CRISTA(クリスタ)/表参道

みんな大好き、私も大好きT.Y. Harbor。その系列店である表参道Beaconが2016年夏に閉店し、同年秋にCRISTA(クリスタ)としてリニューアルオープン!
「テラス席で昼から飲もう!」がテーマだったのですが、山火事のように暑い昼下がりだったので、一旦は室内席に避難。天井にゆとりがあり最高も採光で、室内ながらも開放感に溢れています。
渋谷から歩いて来て干からびそうな私を見かねてか、スタッフが何を説明するよりもまず秒でキンキンに冷えたお茶を持ってきてくれました。これがホスピタリティというものである。2杯3杯と立て続けに空けても嫌な顔ひとつせずにどんどんお代わりを注いでくれるのが嬉しかったです。
汗が引きお茶で身体が潤ったころに女性陣も到着。「まずはビール、話はそれからね」 と、ウィートエールを注文。小麦の風味が支配的であり、円やかでドライという心地よい矛盾。こちらも一気飲みです。

「あたしの友達にすごいグルメがいるんだけどさ、彼が『タケマシュランってサイト、知ってる?あそこの記事はかなり信頼できる』って絶賛してたわよ。有名になったものね」肌を撫でるような声で彼女は囁く。
テラス席が空いたとのことで、席を移動。風のヌケもよく日光も上手く遮られ、30℃を超えてはいましたが快適快適。

「あなたって本当に何やってるか謎だよね。大体なんで平日の昼間っからあたしたちと一緒になってビール飲んでるわけ?ゆうべも美味しそうなもの食べてたみたいだし」ほほう、ゆうべの話をするのかね。ゆうべといえば、ずっと気になっていた女の子と初めてふたりで食事に行き、「ついこの前、離婚したんです」と激白されテンアゲになったばかりである。
私はクリスタバーガーを注文。「U.S.A. プライムビーフ」を用いているとのことですが、味わいは中くらいでした。ちょっと粒子が細かすぎるきらいがあり、粗挽き原理主義の私からすると、歯ざわりならびに噛みごたえに少々物足りなさを感じました。

付け合せのワッフルフライはものすごく美味しい。SM嬢のタイツのように目の粗いフライドポテトが目にも食感にも楽しかった。2018年6月度わが心のフライドポテト第1位である。

「ホントそういう、ギリギリセーフを狙っていくの、上手いよね。でも別に何もない。絶妙なちょうど良い感」「わかる。バーとかでさ、オトコが背もたれに手とか置かれるじゃん?あれがひとつの分水嶺かも。こっちも自然とカラダが向けばアリ。不快感があったらナシ。別に嫌いってわけじゃないんだけど」なるほど、来週別件ご新規さんとカウンターで食事に行く機会があるから試してみよう。
ポテトのツマミ感に抗えずクラフトビールをもう1杯。今回はIPAでホップの香りが強烈。標準的なビールよりも骨格のある味わいであり、豊富な苦味が爽快感を演出してくれます。

「うーん、あなたの場合はちょっと違うカモ。だって特定の分野でポジションを確立してるでしょ?だから、その分野の駆け出しの女の子なんてチョロいと思うけどなあ」チョロい、甘美な響きである。
付け合せのパンも地味に旨い。関連のbreadworks(ブレッドワークス)のものなのかなあ。単なるランチセットのオマケパンというよりは、お金を出して買ってもよいぐらい、私好みのものでした。

「この歳になると、顔とか収入とかよりも『自分が興味のある分野でその人が活躍しているか』が重要になってくるかも。あたしにとって、金融とかってマジで興味の無い話だから、その分野でいくら有名人で何億円稼いでいたとしてもプーって感じ。あたしにとってはただのオッサンでしかない」
「おう、撮るか?」と、皿を傾け私のほうへ向けてくる連れ。イケメンかよ。一般的なラムチョップの1.5倍近くのポーションがあり、ものすごく美味しそうでした。

「結局あなたが一番楽しい思いしてるんだもんなあ」つまらなそうに口をすぼめる彼女たち。私からは常にプラスイオンが出ているのだ。
セットのコーヒーはお願いした瞬間に出てきたので、恐らくは淹れ置きでしょう。酸味とエグ味が目だったので、アイスコーヒーで飲んだ方が良かったかもしれません。

「わ、もうこんな時間!あたしこのあと、土地見に行くんだよね。買おうと思ってさ」こんなランチの切り上げ方は初めて聞きました。これがマイナス金利時代のグータンヌーボーである。

お会計はひとり5,000円弱。ラグジュアリーホテルと同程度の雰囲気とサービスを享受してこの価格はリーズナブル。ディナーで真面目に飲み食いすると2万円近くするでしょうから、まずはランチで肌感覚が合うかどうかを確かめてから訪れましょう。表参道での、ちょっとリッチでセンスのよいデートにどうぞ。


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