店内は間口が狭く奥行きがある縦長のレイアウトとなっており、中央に仕切り付きのアイランド型の立ち食いカウンターが据えられています。来店客は細い通路を通って最奥の厨房カウンターへ進み、口頭でうどんを注文するとともにカウンター上に並ぶ天ぷらやご飯類をセルフサービスで選択してその場で先払い精算を行うシステムです。
ちなみにスタッフの客あしらいについて苦言を呈する口コミが散見されるのですが、実際は全く感じ良く、勝手の分からない外国人観光客も優しく接していました。そもそも千円やそこらの立ち食いの饂飩店にどのような接客を求めていたのか謎は深まるばかりです。
注文カウンターには天ぷらやおにぎり、炊き込みご飯などが並び、好きなものを自分で取る仕組みです。が、これらのサイドメニューは特に美味しくなく、スーパーの総菜コーナーと大差ない味わいです。油の浮いた作り置きの揚げ物で腹を膨らませるよりも、その分の胃袋をうどんのために空けておいたほうが賢明に感じました。
「肉スラ」の「ぶっかけ」。淡路産の甘い玉ねぎをスライスしたものと牛肉を組み合わせたうどんであり、いりこ出汁の淡麗な旨みに、玉ねぎの自然な甘みと牛肉のコクが重なり、シンプルながらバランスの良い味わいです。
何より麺が素晴らしいですね。機械化が進む現代の製麺環境にあって、完全手作業の工程を貫いているそうで、手切りで不揃いの武骨な歯ごたえにより麺に表情が生まれ、しっかりとしたコシとグミのような心地よい弾力を楽しみます。ここまで美味しいうどん麺は中々ありません。
こちらは「すだちひやひや」。器一面を隙間なく埋め尽くす極薄切りのすだちと、冷たいイリコ出汁が織りなす清涼感溢れる一杯です。夏季限定のメニューであり、キリッと冷やされた出汁によってイリコの雑味のない純粋な出汁感が研ぎ澄まされ、ゴクゴクと一気飲みしてしまいました。
美味しかった。ちなみに店主は「讃岐の味とスタイルをそのまま大阪に持ち込む」ことを目指しているそうで、香川県では生活の一部となっている「朝うどん」の文化を大阪のビジネス街に根付かせることを目論んでいるそう。次回はその謀略に乗っかって、朝イチでお邪魔してみたいと思います。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。






