喜作 (きさく)/前島(那覇市)

那覇空港において長年にわたり「見つけたら即買い」「空弁界隈のバーキン」として旅行者の渇望の対象となってきた「大東寿司(だいとうずし)」。この日はその製造元である割烹「喜作 (きさく)」にお邪魔しました。
那覇市前島(まえじま)。国道58号線や泊港など交通の要衝を擁するエリアであり、ゆいレールの美栄橋駅からは歩いて15分ほどでしょうか。観光客への迎合よりも地域住民や目的意識を持った来訪者を重視しており、地元では良く知られたお店です。
店内は50席近くあるでしょうか。カウンター席にテーブル席、お座敷があって、様々な用途に対応できるでしょう。地元の常連客とお店側との掛け合いが楽しく、何ともアットホームな雰囲気です。
ドリンクは高くなく、プレモルの中瓶が770円。やはり泡盛のラインナップが充実しており、ゲストの殆どはボトルでの注文を楽しんでいました。
お通しはサラダ。つるりとした春雨の喉越しに、キュウリやハム、薄焼き卵などの具材が彩りを添え、シャキシャキとした食感が楽しめます。
ワカメの天ぷら。沖縄では「もずく天ぷら」が有名ですが、こちらは「ワカメ」を用いており、サクッと軽い食感が印象的。揚げたての衣を噛むと、わかめ特有の磯の香りがふわりと鼻に抜けます。モチモチとした厚衣の沖縄天ぷらとはまた違う、スナック感覚で楽しめる軽快な歯ざわりが心地よい。
お造り盛り合わせ。近海で獲れた魚を中心に、脂の乗った内地の旬の魚も楽しむことができます。南国の魚特有の淡白ながらもモチっとした食感が後を引く美味しさ。一人前でこの種類と量は嬉しい。
北海かまぼこ。大ぶりなさつま揚げとも言うべき代物であり、揚げたての表面は香ばしく、中は魚のすり身の弾力がありながらも、ふっくらと柔らかい食感。噛むほどに魚の上品な甘みが感じられ、練り物ながら魚を食べている感の強いひと品です。
カンパチのカマの塩焼き。たっぷりと脂がのった部位であり、パリッと香ばしく焼き上げられた皮の下には、箸を入れると脂がしたたるほどジューシーな身が詰まっています。身はホロホロと柔らかく、凝縮された魚の脂の甘みが堪りません。骨の周りの身や皮目のゼラチン質な部分まで全てを堪能することができました。
〆はもちろん「大東寿司」。サワラを醤油ダレに漬け込んだ島寿司であり、なるほど握りたてを食べるとネタのネットリ感が強まりダンチの美味しさです。部位もお腹の脂がのった部分を炙ってくれたりと多様な味覚を楽しむことができます。

また、「まつり寿司」も一緒に盛ってもらいました。南大東島の祭りで振る舞われる厚焼き卵で巻いた太巻きであり、卵の優しい甘さが沁みる懐かしい味わいを醸し出しだしています。ちなみにそれぞれの寿司の個数などは従量課金制で自由自在に指定することができます。
以上を食べ、軽く飲んで8千円と少し。那覇の居酒屋としては高価な部類に入りますが、店名が示す通り敷居が高すぎるわけではなく、あくまで「気さく」に、しかし質の高い料理を楽しむことができます。ラフテーやチャンプルーなど沖縄の郷土料理も豊富であり、旅行者が訪れるにも良いでしょう。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。