炭火焼 れん 目黒

目黒駅から権之助坂方面へ下る傾斜地に位置する「炭火焼 れん 目黒」。繁華街の喧騒から一段集約された閑静な住宅街のビル2階に入居しており、これぞ隠れ家といったポジションです。
内装が変わっていて、従来の焼き鳥店が抱く煙塵や無骨なイメージを払拭。黄色と白を基調としたカラーリングでデザインされておりカフェのような雰囲気があります(写真は食べログ公式ページより)。カウンター席が中心ですが、4人がけのテーブル席も1卓ありました。ただ、お洒落なのは良いのですが、ネイルがデコデコの方が包丁を持つ姿は飲食店として違和感しかありません。
このクラスの焼鳥店としては珍しく飲み放題プランがあります。お高めの「白穂乃果」が飲み放題にオンリストされている飲食店は珍しい。その他、手の込んだレモンサワーにクラフト酎ハイ(?)、日本酒にワインも用意されており、いわゆる「飲み放題プラン」の対象ドリンクとは一線を画すラインナップです。
前菜は鶏のハラミと長芋。ハラミは横隔膜にあたる筋肉であり、適度な脂とコリコリとした独特の弾力が特長です。これにシャキシャキとした食感と滑らかなとろみを持つ長芋を合わせることで、重たくなりすぎずサッパリとした口当たりに仕上がります。
自家製ポテトサラダ。上手く潰してゴロッとした食感を残しつつ、口どけの良さと食べ応えを両立させています。素朴ながらも個性のある味覚です。
ちょっと野菜が足り無そうだったので、単品で「そのままアンチョビサラダ」を注文。水菜などの葉物野菜を盛り、その上にアンチョビをそのままドーンと乗せるスタイルです。アンチョビ特有の強い塩気・コク・豊かな磯の香りで酒の進むサラダです。
串焼きに入ります。まずは「ふりそで」。胸肉のようなあっさりとした上品な旨味を持ちながら程よい弾力も感じられます。皮目がついており、炭火でパリッと香ばしく焼き上げることで、脂っこすぎずパサつきもないバランスが魅力的。
つくね。鶏ひき肉にコリコリとした食感のナンコツを混ぜ込み、香ばしく炭火で焼き上げました。タレではなく塩で味わうことで、肉本来のジューシーな旨味と炭の香りがダイレクトに伝わります。
すなぎも。独自のザクザク・コリコリとした力強い食感が最大の魅力であり、やはり塩でシンプルに味付けされることにより酒のツマミ感がつよつよです。
卵黄の醤油漬け。生卵の黄身だけを取り出し、醤油や出汁を土台としたタレに漬け込んだ濃厚なひと品。艶やかな黄金色が食欲をそそり、水分が抜けることでウニのようにねっとりとした濃密な食感が生まれ、凝縮された黄身のコクと醤油の芳醇な塩気が口いっぱいに広がります。そのままちびちびと味わうだけで日本酒のアテになる。
ぼんぢり。尾骨の周りにあるお肉で、鶏肉の中でも特に脂がのっている部位でしょう。表面の皮をパリッと黄金色に焼き上げ、余分な脂を落としつつ旨味をギュッと閉じ込められています。脂好きにはたまらない濃厚な一串です。
ささみ。癖のない上品であっさりとした味わいで美味しいのですが、これはどうして脂の強いぼんぢりの後に持ってきたんだろう。冒頭に持ってくることが多い部位なので、その意図がよくわかりませんでした。
チーズとサラミ。これはコースに載っていなかったけれどサービスなのかしら。確かに店内が混み始め、すげえ待たされているのは確かです。
ハラミ。炭火の香ばしさが加わることで、前菜で食べたハラミとはまた違った印象を抱きます。適度に脂がのっており、赤身肉のような濃厚な旨味と歯切れの良いシコシコとした独特の強い弾力を楽しめました。
厨房が完全にまわっていないので、串の追加は諦めて〆のお食事に向かいます。小ぶりのそぼろ丼であり、甘辛く炒り煮した鶏そぼろをご飯にのせたシンプルな仕様ですが、付属のスープをかけてお茶漬け風にすることで二段階の味わいを楽しめました。もうちょっと量を多くしてくれると嬉しいのだけど。
デザートはマンゴーアイス。ありきたりの雑なアイスと思いきや、濃厚でとろりとした口当たりが印象的で、果肉感やねっとりとした質感が強い。南国フルーツならではの華やかな香りが余韻として残り、コース全体を心地よく締めくくってくれました。
以上を食べ、飲み放題プランとしてお会計はひとりあたり1万円ほど。しっかり飲めてこの支払金額は実にお値打ち。場面で待たされましたが、酒を飲みに来ていると割り切れば気になりません。逆に下戸が単品注文だと間が持たずに辛い思いをするかもしれません。良く飲むお友達と飲み放題プランを付けてどうぞ。

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焼鳥は鶏肉を串に刺して焼いただけなのに、これほどバリエーションが豊かなのが面白いですね。世界的に見ても珍しい料理らしく、外国人をお連れすると意外に喜ばれます。
素人にとっては単に串が刺さった鶏肉程度にしか思えない料理「焼鳥」につき、その専門的技術を体系的に記しています。各名店のノウハウについても記されており、なるほどお店側はこんなことを考えているのかという気づきにもなります。