牧志の公設市場裏手にある老舗のソーキそば専門店「田舎(いなか)」。年季の入った黄色の看板の上に鎮座する大きなゴリラのぬいぐるみが目印です。「公設市場南店」と記しましたが、以前は「北店」も存在していたようで、更に言うと本店は安謝にあるようです。
こぢんまりとした店内。カウンター席とテーブル席が主力であり、ガンガンに空調が効いていてちょっと寒い。壁一面には長年にわたって蓄積された著名人のサイン色紙が所狭しと飾られており、店舗が重ねてきた歴史と人気の高さを無言で証明しています。
調理場のおばちゃんに対して直接口頭で注文を伝え、料理が手渡される瞬間に、カウンター越しにその場で現金を支払うシステムです。5千円以上の高額紙幣は死刑なのでご注意を。
私は900円の「てびちそば」の「並」に「ソーキ」を200円で追加トッピング。合計で900円と、那覇での相場に比して3割は安い印象を受けました。
ソーキが美味しいですねえ。圧力鍋でじっくりと炊き上げられており、軟骨までプルプルで口の中でとろける柔らかさです。味付けはバッチリとした濃いめの甘辛ベースに仕上げられており、これが淡白なスープに徐々に溶け出すことで、重層的な味わいへと変化していきます。てびちも美味しいのですが、ソーキのほうが強く記憶に残りました。
麺は老舗そば製麺所「亀浜そば)」の細平打ちストレート麺。提供速度から考えて茹で置きのものでしょうが、引き締まりが強くしっかりとコシが残っています。
スープはカツオ節と豚骨をベースに構築されていますが、綺麗に澄んで実に清澄な味わい。そこへ先のソーキとてびちの脂とコクが溶け出していき、味わいに勾配が生まれます。
旨い、安い、速いを体現する沖縄そばであり、王道にして究極。「EIBUN」のような派手派手な沖縄そばも楽しいですが、たまにはこうして伝統の空気に浸るのも良いものです。沖縄そばのゲートウェイに是非どうぞ。
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