幸か不幸かカウンター席が埋まっており、4~6人で座るようなボックスシートに案内して頂きました。回転寿司なのでレーンに流れているものを取るのが基本ですが、卓上のタブレットで個別注文も可能。「レーンだけ」のような限定品もあるのが斬新。
アジは回転寿司クオリティ。値段相応です。
イワシの炙りはかなりの美味しさ。これで100円かそこらなのは優秀優秀。ところで、当店の従業員は国際色に富んでいるのが印象的。みな国籍分け隔てなく和気藹々と楽しそうに働いており、とても雰囲気の良い職場です。経営者が素敵な方なんだろうなあ。
ブリの炙り。ステーキのように分厚く脂の乗ったブリをバリっと焼いています。当店は妙に炙りモノメニューが多く、そのどれもが美味しい。
生のサーモン。これは美味しいですねえ。きちんとしたフランス料理店の前菜で出しても遜色のないクオリティ。「活美登利の食材原価率は50%を超えます」と胸を張るだけのことがある。
他方、揚げ物は全然美味しくありません。回転寿司というルールのもと、やはり揚げたてに合わせるのは至難の業。せっかくのアンコウが台無しでした。
スペシャリテの「ちゃんこ汁」。豚肉・大根・ニンジン・コンニャク・里芋・豆腐と、とにかく具沢山。まさに食べるという動詞がピッタリの1杯です。
「本日の勝負ネタ」と称される大トロのたたき。なるほど量も質もたっぷりであり、正直、何万円もする鮨屋のネギトロのトロの部分との違いがわからなくなってきます。つまり、旨いのである。
マグロの質に気を良くしてトロの3点盛り。うむ、やはり旨い。回転寿司で1皿で500円を超えると考えれば高く感じますが、その内容だけを議論すれば費用対効果抜群の1皿でした。
その他にも何皿か食べ、ひとりあたり3千円弱。大変リーズナブルでございます。江戸前の仕事やシャリの巧拙などを論点にすればツッコミどころは山ほどあるかもしれませんが、回転寿司ということを考えれば何も文句はありません。突発的にそこそこ旨い鮨を予約ナシで食べたくなった場合にどうぞ。

関連記事
鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
- すし匠/ワイキキ ←このお店の真価が問われるのは数十年後のはず。
- すし宮川/円山公園(札幌) ←人生でトップクラスに旨い鮨でした。
- 鮨さいとう/六本木一丁目 ←価格設定に色々と考えさせられる。
- 東麻布天本/赤羽橋 ←欅坂46のような鮨。
- 紀尾井町 三谷/永田町 ←単純計算で年間3億円近い売上。恐ろしい鮨屋。
- 鮨舳/瓦町(高松) ←真っ当な江戸前。銀座の半額で何度でも通いたい。
- 天寿し/小倉 ←何度でも行きたいし、誰にでもオススメできるお店。
- 鮨 安吉/博多 ←お会計は銀座の半額。ミシュラン2ツ星は荷が重いけれども、この費用対効果は魅力的。
- ひでたか/すすきの ←鮨は好きだけどオタクではないライト層にとっては最高峰に位置づけられるお店。
- 鮨 志の助/新西金沢 ←とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。
- 小松弥助/金沢(石川) ←「まごころでにぎる」を体現する鮨屋。
- 太平寿し/野々市(石川) ←金沢の人が東京で鮨を食べると頭から湯気を出して怒るに違いない。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。