Dinner by Heston Blumenthal/Hyde Park

ファットダックのヘストン・ブルメンタール。外食好きで彼を知らない人はいないでしょう。料理界の革命児。ミシュラン三ツ星を楽勝で獲得した後、サンペレグリノのアワードでも世界一位を連覇連覇連覇!しかもそれらを美食不毛の地、イギリスで成し遂げた大スターです。
「人は五感だけでなく、脳でも味わっている」とし、料理を探求するというよりは、調理にまつわる様々な化学反応や味覚の仕組みを研究し、記憶(遺伝子レベルの記憶も含む)がどのような役割を演じ、作用するかについて考えつくすという姿勢。分子ガストロノミー。難解でよく意味がわかりませんが、そういう人です。料理人としての経験があまり無いまま、奇想天外なコンセプトでレストランを始めたのが大ウケ。テレビにもよく出るきさくなおっちゃんで、メディアが放っておきません。
ファットダックはロンドン郊外にあって、夕食に五時間もかかり、予約も数ヶ月待ちなので、旅行者にはちょいと厳しい。なので今回はロンドン中心地のマンダリン内にある当店へ。ここはファットダックのように奇天烈なものではなく、「過去の料理を現代の調理技術をもって蘇らせる」がコンセプトです。充分ヘンか。メニューの品目それぞれに、その料理がいつ誕生したかが付記されているのが面白い。最も古いものは紀元後1390年でした。
ミートフルーツ。肉のパテをオレンジ色の何かで覆ってみかん仕立て。
面白いですが、味は別に普通。缶詰のパテと大差なし。
サバの何か。全然美味しくない。スーパーのシメサバのほうが美味しい。
魚介類の何か。まあまあ。ただ、温度がおかしい。皿は激熱なのに、スープが冷たく、結果としてぬるい。何がしたいのか。
アンガス牛のステーキ。これは許せない。クソ不味かった。アンガス牛ってさ、赤身に歯ごたえがあってビンビンに美味しいはずなのに、これは無駄にやわらかい。温度もぬるい。表面は焦げてるのに香ばしさは皆無。味付けもしてるはずなのに、味が無い。
つけあわせのポテトのほうがおいしいもんね。
デザートはデパ地下レベル。
標準的な美味しさでした。
サービスは壊滅的。日本のファミレスのほうが全然レベル高い。大体、高級ホテルのメインダイニングで何万円も取るくせに、テーブルクロスも無いってどういうこと?客層も最悪。ジャケット着てるのなんて私だけで、TシャツにGパンとかもザラにいます。中国人が大騒ぎしてるのに店員はほったらかし。
クラクラしました。レストランでここまで憤慨したのは大阪のフジヤ1935以来。ナプキンをぴったりたたんでサヨウナラ(ナプキンをぐちゃっとしたままお店を出るのは「あまりに美味しくて感激してたたむことすら忘れてしまった」という意味。まあそこまで大げさではないにしろ、レストランを出るときはたたまずに適当にポイってなカンジで出るのがマナーとされてます)。

いくらディフュージョン版だからってこれは酷い。こんなんでミシュラン一ツ星?怒髪天をつくとはこのこと。いつかはファットダックに行きたいと考えていましたが、もうやめておこうと思います。面白いことをやる前に、美味しいを目指しなさいってば!

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