
こちらはマス。何かにたっぷりと漬け込まれており、旨味の奥にピリっとした酸味すら感じさせます。
ホタルイカは燻製にした後に軽く炙っており、スモーキーな大人の味。
イワシと山わさびを香り高い海苔で巻きます。イワシの脂の甘味、海苔の磯の風味、山わさびのスマートな辛さがクセになります。
紅ズワイガニの巻物。カニミソをたっぷりと練りこんであり、肥沃な味わいです。
アオリイカはとても甘い。細かく包丁を入れており、味蕾に官能的な甘味が吸い付いてきます。
熟成させたサワラを昆布締めで。やんごとない旨味をジトジトと蓄えており、お酒が進む握りです。
コハダは塩気と酢が強い。ゆうべの札幌「鮨一幸」でも思いましたが、北海道ではこういう調味が流行ってるのかな。
甘海老は3枚づけで。なるほどその名の通り甘く麗らかな味わいです。
オマケで海老ミソもついてきました。まさに珍味であり日本酒にピッタリです。
マグロは東京の有名なマグロ卸「やま幸」より。なるほど美味しいですがフードマイレージが気になるところでもあります。
中トロは先の赤身に比べてレーダーチャートのどの指標も大きくなった味わいであり、ああ、やっぱマグロって旨いよな。
毛ガニ。美味しいのですが、個人的にはさっきの紅ズワイガニのほうが印象が強かったかもしれません。あと、正直食べ辛い。
キンキ。艶っぽい舌触り。内側に忍んだ肝の旨味苦みが心憎い。
ウニも当然に美味しいのですが、やはり食べ辛い。個人的には磯の風味を湛えた軍艦が好きなんだ。
〆はマグロとカズノコを含んだ太巻き。カズノコのシャリシャリした食感がいいですねえ。ありそうでない巻物でした。
ギョクでフィナーレ。ごちそうさまでした。
アンコールに追加で涙巻き。一般的にはワサビだけを巻いたものを指しますが、当店のそれは本ワサビの他、山ワサビも用います。それもたっぷりと。山ワサビのスタイリッシュな辛さに思わず涙が滲み出る。
日本酒をそこそこ飲んで、お会計はひとりあたり1.8万円でした。東京に比べると随分と安く感じますが、地の利を活かした結果と考えれば妥当でしょう。食事も酒も地元のものが多く旅行者にとっては堪らない構成。しかしながら地元の常連客が幅をきかせているので、ある種の疎外感がかなりあります。常連に連れて行ってもらうか、思い切って8席貸し切ってお邪魔するのが良いでしょう。


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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。

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