ヒルトン広島（Hilton Hiroshima）／富士見町（広島）

2022年秋に「ヒルトン広島（Hilton Hiroshima）」が開業。中国・四国地方では初のヒルトンブランドです。全420室、1,000名収容可能な宴会場も完備と超ド級のサイズ感。

場所は広島の中心地と言えば中心地なのですが、公共交通機関で訪れるにはやや不便で、広島駅や広島バスセンターからタクシーで訪れるのが無難でしょう。
開業したばかりというのもあるかもしれませんが、それにしてもオペレーションがグダグダですね。上級会員も平会員も等しく1階ロビーのレセプションでチェックインする必要があり、優先レーンなども特に用意されていません。420室でこの受付の少なさはバランスが悪すぎる。荷物もセルフで持っていく必要があります。
「プレミアムルーム」へとご案内頂けました。広さは35平米と充分。ちなみに我々は広島市内を望むシティービュー側へのアサインでしたが、逆サイドであれば瀬戸内海を望むオーシャンビューが楽しめます。
ベッドの寝心地は素晴らしいですね。フカっとしつつもその奥にドッシリとした安定感を感じる。設備のセットは「ヒルトン名古屋」によく似ていますが、それぞれの機能は最新式にアップデートされており、換骨奪胎できています。
ミネラルウォーターやコーヒー、お茶は用意されていますが、冷蔵庫は空っぽと割り切っています。エグゼクティブフロアでの滞在であれば冷蔵庫にソフトドリンクがいくらか用意されるようです。
ウェットエリアは広々としており機能的。バスルームも完全に独立しており、ドーンとでっかいバスタブが印象的です。アメニティは他のヒルトンと共通の（興味のそそらない）ものでした。
トイレも当然に独立しており、ウォシュレット完備です。
共用設備に参りましょう。屋内プールが用意されているのは嬉しいのですが、20メートルと微妙に距離が短く、また、ロープでコースが区分されていないので、いつか事故や喧嘩が起こるはずです。賭けてもいい。
フィットネスセンターもあるにはあるのですが、420室という巨体を賄うには心許ない。外国人ゲストが増えてきたら満員必至の器具数です。
私はヒルトンのダイヤモンド会員様なので最高層階22階のエグゼクティブラウンジにも出入りできるのですが、やはり420という客室数に全く見合わない広さなので、ピークタイムのシェーキーズのような有様でした（写真は空いている時間帯に撮りました）。
飲み物のラインナップも乏しく、またゲスト数が多すぎてすぐに空っぽになってしまいます。補充も全く追いついておらず、かなりイライラさせられるラウンジです。
料理のラインナップはほんのツマミ程度なので、食事の代用とすることはできません。あくまでカクテルタイムのカナッペであると肝に銘じておきましょう。
朝食は輪をかけて酷い。エグゼクティブラウンジでの提供はなく、全ゲストが6階のオールデイダイニング「モザイク」に集められ、入店までに数十分行列する必要があります。もちろん上級会員向けのテーブルや優先レーンなどは設けられておらず、大枚をはたいている側がバカを見るシステムです。
お料理も殆どが欠品しており、ひとたび補充が行われれば欠食児童さながらの争奪戦に陥ります。加えて食器類の用意すら間に合っておらず、お皿すら手に入れられないゲストたちがゾンビさながらにフラフラと徘徊していました。
私も完全に心が閉じてしまい、この葉っぱ類を食べるに留めさっさと退散しました。まさに地獄絵図。料飲部門長よ、お前は晩メシ抜きの刑じゃ。
ホテルとしての体を成していなかったので、運用担当責任者に対して真心を込めた苦情をお伝えしたのですが、部屋に戻るとスパークリングワイン・フルーツ・スイーツの謎セットが届けられました。努力の方向が完全に間違っており「クレーマーには酒と甘いもん与えときゃいいんだろ」という考えも浅すぎます。ちなみに添えられた謝罪文も完全にテンプレで、私の指摘に対する回答はゼロでした。
ところで一休やグーグルマップの口コミにも酷評が並んでいるのですが（かなり読みごたえがあります）、それに対する回答も全てコピペのテンプレ文ばかりであり、経営サイドがそういった姿勢であると理解したほうが良さそうです。
壊滅的なホテルでした。ここ数年で泊まった外資系ホテルの中ではダントツの最下位です。コンラッド・ニコルソン・ヒルトンも天国で悲しんでいることでしょう。とは言えハコや設備が最新鋭であるのは間違いはなく、OTAのセールで訪れたり、全国旅行支援の制度を活用して一番安い部屋に泊まるのであれば悪くないかもしれません。

また、同じヒルトン系で私の最も好きな宿泊先のひとつ「ROKU KYOTO LXR Hotels&Resorts（ロク エルエックスアール）」も開業当初は酷いものだったと聞いています。当館も1年も経てば素敵なホテルへと変貌を遂げることを期待して、ヒルトン仲間は気長に待ってあげましょう。
 
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