K+(カゲロウプリュス)/西麻布

オッサン4人での食事会。大のエクアトゥール好きが集まったので、姉妹店のK+(カゲロウプリュス)へ。半分ガラス張りの店で外から内を伺えるカフェのような外観です。

ちなみにこの日、内から外を眺めていると、既婚者であるはずの知人が夫でない男と手を繋いで歩いていました。今夜も楽しくなりそうです。
内装も割にカジュアル。場所柄やはりと言うべきか、歳が倍以上離れたカップルばかりです。最近の港区はいったいどうしちゃったのでしょうか。互いに自分に嘘をつくのは止めた方が良いと思うのですが。
グラスのシャンパーニュで乾杯。柑橘系が強くスッキリドライな風味。真夏の夜の泡として最適な1杯でした。
前菜盛り合わせは半熟卵トリュフから時計回りにブッラータにキャビア、パテ、イカジェノヴェーゼ、サラミ、カマス、クラゲ。クラゲが印象的でした。キクラゲでなくクラゲ。コリコリとした例の食感に不思議とヨーロッパを感じさせる味覚。中華料理以外で食べるのは初めてかもしれません。
パンはシンプルですが中々に美味しいです。食事の邪魔をせず、ソースを拭い去るに程よい脇役。
カニクリームコロッケ。ソースはアメリケーヌ。タルタルにキャビアと付け合せのほうが豪華です。日本人であれば誰でも好きな味わいでしょう。個人的にはもう少し何か捻りがあったほうがよかった。捻りとは何かと問われると回答に窮するのですが。
こちらは持ち込みのシャンパーニュ。ちょっとしたお祝い事があり、その彼の生まれ年のヴィンテージ。コッテリとしたハチミツのニュアンスがとにかく重厚。泡は溶け込んでいるきらいがありますが、そもそもワインとして完成されており、じっくりと旨い。
ウニのカルボナーラ。細麺で、冷製です。これも見た目通りの美味しさであり、偶然ですが先のシャンパーニュにピッタリでした。
シラスと実山椒、青唐辛子のパスタ。たっぷりのシラスに山椒と青唐辛子の香りが爽快に響きます。麺そのものもモチモチとした食感で高品質。たっぷりのオイルで和えてあるのですが少しもクドくなく、程よい辛味がスタッカートとして鳴り響き、そう高くない食材であるのに唸るほど旨い。
96と素晴らしい年です。20数年前とは思えないほど品の良い熟成にバランスの良い樽香。リッチな口当たり。これはもう、ワイン単体で美味しいですね。辛味のあるパスタと合わせるには少々勿体無いかもしれません。
パスタ、続く。極厚のアワビにたっぷりのカラスミ、ソースはアワビのキモ。これはどっちゃくそに旨いですねえ。7月で食べた料理の中で一番美味しいお皿です。麺も先と同じくモチモチとした食感でグッド。無敵のパスタです。こればっかり3リットル食べたい。
メインはハンバーグ。美味しいのですが、先のアワビに比べるとインパクトに欠けます。個人的にはもう少し粗く挽いた肉のほうが好み。
赤ワインもイタリアのビオであり、私の方向性とは異なりました。アワビまでの流れが完璧であったために無念である。
デザートは抹茶のアイスに黒糖のティラミス。これもまあ美味しいのですが、アワビの圧倒的な存在感に比べると陰に隠れてしまいます。ネットの写真で見たカキ氷、食べたかったな。

ちなみにワガママを言えば割に融通がきくお店のようで、少人数であればプリフィクスで好きなものを好きなだけ注文(冷製パスタ5皿でもOK)できるようで、十番オルタシアを彷彿とさせる自由度の高さです。
持ち込み料を含めてひとりあたり3万円。立地を考えれば妥当な価格設定かもしれませんが、通い詰めるにはちょっと高いかなあ。また、空いていたためかもしれませんが、手の空いた店員同士が割に大きな声でダベっているのは、気になる人は気になるかもしれません。味は間違いなく良いので、カップルの記念日使いというよりは、気の置けないグルメ仲間で訪れるのが良いでしょう。


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