PHILLIP'S FOOTE/ロックス(シドニー)

日本人観光客の間で「シドニーでステーキを食べるなら」が代名詞になりつつある当店。外観はパブそのものですが、店内奥へと進むと、、、
半屋外のBBQスペースが広がります。18時前という早めの時間に訪れたのですがほぼ満員であり、その後も空席が生じることはありません。必ず予約をしてから行きましょう。
座席を確保した後は全てセルフサービス。まずはパブエリアに向かい、キャッシュオンで飲み物を調達します。明朗会計で値段が読みやすい。英語が全くできなくても不安を抱えることのないレストランでしょう。
肉は奥のショーケースから選びます。こちらも値段表が下げられており指さし注文でOK。いずれも30ASD前後であり、1人前3千円といったところ。
ちょっと高いなあと思いきや、サラダバー込みの料金でした。
レタスやビーツ、インゲン、コールスローなど多種多様なサラダが並びます。が、味は食べ放題味ですね。オーストラリアの美点は野菜の旨さにあると信じていたのですが、当店に限っては腹を膨らませる用途にしか活用できませんでした。
注文した生肉を受け取った後は焼き台へと向かい、セルフで調理します。「〇肉は片面〇分焼きましょう」的な目安は掲示されているのですが、あくまでお好みで。そう、当店は焼肉のステーキ版と考えて頂ければと存じます。
片面3~4分づつ焼いてこんな感じに仕上がりました。肉そのものに調味はされておらず、また、肉の品質が良いとも言い難いので、総体として美味しいとは言えません。妻に感想を求めると、「これは、そうね、セルフサービスのフォルクスかな」とだけ述べ、あとは口を濁してしまいました。
サラダバー隣にあったジャガイモのローストは結構おいしい。本日一番のお皿です。
ビールを1杯飲んで食べて、お会計はひとりあたり4千円強といったところ。まあ、この価格帯であればあれこれとケチをつけるべきではありませんね。あくまでエンターテインメントであり、材料調達と場所取りと片付けが不要なバーベキュー場と考えましょう。仲間とワイワイ楽しむためのレストランでした。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

関連ランキング:ステーキ | ロックス / サーキュラーキー

ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾

広尾の商店街を抜けた先の路面店。このあたりオードアクアパッツァメログラーノアンビグラムなど良店が集中しています。
木目調で落ち着いた雰囲気の店内。テーブル間隔にもゆとりがあり、暖炉と薪など心あたたまる誂え。非常に居心地が良いです。忠内秀哲シェフは鮨屋のせがれであり、イタリアの名店で研鑽を重ねた後、広尾の地で独立(以上、写真は食べログ公式ページより)。
スパークリングワインで乾杯。ワインは3杯~のペアリング(泡白赤)が3,000円台から用意されており、立地と店構えの割に良心的な価格設定です。
開幕投手はカルボナーラの再構築。黒コショウと炭の風味が漂う土台にチーズが含まれた温かい一口。実に手の込んだ作業であり、今後の展開へ胸が高鳴ります。
白インゲン豆のスープ。ドロリとした食感の豆のスープにカラスミの風味が心地よく響く。イカや豚肉を用いたポルペッティ(肉団子)由来のコクが豊かであり、すなわち旨い。
パンは3種。乾燥したフォカッチャ出して終わりのイタメシ屋が多い中、当店のパンは調味がされていたり、クルミやジャガイモを用いていたりと、それ単体で美味しいものばかりで満足です。
大根をウロコに見立てて寒ブリを彩ります。ソースはプッタネスカ(マリナーラ)調であり、トマトとニンニクの風味が程よいアクセント。魚が旨く、調味も上手い。
タラの白子のフリット。カラっとした歯ざわりにトロっとした舌ざわり、白髪ネギのツンとした風味。何とも小気味良い料理です。ソースはトマト主体のリボリータ(野菜の煮込み)であり、先の皿と味覚がやや重複するので、どちらかを変えた方が良いかもしれません。
まさかのアメリカの白がやってきました。樽がギュンギュンにきいたパワーあふれる1杯であり実にコッテリ。セクシーな白子の味わいにピッタリです。
スパゲッティには牡蠣をミンチにしたラグー。大根は出汁っぽい何かで炊かれており、どことなく日本料理を思わせる味わいです。量もたっぷりで大満足。お店としては少量多皿を謡っているのですが、それぞれのポーションは中々のものであり、中量多皿という新ジャンルを確立したかもしれません。
メインディッシュは猪のロールキャベツにフォアグラ。なんとも猛々しい外観と語幹の料理ですが、実にサクサクと食べ進めることができる調理です。フォアグラの濃厚の旨味は保ちつつ、軽い。猪の臭みも丁寧に除去されており、残されたのは肉の濃密な味覚。
合わせるワインはコチラ。先の料理を食べるために選抜された甲斐があって、まさに猪突猛進といった赤ワインでピッタリです。
デザートに入ります。まずはフランボワーズのメレンゲとルビーショコラのソルベ。何とも品の良い味わいであり、花畑のような味わいです。もっと量を食べたいなあと若干のストレスを感じましたが、それには大きな理由があったことを後に知ることになる。
デザート2皿目は燻製したチョコレートのソルベにコーヒー風味のパンナコッタ。ソルベに薫香が満ち満ちており興味深い味わい。パンナコッタも可愛らしい味わいの後にビターな余韻が残り、イタリア料理店でここまで手の込んだ甘味を楽しめるとは嬉しくなる。
じゃじゃーん、お茶菓子はお好きなものをお好きなだけでーす。これは凄い。20席程度の個人店でここまでやってのけるイタリア料理店は初めてです。イタリアンにとらわれずフランス系のお菓子も盛りだくさんであり、そのいずれもにいちいち手が込んいます。
コーヒーまで一切の手抜き無し。ごちそうさまでした!

