末廣ブルース/牧志(那覇)

リニューアルした牧志公設市場の斜向かいにある「末廣ブルース」。1950年頃からの歴史を誇る「末廣製菓」の移転に伴い物件に空きが出たので、栄町の「トミヤランドリー」などを手掛ける方々が共同オーナーとなって2019年12月に開業。最近ではyoutubeの「ゴリ★オキナワ」チャンネルで紹介され、人気に火が着きました。
店内は厨房とドリンク場をぐるりと取り囲むカウンター席が中心に、奥に少しだけテーブル席があります。15時のオープンと同時に続々とゲストが訪れ17時過ぎにはもう満席。その頃には売り切れメニューも頻発するという人気っぷりです。予約もできるのですが、どうして平日の16時から予約で訪れことができるのかは牧志の七不思議と言えるでしょう。
お酒につき、600-800円のレンジが中心だったと記憶しています。このあたりの飲み屋は2-3杯飲んでツマミが付いて千円が当たり前のせんべろタウンなので、強気の価格設定と言えるでしょう。
ゴーヤと島らっきょうのナントカは、思いのほか島らっきょうが少なく実質ゴーヤだったので出鼻をくじかれます。ゴーヤそのものは緑の味が濃く美味しいのだけれど。
塩もつ煮込み。ギアラ・てっぽう・タンすじなどのモツをじっくりと煮込みました。塩味主体ですが脂のコクがしっかりと感じられ、強いボディの感じる煮込みです。
「スペシャル酢もつ」を注文すると、なるほど期待の斜め上を行く酢モツであり完全にスペシャルです。タンにハツにギアラにミミガーになんだっけな。いずれもこれが豚の内臓かと思うほど綺麗な味わいであり、酸味の効いた調味と合わせて素晴らしい酒のツマミです。世界がもし100人の村だったら全員が酢モツにされるかもしれません。
串焼きはタン・ハツ・ハラミ・バラを注文。いずれも大ぶりなカットで歯ごたえを大切にしており、噛みしめる歓びに淫します。これは旨い。やっぱりモツはこのサイズ感でなくっちゃね。東京のケチケチした量のモツ焼き屋は反省して欲しいところです。
「豚ヒレの唐揚げ」は「KFCの衣を再現しました」とのことですが、KFCの衣ってどんなだっけ?と困惑するほど独立した第三者として豚ヒレの唐揚げを形成しています。粉チーズがたっぷり振りかけられておりジャンクな味わい。これはオリオンビールが欲しくなる。
島豆腐を作った揚げ出し豆腐。大豆の密度がミチっと濃い豆腐であり食べ応え抜群。お出汁も丼いっぱいひたひたです。海ぶどうを始めとする海藻類もたっぷりであり、〆の食事はまた次回、となるほどの食べ応えでした。
以上を2人で食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり4千円ほど。このあたりの飲み屋としては幾分お高めですが料理の質は圧倒的に高いので大変満足しました。沖縄は豚肉文化圏の割にモツ焼き屋は少なく内臓たちはどこで活躍しているのだと気にかけていましたが、なるほど牧志にありました。早い時間に欠品が続出するので早い時間にどうぞ。

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