Restaurant L'Ange 20/Paris

パリ中心地から少し離れた場所、秀逸なレストランが揃うことで有名な地域に当店はあります。日本人にとってはパリ同時多発テロの舞台というと解りやすいでしょうか。
Restaurant L'Ange 20。30席にも満たない小さなレストランですが、予約客で常に満員。テーブルによっては2回転しており、人気の程が伺えます。フリーの客もひっきりなしに訪れ、「予約はあるか?」との質問に肩を落としながら帰っていく。
客層はフランス人と外国人が半々。なんとなくアメリカ人が多いような気がしました。ゆうべに引き続きアジア人は我々のみです。ドレスコードは特に無く、ジャージにビーサンのおっちゃんとかもいたので、気軽に楽しむお店です。
ホールはふたりで回しており、片方の若者は数カ国語を操りながら宙を舞うがごとくテーブルからテーブルへと渡り歩く八面六臂の大活躍。もう片方のおっちゃんは若干ネジが緩んでおり、英語もあまりできないためか、我々のテーブルに近寄ろうとしません。
山羊のチーズの表面をカリカリに焼いたサラダ。ちょっぴりとしたハチミツが隠し味。ドレッシングはバルサミコ酢主体でさっぱり。酸味を感じさせるシェーブルにぴったりです。日本だとシェーブルは高すぎて割に合わないので、こういう料理は絶対に食べることができない。
カニとエビのすり身(?)をさつま揚げのように調理したもの。これがまさに正鵠を射た味わいで、甲殻類の旨味と高温で揚げられた香ばしさがクセになる。粗挽きのアボカドの緑の豊かさと相俟って、本日一番のお皿です。
別添のサラダは意図不明。これまでたっぷり野菜も摂ったし、さつま揚げもサラダ仕立てなのにまだ野菜を食わせるか。
メインはタラ。付け合せのマッシュルームリゾットが 妙味であり、キノコの野性味に溢れています。この皿の世界にはキノコしかいない。ロブスターソースも甲殻類の旨味がたっぷりであり、タラ自体はシンプルな調理であるものの、付け合せとソースの主張が激しいので、ある意味バランスの取れた料理でした。
チーズの盛り合わせをお願いすると、おっちゃんのほうが危なっかしい手つきで皿を置く。右上から時計回りにシェーブル、カンタル、ブリ、コンテとのこと。シェーブルってサントモールだよね?と聞いても「シェーブルだ」の一点張りだし、カンタルは食べたことが無いけれどこれはコンテじゃねーか?ブリ?こんな白カビチーズないだろ?コンテ?こんなに分厚い外皮のコンテがあるか?と120%不信感。

忙しそうな若者店員には仕事の邪魔をして申し訳ありませんが、改めてチーズの説明を求めると、「サントモール、コンテ、リヴァロ、トム」との説明。うん、これなら納得。やっぱそうだよな。

ワインやチーズのテイスティング特訓を店で実施するのは危なっかしいなと感じた夜でした。あまり知識の無い人に思い入れもなく適当に説明されたりすると、品種の特徴を完全に誤解して学んでしまう。残りのフランス滞在においては、チーズはきちんとしたレストランにおいてのみ、またはスーパーで自分で買って学習しようと決意した夜でした。



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