お会計で驚愕。ハイレベルな料理を腹いっぱい食べ、泡白赤と3杯飲んでひとりあたり9千円程でした。何かの間違いじゃないかと思って明細を検算しても、うん、間違いない、9千円である。これはちょっとリーズナブルを通り越して、もはや尊いですね。広尾五丁目の方向に足を向けて眠ることができませんありがたやありがたや。

予約がいつまでたっても取れない上、何万円もする割に大したことのないお店が増えてきている最近の外食環境に、ここのところ嫌気がさしていたのですが、いやはやこういうお店が存在するのであればやっぱもう嬉しくなっちゃいますねウヒョヒョ。おーいみんな、広尾に抜群に旨くてそんなに高くない店があるぞ、と宣伝して回りたいレベルです。おーいみんな、広尾に抜群に旨くてそんなに高くない店があるぞ、と。


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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。

関連ランキング:イタリアン | 広尾駅恵比寿駅

Endeavour Tap Rooms/Rocks(シドニー)

シドニーの交通の要衝「サーキュラキー」のすぐ西側にある地域「ロックス」。オーストラリア開拓の最初の土地であり、歴史を感じさせる石造りの建物や開拓時代を思わせる倉庫を利用した飲食店が立ち並びます。
その中でも当店は自前の醸造設備をもとにクラフトビールを提供。自家醸造のものの他、ゲストビールもいくつかありました。
「テイスティング・パドル」という、小グラスを4つ楽しんで15ASDというプランがあったので、それを用いて8種を試します。IPA系のものが安定して美味しい芸風でした。
ツマミにビーツとグリーンのサラダを注文したのですが、これが実に旨い。グリーンはクレソンでしょうか、苦味のある味わいがビールにベストマッチ。タヒニ(練りゴマ)ソースの濃密な味わいもオシャレ。
今回はクラフトビールを片手にのんびり過ごすことを目的とした入店だったのでフードの注文はサラダのみに留めましたが、あの味付けのセンスには期待できる。次回はきっちりとレストラン席に予約を入れて、じっくりと料理を楽しんでみたいと思いました。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

関連ランキング:オセアニア料理 | ロックス / サーキュラーキー

マッコ(Macco)/神田

グランボッカタンタボッカカルネジーオなどを展開するセレソングループのイタリアン。この系列は本当に素晴らしいレストランを連発していますね。これまで色々お邪魔しましたが、外れたことが一度もない。
平日の正午ごろに到着。5~6人の行列が生じており(写真は退店時)、人気の程が伺えます。待ち人のために温かい飲み物を用意してくれているのが優しい。
奥行きのあるカウンターと、テーブルがいくつか。キャパは30席ほどでしょうか。ゲストの大半が女性であり、おひとりさまも結構多い。
パスタランチに自動的に付随するサラダ。結構なボリュームであり、オマケとしては結構な食べ応えです。ただし野菜の質はあまり良くないように感じられ、卓上にあるドレッシングをダブダブにかけてようやく、といったところ。
当グループの名物、ポップオーバー。シュークリームの中身抜きというべきか、乳児の頭ほどのサイズは迫力満点。ホイップバターとシロップをたらして食べるとそれだけで立派なスイーツが完成します。しかもおかわり無料ときたもんだ。
ワタリガニのトマトクリームソース。結論から述べるとめちゃんこ旨い。まず、麺が素晴らしいですね。生麺由来のムチっとした歯ざわりは食べる楽しみを感じさせ、噛みしめるごとに小麦の風味が湧き出ます。ソースの量もたっぷりであり、残ったそれにライスをぶち込んでおじやにしたいレベルである。味覚は甲殻類の旨味に満ちており、トマトの酸味が上手にマスキングされています。めちゃんこ旨い。大盛りにすれば良かった。
この立地でサラダとパスタと食べ放題のポップオーバーを楽しんで1,000円ポッキリという価格設定も軽く奇跡。次回はディナーで訪れようっと。ちなみに夜のメインはローストビーフとのこと。が、その際であってもパスタの注文はお忘れなく!


