くじらのお宿 一乃谷/神田

日本がIWC(国際捕鯨委員会)から脱退し、2019年7月から商業捕鯨が再開されました。普通の日本人の感覚からすると「なんでマグロとか牛とか鶏はオッケーで、クジラだけあかんねん」だと思いますが、反捕鯨派には「マジでクジラが可哀想」との感情が根底に流れているそうです。人から聞いた話なので確証はありませんが、我々が犬の肉を食べる文化に違和感を持つのと似たような感覚なのかもしれません。
難しい話はさておき、東京のクジラ料理の最右翼「くじらのお宿 一乃谷」へ。元々は捕鯨基地で有名な宮城県で営業をしたいたそうですが、2010年に神田の地に移転オープンしたそうです。
「ウチはもともと卸売りだから。料理屋がウチから鯨肉を買っていってるから。日本捕鯨協会から直に仕入れてるから、築地・豊洲の半額だよ」と胸を張る店主。生の鯨肉や火を通していない状態のハンバーグなどもテイクアウト販売しているそうです。
私は「くじらステーキ定食」を注文。980円と確かに安い。ちょっとした居酒屋でクジラを食べるとすぐに数千円しちゃうからなあ。
主役の鯨肉は表面だけササっと炙られており、中身はレアレア。第一印象としてはフランス料理の「馬肉のタルタル」に近く、鉄分を感じる迫力のある味わいです。
ご覧の通りの生肉状態。クジラの定説として「臭味がある」が挙げられますが、この料理に限ってはそれほど感じられませんでした。焼肉屋のユッケタルタルなどを食べることができる人は美味しく頂けることでしょう。
これはローストビーフ的なポジションかなあ。先のステーキに比べると凝縮感があり、旨味が強かった。
小鉢のコンニャク。完全に冷え切っており不味くはないが旨くもない。あってもなくても良い1品です。
ライスは定食屋の一般的なもの。隣のニイチャンは自動的におかわりしてたので、大盛りやおかわりは無料なのかもしれません。
味噌汁は全然ダメですね。小さなお椀にチョロリと注がれるだけであり、温度管理がなっていなく風呂よりもぬるい。先のコンニャクにせよ、あとちょっとの工夫で改善が見込めるのに勿体ない。
あれこれ書きましたが、割高になりがちなクジラ料理を千円札でお釣りが来る価格帯で楽しめるのは見事な費用対効果です。クジラを食べたことが無い方は、まずは当店でどんなもんか試してみると良いでしょう。今度は竜田揚げにしてみようっと。


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神田は良い街です。東京駅すぐ近くと至便であるのにも関わらず、5,000円も出せばしっかりと飲み食いができるお店が多い。気長に開拓していきたいと思います。

月刊『散歩の達人』のハンディ版。チャラついていない大人向けの硬派なガイドです。地図が解かり易く名所旧跡の紹介もしっかり。神田周辺をお散歩する際には是非。

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