bistro11(ビストロ ジュウイチ)/学芸大学

学芸大学駅から歩いて3分ほどの路地にある「bistro11(ビストロ ジュウイチ)」。高身長ご夫妻の並んだ姿が11のシルエットに似ているということで、11月11日に11席で開業したそうです。お茶目な店名である。
店内は厨房に面したカウンター席にテーブル席がひとつ。近所にあったらフラっと立ち寄りたい色気を感じさせる佇まいです。松浦真吾シェフは蓼科高原「オーベルジュ・エスポワール」や目黒「アンジュール」などで経験を積んだようです。
ワインは面白いラインナップでボトルで8千円前後のものが多いように感じました。割高というわけではありませんが、もう少しお値段控えめなものも用意してくれると嬉しいのだけれど。ちなみにマスターズドリームは800円ほどであり、これは逆にお値打ちに感じます。
ミカンとナッツとブルーチーズのサラダ。深緑のお野菜にオレンジ色がバリっと映え洒落てます。野菜の味が濃く、ブルーチーズの香りと塩気に良く合う。サラダながらワインが進む逸品です。
自家製のパテドカンパーニュ。じっとりとしたコクを感じさせる脂が上手く溶け込み実に滑らかな味わい。ピクルスの酸味も心地よい。
「お惣菜の盛り合わせ」は定番のフレンチ総菜が勢ぞろいといったところ。自家製のハムが厚切りでムシャムシャと大変美味しい。先ほどのパテドカンパーニュもそうですが、リエットやパテなどコレ系の料理がとっても万歳。
パンはバゲットにフォカッチャ。フォカッチャには青のりを練り込んでおり塩気も強く、これ単体で美味しい。先の総菜と合わせて食べれば立派な食事です。
マグロのカツは厚めの衣がザックリとしていて心地よい食感。キレイながらも力強いマグロの味わいに酔いしれます。
アナゴとフォアグラのパイ包み焼き。これはもう、べらぼうに旨いですね。パイのリッチな風味にフワフワのアナゴの食感、フォアグラの脂質が上手く溶け合います。和食界隈ではアナゴは焼いたり煮たりする程度ですが、私がフランス料理を愛する理由はこういう点にあるのかもしれません。
以上を食べ、ひとり1本ペースで飲んで1.4万円。これは結構飲み食いした結果であり、普通の飲食量であれば1万円程度に着地しそう。やはり外食はこれぐらいの価格帯が一番満足度が高いとしみじみ感じます。「アズリーノ(Azzurrino)」もそうですが、学大界隈はご近所住みに愛される素敵なお店が本当に多いなあ。

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