堺は開口神社の参道入口そばの「中国料理 丹甫(たんぼ)」。このあたりでは珍しく本格的な広東料理に取り組んでいるお店であり、食べログでは百名店に選出されています。店名は中国語で何か深い意味があると思いきや、単に店主の苗字だそうです。
店内はテーブル席のみで16席ほどでしょうか。清潔でサッパリとした空間です。各種の媒体で事前予約が必須のニュアンスで紹介されており、私はランチ6千円のコースを事前にお願いしていたのですが、当日の状況によっては予約ナシのゲストも受けいれているようです。
丹甫文昭シェフは「福臨門酒家」や「マンダリン オリエンタル 東京」の「センス」などで経験を積んだ後、当店を開業したようです。
アルコールは高くなくビールが中瓶750円。紹興酒や中国茶のラインナップも充実していました。前菜盛り合わせ。ダックのローストに中華風のラタトゥイユ、シークワーサーを感じるクラゲ、豚足に牛スジ、アワビにバイ貝とお酒が進む品揃え。中でもダックのローストがいいですね。香港風のスタイルであり、皮はパリッとした食感に仕上げつつ、肉はしっかりジューシーです。
スープにはハモやヤングコーン、トマトが組み込まれています。関西の夏と言えばハモであり、その繊細な白身の旨みを上手く引き出す優しい調味。トマトの爽やかな酸味が絶妙なアクセントとして加わります。
スペシャリテの酢豚。骨付きのスペアリブを時間をかけて調理しており、お箸だけで取り分けることができるほどホロホロと柔らかい。黒酢ベースのソースはまろやかでコクがあり、甘酸っぱさの中に深みと芳醇な香りが感じられます。
アコウの頭の蒸し物。関西を代表する高級白身魚であり、その頭部には濃厚なゼラチン質と旨みが凝縮されています。ソースは魚醤をベースとしているのでしょうか、発酵由来の深い塩気と旨みがトロトロのゼラチン質に良く合う。
〆のチャーハン。シラスとフルーツトマトを用いており、シラスの柔らかな塩気と旨みがどこまでも優しい。フルーツトマトの糖度も高く、熱が入って酸味もまろやか。油っぽさを一切感じさせない軽やかな仕上がりです。
デザートは杏仁豆腐とマンゴープリン。前者は滑らかな口当たりで杏仁の香りがつよつよ。後者は果実そのものを食べているかのような濃厚な甘みが特長的。異なるアプローチの濃厚さと爽やかさを一度に楽しむことができました。
食後のお茶にアイスコーヒー。なのですが、全体を通じて素材や鮮度、調理法に拘ってきたはずなのに、最後だけコーヒーフレッシュとガムシロップという工業製品を用いるのは何でだろう。
とは言え、ホテルのダイニングと同等の中国料理を6千円で楽しむことができるのは嬉しい限り。次回はウォークインのゲスト向けの担々麺ランチを試してみたいと思います。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン









