クッチーナ イタリアーナ ガッルーラ (Cucina Italiana Gallura)/八事(名古屋)

東海地方でトップクラスに有名なイタリアン「クッチーナ イタリアーナ ガッルーラ (Cucina Italiana Gallura)」。15年ぐらい前から行こう行こうと思いつつも予約が中々取れず、ようやくです。八事という名古屋の中心地から外れた住宅地に位置し、マンションの1~2階の雑なテナント群の一角にあり、やや拍子抜けしました。
店内は20席ほどであり、カジュアルなカンター席もあればバリっとクロスの張られたテーブル席もあります(写真は公式ウェブサイトより)。とは言えスタッフの皆さんはエプロン姿で店内を駆け巡っており、大阪「ポンテ ベッキオ(PONTE VECCHIO)」のようなバリバリの堅苦しさはありません。

森岡賢一シェフはフレンチの世界から料理人としてのキャリアをスタートさせ(「シェ・コーベ」でスガラボの須賀洋介シェフと同僚)、久屋大通「ドディチ・マッジョ」でイタリアンに転向。数年をイタリアで過ごし、帰国後に当店を開業。2016年には名駅に姉妹店「トラットリア フラテッリ ガッルーラ」もオープンさせました。
お食事に合わせたワインペアリングは6千円~と、このクラスのレストランとしてはお値段控えめ。また、グラスワインも千円ほどから用意されており、思ったよりも酒代はかかりませんでした。半分注ぎで半額みたいなこともやってくれ、自由度高めです。
カルパッチョから始まります。コリコリとしたカワハギにその肝のソースがコッテリ旨い。カラスミの塩気ならびに旨味も酒を呼び、スタートダッシュに最適なひと皿です。
カッペリーニにはボタンエビにキャビアと豪華絢爛。これはもう、どうやったって美味しい組み合わせであり、ずる過ぎるお皿です。
パンが美味しいですねえ。玉ねぎのが特に。フォカッチャにタマネギを載せて焼いているのでしょうか、タルトフランベのような味覚であり、パンという脇役を超えて立派なひと品とも言うべき完成度です。
松茸とアワビのインパデッラ。いわゆるフライパン焼きであり、ご覧の通り当然に美味しいのですが、これといったクリエイションは無く、イタリア料理店で食べる必然性は感じませんでした。ちなみに今回は一番高いコースを注文したのですが、当店の骨格を知るには安いほうのコースで充分なのかもしれません。
スペシャリテのフォアグラマンゴー。姉妹店で食べた際は全然旨くねえじゃん、と毒づいたものですが、今回は大変美味しい。使用しているマンゴーのクオリティが段違いです。ちなみにシェフはしばらくの間、沖縄「ブセナテラス」で働いていたこともあり、その際にマンゴースペシャリストになったのかしら。
タリオリーニはトマトソースをベースにたっぷりの毛ガニ、オマール(だっけ?)の泡ソース。やはりどうやったって美味しい組み合わせであり、パワー系のひと皿です。
リゾットには十勝マッシュ。十勝地方が誇るブランドマッシュルームであり、味が濃く風味豊か。香りづけに散らされたトリュフの存在が霞んでしまうほどのパワフルな味わい。素人でもオンラインショップで買えそうなので、今度注文してみようかしら。
メインは阿武隈高原の先崎牛。美味しいのですが、カワハギの肝、ボタンエビとキャビア、松茸にアワビ、フォアグラにマンゴー、毛ガニ、トリュフとメガトン級の食材が続いたので、シンプルな牛焼きだと印象が薄れてしまいました。緩急って大事なんだな。
デザートは栗のパンナコッタ。この栗はべらぼうに美味しいですねえ。そのへんの天津甘栗5~6個分はあろうかと思う程のサイズ感であり、ザクッ、モリッと興奮する噛み応え。人生で一番美味しい栗だったかもしれません。
小菓子とハーブティーで〆。ごちそうさまでした。

お食事だけだと18,150円と結構高い。しかしこれは滅多に来ることができないから奮発した結果であり、既に述べた通り高級食材に執心する必然性は無いので、安いほうのコースで充分だったかもしれません。ランチだと5千円ぐらいのコースがあるようなので、このあたりが納得感が高そう。次回はランチにお邪魔したいと思います。

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