シンガポール シーフードリパブリック (Singapore Seafood Republic)/品川


品川は利用者数に比して圧倒的に美食に乏しい街。そのグルメ不毛の地に精力的に切り込んだ東京カレンダーの姿勢は賞賛に値します。
記事で紹介されていたお店には殆どお邪魔したことがあったのですが、当店は気になる存在ではあったものの、お邪魔したことはありませんでした。品川駅出てすぐのコロニアル調の一軒家、シンガポール シーフードリパブリック 。
当店のウリは何と言ってもチリクラブ。東京カレンダー曰く、「食材も本国から。脱走した一匹が品川駅前で捕獲され交番から連絡が来るという笑い話もあるほど、ここのマッドクラブは活きがいい」。

また公式ウェブサイトには「東南アジアから独自ルートで直接仕入れ、活きたまま空輸されたもの。活きたマッドクラブは日本国内でほとんど流通しておらず、本国のシンガポールでも希少な食材です」
ランチ限定の「チリクラブ&炒飯セット」を注文。2,850円と随分強気な価格設定です。ちなみにチリクラブとはシンガポールを代表するローカルフードであり、スパイスたっぷりのチリソースにトマトを溶き卵を混ぜ込んだ、エビチリが殻ごとのカニになったような料理です。
付帯する春雨サラダ。これは全く料理人の思い入れが見当たらない一皿ですね。あってもなくても世の中に影響を与えることは無いでしょう。
スープは結構美味しい。不自然に旨味が強すぎるきらいはありますが、パンチがあり、さあ、いまからランチの幕開けだと宣言するに相応しい一品です。
チリクラブの辛さと味の濃さで舌がバカになる前にまずはプレーンなチャーハンを。このチャーハンが中々に旨く量もたっぷりであり、チリソースで味変するまでもなく皿の半分以上をスタッフが美味しく頂きました。
本丸のチリクラブ。しかしながら本場のPalm Beach Seafood RestaurantRolandで食したそれとは印象がややどぎつい。なんというか、シャクシャクと歯ごたえを感じるほどニンニクが強すぎで全体的にステータス異常なんですよね。異国の地で食べる分にはウルルン滞在記的な楽しさがあるのですが、東京でシラフで食べるには厳しいものがありました。
2,850円の価値は全く無かったです。同じシンガポール料理で語るのであれば、小川町の松記鶏飯のほうが段違いに素晴らしい。この満足度の低さで「シンガポール政府に選ばれた」と喧伝するのはいかがなものか。そういえば田町のシンガポール政府公認店、威南記海南鶏飯も全然美味しくなかった。シンガポール政府は何でもすぐに公認する。シンガポール政府を少し信用できなくなった秋の昼下がりでした。


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品川は心からグルメ不毛の地ですね。気取った店はことごとく割高です。エスニック料理屋は割に納得感がある。
「ハイパーローカルなシティカルチャーガイド」を標榜するオシャレな本。今号のターゲットは品川です。とにかく地元に密着した情報が満載で、グルメコーナーは一見の価値あり。別冊の天王洲アイル特集など、色々と目のつけどころが面白い本です。