ジランドール（パーク・ハイアット東京）／都庁前


Girandole。パークハイアット東京41階に位置するオールデイダイニング。パークハイアットと言えばニューヨークグリルがあまりに有名ですが、気軽に味わうことができるフレンチスタイルのレストランもあります。
大きな窓から外に視線をやると新宿の高層ビル群。インテリアに目を向けるとモダンな芸術品で溢れており、全体的なセンスの良さを感じさせてくれます。
店と通路に間仕切りの無い変わった作りつけであり、はっきりとした入り口は無く、スタッフと思しき女性（不思議なことに全員が美人）に予約名を告げると、席まで案内して頂けるという仕組みです（写真は公式webサイトより）。

ランチのコースを注文。食事のみで3,500円で、これに15%（！！）のサービス料と8%の消費税が加算されます。

ランチコースは前菜2種からひとつ、メイン2種からひとつを選ぶ形式。私は前菜に「パテ ド カンパーニュとマスタードのミモザ レンズ豆と人参 無花果のサラダ」、メインに「ニュージーランド産牛サーロインのグリル 赤ワインソース　マッシュドポテト」を注文しました。
なぜ2つとも肉かですって？それはグラスの赤1杯で通すからです。ほとんどのグラスワインが1杯2,000円を超えてくるのですが、注がれる量がおそらく150ml近くあり、ホテルで飲むことを考えると悪くない価格設定だと思いました。
パンはホテルのそれとしては標準的かそれ以下。硬く噛み砕くのに一苦労する割に小麦の奥ゆかしい味わいを感じるこはありません。
添えられたバターも平々凡々とした味わいです。
前菜の「パテ ド カンパーニュとマスタードのミモザ レンズ豆と人参 無花果のサラダ」。タバコの箱をやや薄くしたほどのポーションでありますが、密度のある豚肉がギュムっと凝縮されており食べ応えがありました。

パテ自体は標本のような味わいであり可もなく不可もなく。個人的にはマスタードのミモザがスマッシュ・ヒット。適度な酸味とマスタードの執念を感じる独特の味わいが、パテと一緒ならずともそれ単品で最高の味覚でした。
メインの「ニュージーランド産牛サーロインのグリル 赤ワインソース　マッシュドポテト」。ランチコースのステーキなので100g程度だろうと舐めてかかっていましたが、200gは超えようかという本格派。「量を食べねば旨くない」と肉の方から語りかけてくるような外観。バーリトゥードのような焼き目は丁寧に組織だって調理された証拠であり好感が持てます。
焼き加減は特には聞かれなかったのですが、おそらくこの肉のあるべき加減で提供する哲学なのでしょう。焼き目の香ばしさと適度な野性味、甘い脂由来のジュ。3,500円のコースでこれだけの肉が出せるのは立派です。ガルニチュールはまあ普通。マッシュポテトが思いのほかたっぷりと肉に寄り添っており、望外に満腹となりました。
デセールにはレモンのパルフェ。ニューヨークグリルのデザートバイキング出しているような、小ぶりの瓶がひとつ届くだけと予想していたのですが、嬉しい誤算。きちんとした皿に大盛りに彩られての登場です。パルフェの滑らかな舌触りと爽やかな酸味が小躍りしたくなるほどであり、数打ちゃ当たる形式のジャニス・ウォンよりレベルが上に感じました。
模範的なコーヒーを飲んでごちそうさまでした。

いいじゃないですか。ホテルのレストランは一般的に費用対効果が悪く、味は普通で割高なことが多いのですが、当店は味は中の上で値段は普通に感じました。このお得感は家賃の安い場末のビストロでも中々表現できないかもしれません。なるほど同じホテルであるためか、先日のニューヨークグリルでのランチの方向性の思い出しました。オススメです。



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ホテルでの食事は割高ではあるのですが、サービスも味も大きく外すことは無いので安定枠として確保しています。その中でも私のお気に入りは下記の通り。

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