大衆喫茶 つばき/恵比寿

恵比寿駅または広尾駅から歩いて15分ほどの場所にある「大衆喫茶 つばき」。明治通りからウェスティン方面に登る坂の入り口にあり、「ミズノトリ (旧:GEM by moto)」「フミーズ・グリル (fummy's grill)」のご近所。このあたり感じの良い飲み屋が多いです。
「大衆喫茶」と名乗りつつ、夜しか空いておらずアルコールとツマミがメインなので、実質は酒場です。常連で賑わうお店ですが、マスターは一見客にも分け隔てなく気さくに接してくれます。ワンオペであの気配りは凄い。
酒は1杯600円前後が殆どで、このあたりの飲み屋としては良心的な価格設定と言えるでしょう。ビールはもちろんハイボールやサワー、日本酒に焼酎にワインと、酒場として折り目正しいラインナップです。
すぐに出る辛肉みそパリパリピーマン。パリっと冷えたピーマンにコクのある肉みそをのせて頬張りです。東洋のタコスとも言える朗らかな味わいであり酒のツマミニピッタリ。
「ホットシーザーコールスロー」はシーザーサラダとコールスローのあいのこといった味わいであり、仕上げにドーンと目玉焼きをトッピング。気味は程よく半熟で、天然のソースとして全体と混ぜ合わせながら頂きます。
「牛肉豆腐卵黄のっけ」は特大の豆腐にしっかりと煮こまれた牛肉がたっぷり。牛肉のコクのほかカツオを始めとした魚介の旨味も強く、酒を呼ぶ美味しさです。卵黄を潰して途中で味変するよろし。
冬季限定のおでん。定番のタネが並ぶのですが、出汁に鶏のエキスが溶け込んでおり、ややもするとラーメンや鶏そばのスープを楽しんでいる錯覚を覚えます。スープまで余すことなく楽しむことができる傑作で、思わず酒を追加注文するのはヴィス・マイヨルとしか言いようがありません。
〆はナポリタン。と言っても麺をしっかりとフライパンに焼き付けて焦げ目を楽しむスタイルで、焼きそばのナポリタン味という未開拓領域かもしれません。ちなみにナポリタンだけでなく、王道のソース焼きそばを始めとして、痺れを主体とした肉味噌味やカレー味など多種多様。
酒は安く、居心地良く、ツマミもボリュームがあってきちんと旨い。日常に溶け込む酒場としては完璧とも言える仕様であり、同じ恵比寿の「coyacoya(コヤコヤ)」に食後感が近いかもしれません。

何よりマスターを中心に常連客の所作がまとまっており、酒や料理を売るのではなく楽しいひと時を売ることを体現したお店と言えるでしょう。チャージも不要なので、ビール1杯からどうぞ。

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