エンパイア・ステーキハウス(Empire Steakhouse)/Midtown West(NY)

六本木は芋洗坂に海外初出店として耳目を集めた「エンパイア・ステーキハウス(Empire Steakhouse)」。そのニューヨーク本店を訪れました。
当店も「ピーター・ルーガー(Peter Luger Steak House)」から独立したクチ。ジャック、ジェフ、ラスの三兄弟がピーター・ルーガーで合算25年を過ごし、今や全米No1レストランガイド「ザガット・サーベイ」への掲載常連店となりました。

「ふうん、25年ねえ。日本にはさ、女は25歳まで、って男が多いよね。口に出さないだけかもしれないけれど、そう思っている男がすごく多い。女にシワがあってはならない。シミがあってはならない。白くなければならない」だったら壁にでも話してろよ、彼女は男のように腕を組んだ。
「クイックランチ」というお得なセットメニューがあったのでそちらを注文。まずはセットのサラダから。アメリカらしい雑なサラダですが、野菜は新鮮でドレッシングもわかり易い味わいであり結構好き。

うーん、それは極端な例じゃないのかな。私は日本男児の名誉をかけて主張する。少なくとも僕は年齢で人を判断したりはしない。その証拠に、「あなたの初婚は9コ上のバツイチだったって言うんでしょ?それは確かに何よりもの証明だよね」彼女は私の言葉を遮って言う。
胃袋にスペースを空けておくためにパンには手を付けず。アメリカってパンだのポテトだのを出しすぎる傾向にありますよね。必要十分な量だけを提供してもう少し安くならんもんか。

そうそう、もう少し僕のことを宣伝させてもらうと、僕が仲良くしている女の子の中央値はアラサーで、75パーセンタイルには60代の女性も入っているよ。ちなみにキミは僕よりも10も年下だ。年齢なんて関係ない。僕はキミのことを人間として魅力的に思っていて、たぶんキミもそう思ってくれていて、母国を離れて一緒にステーキを食べている。もう、極東のロリコン共なんて放って置いて良いんじゃないのかな?
真打登場。ミディアムレアのフィレステーキです。当店もピーター・ルーガーなどと同じく、USDA格付最高位プライムグレードのアンガスビーフを、専用熟成庫で1か月近く熟成させ、900℃のオーブンで焼き上げています。

思いきり火を通したガーリック風味のブロッコリーに、折り目正しい滑らかな舌触りのマッシュポテト。この組み合わせは伝統であり殿堂でもある。
さすがにポーターハウスの迫力には劣るものの、ステーキとしては最上位のレベルに属するでしょう。酷く旨味の強い肉であり、やはり噛みしめるほどに複雑な味覚が交錯する。肉・塩・胡椒。どうしてこれだけの組み合わせでこんなにも美味しいのでしょうか。それでいて代金は実にリーズナブル。
ソースはBenjamin Steakhouseと同様に不調法な作り置きに感じました。味覚は推して知るべし。肉が旨いので、塩コショウだけで充分である。

ロリコンに人としての味わいや教養の重要さを説いたって無駄だよ。彼らにそれを理解してもらうのは、力学に反すると言っても過言ではない。キミが何者かはキミ自身が決めれば良いんだ。珍しく説教臭く話す私。ニューヨークでの滞在時間が残り僅かという焦燥が私をそう駆り立てたのかもしれません。
お酒を飲まずにチップと税を込みで3,500円。これは素晴らしい費用対効果ですねえ。フォルクス程度の支払金額で世界最高峰のステーキを堪能。これぞアメリカの醍醐味です。そう考えると、日本のステーキハウスの値付けは高すぎだ。今後、日本において高級ステーキハウスの敷居は跨がないよう心に誓いました。


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