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神田は良い街です。東京駅すぐ近くと至便であるのにも関わらず、5,000円も出せばしっかりと飲み食いができるお店が多い。気長に開拓していきたいと思います。

月刊『散歩の達人』のハンディ版。チャラついていない大人向けの硬派なガイドです。地図が解かり易く名所旧跡の紹介もしっかり。神田周辺をお散歩する際には是非。

関連ランキング:イタリアン | 小川町駅淡路町駅神田駅

bills(ビルズ)/Darlinghurst(シドニー)

日本におけるビルズ黎明期、感度の高い女子が「ここのリコッタパンケーキは絶品!」と喧伝し、食べログも4点超えの評価を与えていた頃に「ビルズのリコッタパンケーキは全然おいしくない」とヘイト・スピーチに踏み切ったその道の専門家が私です。その総仕上げとして、ついにビルズ発祥の地(本店?)であるDarlinghurstへ。
覚悟していたことと言うべきか、お互い様と言うべきか、客のほとんどが日本人でした。日本のビルズは訪日観光客が多いので、ある意味では日本人比率が最も高いビルズはシドニーの本店かもしれません。つまりそれぐらい日本語が飛び交う店内でした。
軒先には行列が生じているのですが、良くできた夫である私は事前に予約を入れており、店内奥の窓際特等席をゲットすることができました。窓から望むグリーンが心地よい。そう、ここはシドニーでも屈指の高級住宅街のテラスハウスなのです。
私は9.5ドルのスムージーを、妻は9ドルのジュースを注文。新鮮な果物を用いており美味しいのですが、いかんせん量が少ない。勝手にオージーサイズすなわちビールジョッキほどの大きさを期待していただけに拍子抜け。また、9.5ドルというのは難しいラインですね。日本円にして800円と、朝食のジュースにしては絶対値として高く感じます。
「ビルズのリコッタパンケーキは全然おいしくない」との不文律に従い、私はサラダプレート的なものを注文。ディルとグリーンピースのファラフェル(豆のコロッケ)が4つに豆とハーブのサラダ。素材の質が良く、適当でおおらかな味付けな割に食べさせる一皿です。
スクランブルエッグとトーストも注文しようとしたのですが、店員より「量が多すぎだ」との指導が入りました。それでも私の意をくんでくれた彼女は、スクランブルエッグを単品でサイドとして付けるという裏技で対応してくれました。これが異文化コミュニケーション。ガラスの靴を履けるのはシンデレラだけなのだ。何を言っているかわからないって?私にもわからない。

さて肝心の卵の味ですが、簡潔にして要を得た味わいで、つまりとても美味しい。宇宙人に「卵」を説明する際にはこれを提示するのが最善と考えられるほど、ある種完結した潔さがありました。
江戸の敵を長崎で討たんとばかりに妻はコーンフリッターを注文。この写真1枚に限っては随分とヘタクソであり、もはや営業妨害レベルですが、もちろん妻が撮ったものです。手前の余白やフリッターに飛び散ったアボカド、奥の雑然としたジュースの並びなど構成要素全てが私の美意識に反するのですが、料理そのものは結構おいしい。甘味の強いトウモロコシがババーンと主張する味わいであり、原宿あたりで食べ歩き用として売り出せば大ヒットするのではなかろうか。
なるほどシドニーで撮影中のレオナルド・ディカプリオが通い詰めただけあって、非常にレベルの高い朝食でした。しかしそれは予算を度外視してのことであり、やはり朝ごはんで3千円を超えるのは抵抗があり、美味しくて当たり前という印象。あくまで観光地としてどうぞ。


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