あなご亭/豊玉町(対馬)

ゲームフリークの中で対馬と言えば元寇をテーマとした世界的ヒット作「Ghost of Tsushima」ですが、フーディーの中では何と言っても「穴子」です。立派な和食店(日本料理・鮨・天ぷらetc)で穴子を食べれば対馬産であることが殆どです。
ちなみに対馬の穴子業界を牛耳っているのが「黄金あなご」ブランドを輩出した「株式会社フレッシュ対馬」。専属契約の漁師たちが対馬西沖でも特に良いあなごの獲れる漁場で操業し、それを目利きの職人が厳選しています。その業者が現場のすぐ隣で運営する穴子料理専門店がココ「あなご亭」。ミシュランの長崎版にも掲載されています。
週末のランチのみ営業、予約不可で80食売り切れじまいという難易度の高さ。念には念を入れてオープン30分前に訪れ記帳台に名前を入れるのですが、それでも我々は3組目。待ち人が多いのを見かねてか、ディズニーランドよろしく5分ほど前倒しで店内にご案内頂けました。
先付は穴子の出汁巻きに穴子の煮凝り。作り置きの雑なひと口と思いきや、かなりしっかりとアナゴアナゴしており美味。今後の展開に期待が膨らみます。
あなご白焼。ぎょえー、何だこの特大の穴子は!面積で言うと最新の一番デカいiPhoneぐらいあり、厚さに至ってはその2枚分ぐらいあります。箸で触れると跳ね返してくるほど弾力があり、口に含むとふんわりととろけるワガママボディ。穴子そのものの味が濃く、ちょっとワサビを載せるだけでパーフェクトな味覚です。これで1,500円だなんて信じられない。
茶碗蒸しには具材がゴロゴロ詰まっていて、自慢の穴子はもちろんのこと、エビにシイタケにギンナンと心強いラインナップです。量もたっぷりで、かなり腹に溜まりました。
「あなごカツ」は穴子料理としては珍しく、「とんかつ成蔵(なりくら)」のヒレかつを超えるサイズ感。白焼きよりも穴子の身に凝縮感があり、衣のザクっとした食感と共にアグレッシブな味わい。穴子以前に、こんなに美味しいカツ料理は初めてかもしれません。これも1,500円だなんて信じられない。
1,600円の「天ぷら」を注文し、穴子の天ぷらだけが来るのかと思いきや、海老天にナス・シイタケ・アスパラまで付いてきました。穴子に至っては30センチを余裕で超える特大サイズであり、脂の乗りと骨の柔らかさもマキシマム。

ちなみに東京湾や瀬戸内海で獲れるあなごは細くて短いものが美味しいとされますが、対馬西沖では冷たい海でイカやエビ、イワシなどを食べて育つため、こんなにも太く巨大に成長するらしいです。
〆は「特上せいろ蒸し」。ライスと同等ぐらいの厚みがある穴子がギュウギュウに詰まっており、この時わたしは絶頂に達したのです。それにしても、これだけ身が厚いのに溶けるほど柔らかく、それでいてジューシーなのは摩訶不思議。脂質も最上級である。
食後は濃厚なソフトクリームにコーヒー。このソフトクリームも結構美味しくて、決してオマケのお茶を濁し味では決してありません。「本当は定食にお付けするデザートなのですが、お客様はアラカルトでも沢山召し上がって頂いたので」とお店の方。なるほど確かに私は今日、世界で一番アナゴを食べた漢かもしれません。
以上を2人でシェアしてお会計はひとりあたり4千円強。噓でしょ何かの間違いでしょと思わず笑みがこぼれるお値打ち感。そもそも東京の気取った日本料理店であれば、冒頭の白焼きだけで1万円以上は請求されそうな勢いです。この興奮は「樺太食堂」の「二段式生うに丼」のそれを超えるかもしれません。株式会社フレッシュ対馬バンザイ!黄金あなごバンザイ!あなご亭バンザイ!

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。