小笠原伯爵邸/若松河田

店名にインパクトがあって、ずっと気になっていましたが、中々訪れる機会が無かったお店。ミシュラン一ツ星。

若松河田駅出てすぐ、新宿にどうしてこんな風格のある邸宅が!?という、立派なハコでございます。公式ホームページには「2002年6月、長い眠りから覚め、よみがえった スパニッシュ様式の館がある。礼法の宗家で有名な小笠原家第30代当主、小笠原長幹伯爵(旧小倉藩主)の本邸である。」とありますが、私の日本語力では理解できませんでした。

入口に立った瞬間、嫌な予感。負のオーラが建物から出ている。こういう直感って、あたるんですよね。

荷物を預けた後はすげー太ったダサいにーちゃんが案内してくれます。看板としてああいうビジュアルを置くのはどうかと思うぜ小笠原。さらに、恐ろしく広いハコなのに、なぜか端っこからギュウギュウに詰められる。昼時のラーメン屋かよ。似たような時間帯に訪れたゲストが横並びに詰められるので、料理が出てくるタイミングも大体同じ。給食を食べているような錯覚に陥りました。
 フォアグラと菊芋のエスプーマ。「これからモダンスパニッシュやりますよ」という宣誓。こってりとして美味しいのですが、いきなりこんな味濃いの出したら舌を麻痺させるのでは?
 エビ。ピンチョスに見立ててサンセバスチャンまで視野に入れているよ、というアピール?何がしたいのかわからず色々と考え込んでしまいました。
 パンはモソモソしてて全然ダメ。殆ど手をつけなかった。

ってかさー、俺たちメシ食ってんのに近くで店員がたまってゴチャゴチャ喋ってるんだよね。すごく気が散る。テーブルウォッチングも露骨で居心地悪い。タイル貼りみたいな床材で、ウジャウジャいる店員がコツコツ歩き回る音がめちゃくちゃにうるさい。

唯一まともそうなサービスのオジサンがいたのですが、使えないガキどもの子守に必死で、「俺が目指している俺の仕事はこーじゃねーんだよ!」という雰囲気がひしひしと伝わって来る。すごくかわいそう。あまりにサービスが酷いから、どこかのレストラン(またはホテル)から「是非建て直しを」的に引き抜かれて来て、いっちょやったるかと思って来てみたらここまで酷いとは思っていませんでした、というストーリーを勝手に思い浮かべてしまいました。たぶんもうすぐ転職するんだろうな。かわいそすぎる。
 「霧の都の冬景色」という料理名のお皿。バカである。液体窒素でなんやかんやしたソースがメイン。死ぬほどまずい。野菜は何の味もしないし、食感もグニャグニャしてて気持ち悪い。ソースも派手なだけで味はナシ。エルブジに憧れていますの典型。
 にんにくスープ。おそらくスペインの伝統的なにんにくスープを再構築したつもりなんでしょうが、ヘンにドロドロで味濃くて微妙。無理し過ぎ。
 帆立貝と米。これってスペイン料理か?米とホタテとハーブとソースが全てバラバラ。完全分業で製造しているのがバレバレで、絶対に味見とかしていない。
 アンコウの鉄板焼きにイカ、キノコのソース。こちらも驚くほどBalla Balla。料理として成立していません。
 メインはイベリコ豚を焼いたもの。これはちょっとヘンじゃないでしょうか?イベリコ豚って、生ハムにするのに適している素材であって、普通に焼いてメインとして出すのは違うと思う。脂っぽくてすごく胸焼け。気持ち悪い。どうせなら思いっきりゲロ吐いてやったほうが良かったかな。
 デザートまでご丁寧にBalla Balla。この店、シェフっているのでしょうか?既製品をポンポン置いているだけの皿が多過ぎる。
 最後の最後まで酷いお皿。物語が何も感じられない。一連のストーリーの署名としてデザートで〆るという発想が皆無。最後に甘いものを出すことが決まっているから出すか、って感じ。
 コーヒーも黒いだけ。
小菓子はそもそも調和を狙ってないものなので、そういう意味で悪くはありませんでした。

人生でトップクラスに酷いレストランでした。料理は最悪。そしてサービスも負けずに劣悪。清潔感の無いどんくさいニーチャンとかがお皿をガチャガチャ。ドコンとテーブルにぶつかる。隣のテーブルに出す皿を間違って出す。皿の順番を間違える。料理の説明をし忘れる。あたりまえのことがあたりまえにできない。のび太だらけ。

このお店には、飲食業をやりたくてやっている人はほとんどいないのでしょう。なんとなく就職して、このレストランに配属されて、やれと言われた通りの仕事をこなしているだけ。悪い意味でビジネスライク。ホスピタリティとかが全く無くて、ただただ労働時間が過ぎ去るのを待っているだけ。

もちろん、特定の店員や料理人を個人攻撃するつもりは全くありません。諸悪の根源は運営会社。ハッタリのきく建物を舞台に馴染みの無い料理をバンと出せばなんとかなるだろうという意図が見え見え。ゲストを完全にナメなめきっている。

まあ、バンケットがメインなんでしょうね。普通に食べこんだ人なら絶対に耐えられない。食べログの点数だけは妙に良いのですが、個別のコメントを読んでみると「建物がスゴイ」というものばかりで「美味しい」「居心地が良い」という評価はほとんど無いのです。

連れがお手洗いから戻ってくると、「換気扇にものすごく埃がたまってて気持ち悪かった。あと、液体石鹸も100円均一みたいなポンプに入ってるし、それ自体もすごく薄汚れててた。洗うと余計汚くなりそう」との報告。こういうお店なんです。



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これは名著!なぜスペイン料理が料理界を席巻したのかが手に取るようにわかります。日本が観光立国となる手がかりも随所に散りばめられており、高城剛って懐が深いなとシミジミ。