越前蟹の坊(かにのぼう)/三国(福井)

福井県は三国湊の近くに「望洋楼」という1泊20万円ぐらいする新型料理旅館があるのですが、その近くにセカンドラインとして営業する越前蟹専門店「越前蟹の坊(かにのぼう)」があります。三国港駅のすぐ隣であり「かに道楽」の進化系のようなオブジェがあるのですぐにわかるでしょう。駐車場もたっぷり。
1階には巨大な水槽が並び、カニシーズン中は店頭にカニを茹でるための巨釜も用意されるようです。我々は真夏に訪れたので、カニではなく旬の海産物をたっぷり味わおうという魂胆です。客席は2階にあり、そのほとんどが個室という仕組みなので落ち着いて食事を楽しむことができます。
まずは名物の「三国産 甘海老てんこ盛り丼」を注文。2,365円です。
見て下さい、この甘海老の量感を。想像以上のてんこ盛りスタイルであり、「樺太食堂」を彷彿とさせる迫力です。見た目だけでなく味も抜群で、都心の単価3-4万円の鮨屋で出る甘海老の軍艦を凌駕する味わいです。ちなみに下味もついてあって、自家製の甘海老醤油とお出汁にくぐらせているそうです。
一体何匹の甘海老がぶち込まれているんだと数え始めましたが、30匹を超えたあたりで止めました。きっと20,000匹ぐらいいたんとちゃうかな。
ちなみに定食に付随する小鉢も抜かりの無い味わいであり、例えばこの冷奴も豆腐そのものが美味しく実にクリーミー。母体が料理旅館であるとの矜持を感じます。
シイタケを炊いたものに玉子焼きについても、素人では表現できないプロのニュアンスが感じられました。
こちらは「旬のちらし丼」。2,860円です。全ては地元の新鮮な魚介類であり、とりわけ白身魚のつよつよな味覚が心に残りました。盛り込みも美しい。いま貴方が想像している海鮮丼の味わいのベースは恐らく北海道や金沢など観光地のものでしょうが、その2倍は確実に美味しいですよ。私が保証します(誰)。
度肝を抜かれたランチでした。一般的に海産物と言えば北海道や金沢を想像しがちですが、それらは完全に観光地化されており役目を終えたと言っても良いのかもしれません。都心からのアクセスは抜群に悪いですが、当店の甘海老てんこ盛りがふるさと納税にラインナップされていたので、納税額が多い方は試してみると良いでしょう↓
次回は是非とも冬に訪れ、最高級の越前ガニを堪能を当店で試してみたいと思います。どうも「川㐂(かわき)」は割高感が否めなかったので、その相場感を確かめたいという意味合いもあります。

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