Southwest Grand Hotel(サウスウエスト グランド ホテル)/久茂地(那覇)

「日本のおもてなしを世界中の人々へ」をコンセプトとして気炎を吐く「PDS HOTELS」の7館目が那覇に爆誕。国際通りは松尾の交差点すぐと、よくこんな場所に土地があったなあと唸るほどの好立地。那覇空港からタクシーで15分ほどで、県庁前駅から歩いて5分ほど。
レセプションはオールデイダイニングのバーエリアと一体化しており、ネオンがギンギラギンで何か変な感じ。接客姿勢はもっと変で、チェックイン手続きの担当者がまごついておりかなりの時間を待たされたのですが、その間まわりのスタッフは暇そうにしているだけで何のフォローも無く「あたしは担当じゃありませんから」とでも言いたげにシカトを決め込んでいます。

君たちさあ、仕事ってそうじゃないだろ?チームで臨めよチームで。仲間が困っていたら皆で力を合わせて解決する、そんな当たり前のこともできないのか。例えば目の前のバーに案内して飲み物を出すとか館内ツアーに連れて行くとかいくらでもヘルプのしようはあるだろうに。外苑前「L'EAU(ロー)」のチームワークの無さを思い出しました。
お部屋は45平米の「グランドツイン」にご案内頂きました。全面フローリングが敷かれており、木の温かみが感じられます。ヘンに間仕切りなどが設けられておらず、気持ちが良いほど長方形な部屋なので、スペック以上の広さを感じました。
なのですが、生活音は相当響きますねえ。隣だか上だかがドスドス歩いて扉はバァンと閉めるタイプの方で、その騒音に早朝6時前に叩き起こされました。クシャミまで爆発的に大きい。カーペットでなく板張りなのが余計に音を響かせるのかもしれませんが、神経質な私にとって長期滞在は難しいなというお気持ちです。
都会のホテルとしては珍しく窓を開けることができ、国際通りを含めたアーバンライフを望むことができます。テレビが畳ほどのビッグサイズで、ここ数年で泊まったホテルの中で一番大きいかもしれません。youtubeなどの各種アプリが使用可能でスマホからキャストもできるハイテク仕様です。
ウェットエリアは客室とシームレスに繋がっており、必要に応じてスライドドアで間仕切りするという仕組みです。ベイシンは2つで広々としているのですが、誰かがシャワーを使えば洗面所もトイレも使えなくなる間取りは少しチグハグに感じました。
バスルームは広々としており、バスタブも大きく洗い場も設けられています。アメニティーはショボショボでシャンプーなどはディスペンサー方式なのですが、最近はどこのホテルもこんなもんです。SDGsとかESGとか言い出した連中の責任です。
壁側一面がクローゼットとなっており、部屋の広さに比べるとかなりの収納量を誇ります。フワフワのパジャマにスリッパ、プール用のサンダルやビーチガウンなども用意されているのが嬉しい。
コーヒーやお茶類はもちろん、ミニバーの飲み物は全て無料(というか込み料金)。ビールやサワー、ジュースはもちろんスパークリングワインに泡盛まで用意されており、ルームメイクごとに全種類しっかり補充してくれます。ただ、そんなに部屋でバカスカ飲むことは無いので、どちらかというとネスプレッソがあったほうが私は嬉しい。
他方、作業用のデスクが作り付けられているのはナイスですね。最近のオシャレなホテルは見た目に走り過ぎて実用性に乏しい家具を置きがちですが、当館のデスクはPC作業もバッチリです。
また、テレビからランドリーの進捗状況を確認できるのは素晴らしい。例えば「ハイアット リージェンシー 那覇 沖縄(Hyatt Regency Naha Okinawa)」などは、各階にランドリーが1台配備されいるだけなので、1フロアづつ空いている洗濯機を探し回らなければならない地獄があるので(乾燥まで完了しているのに中々取りに来ていないとか発狂しそうになる)、この機能は本当に素晴らしい。本当に本当に素晴らしい。
共用設備に参ります。こちらは宿泊者用のラウンジで、ちょっとしたお菓子やブルーシール、コーヒー・紅茶に加え、ビールやスパークリングワインまで用意されています。時間を区切ってカクテルタイムを開催すると無駄に混雑しストレスばかり溜まるのでこの仕組みは良いですね。

ただし、ホテルのスタッフは常駐しておらず場面で子連れ客のプレイグラウンドと化してしまうので、居心地の良さはタイミング次第といったところでしょう。大体こんな空間に連れて来られても、子供たちは全く楽しくないだろうに。
フィットネスセンターはとりあえず空間だけは確保しましたといった程度ですが、100室にも満たない小さなホテルなので仕方ありません。トレッドミルの材質が木材というのは実に興味深い。 
那覇中心地のホテルとしては珍しく、屋内温水プールもあります(写真は公式ウェブサイトより)。それほど大きいというわけではありませんが、そのへんのヒルトンのプールよりも立派であり、この客室数でよく用意したなあと感心します。
また、屋上テラスには温水のジャクージにサウナ・水風呂まで用意されています。くどいようですが、全88室の都会のホテルとしては奇跡とも言える設備状況です。
ところで、チェックイン時にウェルカムドリンクとしてドリンクチケットが人数分支給されるのですが、部屋の冷蔵庫に飲み物は山ほどあるしラウンジでも自由に楽しむことができるので、それほど魅力は感じません。そもそもチェックイン手続きでもたついている間になぜコチラを案内できなかったのか謎は深まるばかりです。
今回は素泊まりでの滞在だったのですが、ある日のランチはオールデイダイニングの「A LONG VACATION.(ア ロング バケーション)」にお邪魔しました。仕事の合間に雑に立ち寄ったのですが望外に料理のレベルが高く、料飲部長と握手したいぐらいです。他にもいくつかレストランがあるので、全て試してみたくなりました。
とは言え総評として、コンセプトやハード面は素晴らしいですがソフト面が追い付いておらず、とりわけ接客はまだまだだなあという印象です。もちろん私はホテルやレストランのスタッフとは距離を置くタイプであり、長く滞在するのであればサービス面などは特に気にならなくなるかもという期待もあり、生活音さえ響かなければ長期滞在したいくらいです。生活音さえ響かなければ。

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