魚可津/麻布十番

魚可津(うおかつ)。商店街のすごくいいとこにある海鮮居酒屋。昭和初期に創業された鮮魚店で、今は料理屋のみの営業です。それでも築地からの仕入れは我田引水しているでしょうから、品質は折り紙つきと信じたい。
魚可津御膳1,600円。5種類ほどの焼魚や煮魚から1つ選んだ上、お刺身もつきます。十番は肉についてはナニワヤが頑張ってくれているので問題ないのですが、新鮮な魚が中々手に入らず、いきおい外食中心になってしまう。
これはブリかな?誠実な調理で正統的な味わい。オマケの小鉢としては極めてレベルが高いと言えるでしょう。
ホタルイカもいいですな。思わず日本酒に頼りたくなる味わいです。
主演の鯛の塩焼き君。小ぶりなサイズではあるものの、丸々一匹が供されるとは思ってもいなかったので嬉しい。キレイな姿かたち。身がギッチリと引き締まって愛くるしい。思わずねじポケして家に連れて帰りたくなりました。
お刺身は単品換算すると500円。悪くない価格設定です。鮮度はスーパーで売られているパックの刺身のそれと大差ありませんが、外でこれだけのモノを500円で食べられることを考えれば及第点。
合宿所のように雑に盛られた白ごはん。しかし魚のうまさに引き寄せられ、あっという間に丼の底に月面着陸してしまう。ふりかけとか超懐かしい何年ぶりだこんなの。

ゴハンはおかわりOKなのですが、セルフサービスで炊飯器までよそいに行くという、これまた合宿所形式。店員同士ダベってヒマそうにしているから持ってきてくれてもいいものだと思うのですが、まあ店の方針はその店の自由である。
おしんこで塩分と白米の量を調整し、ごちそうさまでした。

覚悟していたよりも全然良かったです。そう、どうしてそんなにビビっていたかというと、基本的に店員がカンジ悪いんですよね。

以前、夜に飛び込みで入ろうとしたところ、「は?予約してないの?ムリですよ」とそっけない対応をされたことを根に持っており、そのエピソードを仲間に話したところ「あー、わかる!すごく意地悪そうな雰囲気だよね!一度入ってムカついて出ちゃったもん」。そういう空気感なお店なんです。

とは言え旨い魚をリーズナブルにかっ食らう合宿所と割り切れば、いちいち気色ばむこともありません。本質的な価値でいうと、ご近所の「たき下」よりも全然好き。

それにしても、どうしてあんなにカンジの悪い店員を大勢抱えているのでしょうか。スタバ級のホスピタリティを持った店員が居れば価値は2倍以上に伸び上がるのにな。


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魚可津
昼総合点★★★☆☆ 3.5