トラットリア グランボッカ/飯田橋

北参道の トラットリア「タンタボッカ」の姉妹店。オープンして1年で食べログ4超えと華々しいデビュー。予約の電話が中々つながらず、連日満員御礼の人気店。
飯田橋のサクラテラスというオフィスビルの2F。変わった場所への出店ですね。日曜日の夜だったのですが、外国人や家族連れ、女子会、オッサン8人組など種々雑多な客層。それでいてそれなりの品の良さが保たれているのが素晴らしい。
グレラの泡をボトルで。ワインの値付けが全般的に安かったです。
ポップオーバーが食べ放題。BLTのそれの大きさや味には及びませんが、それでもソフトボール大サイズ。メープルシロップをたっぷりかけると、それだけでちょっとしたスイーツに変身。
春菊のサラダ。生の春菊だなんてどんだけ掟破りなんだよと身構えてしまいましたが、程よい塩気と酢の風味が相俟って悪くなかったです。
モツァレラチーズのフライにアンチョビソース。まさか丸々1個を揚げてくるとはっ。
フォークで開くと粘度を保持したままトローリぷるん。この料理を好きじゃない人は珍しいのではないでしょうか。アンチョビソースは思ったよりも塩気がなく、もう少し味を付与したほうが良いと思いました。
魚醤とレモンのパスタ。これはアウト。別に不味いわけではわけではありませんが、家で誰でも作る料理。予約の取れないレストランで千数百円支払って腹を膨らませる価値は見当たりません。
スペシャリテのローストビーフ。これで200g。期待以上に大きく嬉しい。焼き目がバシっとつける調理ではなく、茹でたような食感でロウリーズのそれに近い。さすがに肉質はロウリーズのほうが上ですが値段は半額以下なので断然コチラのほうがカリテプリに優れています。
赤ワインをカラフェで注文。低価格ながら中々に美味しく、当店の底力を垣間見ました。
ローストビーフの脂身はカリカリに焼いてソースをたっぷりとくぐらせてくれます。これがまた旨い。脂の旨味と肉の香ばしさが凝縮され、ついついワインへと手が伸びてしまう。

酔いに任せて連れに対し、前髪変えたね似合っているよ、と伝えると、「こじはるを参考にしているの」との回答。こじはる好きだったっけ?と尋ねると「人の話、聞いてる?好きだなんて言ってないわ。参考にしているの。美人投票よ。今の男はああいうのが好きなんでしょ?」。まさか前髪から『雇用・利子および貨幣の一般理論』の一説にまで話題が及ぶとは。知的な女性との会話はいつだってセクシー。

しっかりと飲み食いしたのに総支払額はそれほど高くない。丁寧でフレンドリーな接客も文句なし。こりゃあ人気が出るわけだ。手放しで褒め称えるというわけではありませんが、問題点も一切見当たらないという、見事なレストランです。

今度は男友達大勢でお邪魔して、片っ端から注文してみよう。


近所のお店
神楽坂に特化したグルメ本は以外と少ない、というか紙媒体ではほぼ皆無。本書はKindleからでも読みやすく、コンパクトにまとまっているので使い勝手が良いです。安いですし。




トラットリア グランボッカ
夜総合点★★★☆☆ 3.5