マルシェデジュウバン/麻布十番


食べログに「おすすめレビュアー」というページがあって、Aリストなブロガーたちが名を連ねているのですが、
大変ありがたいことに私も取り上げて頂けました。何か特典があるというわけではないのですが、誰かに何かを認められるということは純粋に嬉しい。好意的な紹介文もありがたいです。今わたしはちょっと良い気分です。

さて本題。仲人2.0事案です。現役の女子アナより「イケてる独身男性を紹介してくれ」とのオファーです。合コンにおける幹事最強説を根底から覆し21世紀の画期を開くという屈折したライフワークを展開する私。このような飲み会の議事録は実にくだらないと常日頃感じているのですが、くだらない記事ほど面白いのがブログというものである。
会場は十番の路地裏にあるビストロ、マルシェデジュウバン。1Fはワインバーのような佇まいですが、2Fは結構広いのです(写真は公式ウェブサイトより)。
アミューズはキッシュ。アツアツのチーズコイコイであり景気づけに良い一口。

さて今回の男性陣は身長180cm超のイケメン弁護士、開業医のドラ息子であるイケメンドクター、外資系企業勤務のイケメンMBAホルダー、そして私。そう、私の友人の女の子は美人揃いなのですが、イケメンにも目が無いのです。女性陣は先述の女子アナにエステサロン経営者。やはり美容に携わる方は例外なく美人である。
シャルキュトリの盛り合わせ。一人前が気前良くこの量。先のキッシュに続き旨味の強い皿が続きワインが進みます。

私が主催する合コンは良くも悪くも雰囲気が緩い。自己紹介から始まるものの既に旧知の間柄のような錯覚に陥り、今夜も楽しくなりそうです。「ついに女子アナまで辿り付いたか。田舎から出てきて良かったなあ」と感慨に耽る男。
どこそこの投資会社のだれそれはいくらぐらい貰ってる、のような話題となった際、「ふうん、そんな額だと僕の場合、自分で稼ぐより親に貰ったほうが早いなあ」と貫禄のドラ息子。この男の辞書に危機感という言葉は存在しない。時代が異なれば島原の乱でも起こしかねないビッグな漢である。
メロンのスープ。これは旨い。程よい甘さのメロン味にスパイス(ショウガ?)がしっかりときいており、東方的な味覚を感じる面白い一皿でした。

「あ、ゴメンナサイ!ちょっとトラブっちゃったみたいで…ちょっと出てきます!」とカバンを携え店を離れるエステサロン経営者。ああ、これはよくある体の良い逃げ出し方だ、彼女のお気に召さなかったか、と反省。
魚料理は八海山サーモンのカルパッチョ。新潟県八海山のブランド魚。脂がたっぷりと詰まっているものの、臭みは見事なほどに抜け出ており、シンプルな調理に強烈な旨味が迫ります。

「すみませんでした!」と30分後に戻って来るエステサロン経営者に全員が目を丸くする。このエピソードは当会が楽しいという証明に他ならないのですが、30分以内で数駅離れたオフィスにタクシーで向かいカタが付くトラブルとは一体何だったのか。
黒毛和牛の炭火焼。このお店は大変気前が良く、300グラムまでは自由にポーションを指定できるのです。一般的な量としては女性150グラム、男性200グラムとのことですが、私は最大値である300グラム指定。

味は和牛と言えども極めて食べ易い。品の無いギトギトの脂などは皆無であり、どちらかというと赤身ならびに肉の味そのものを楽しむ見事なステーキでした。300グラムにして良かった。日和って200グラムに留めた男子は実に口惜しそう。

場が和み、審判役である私にまで話題が及ぶ。「タケマシュランってさ、マジであんなドン・ファンみたいな生活してるわけ?」「キミだとかアナタだとか呼ぶ奴なんでGLAYぐらいだろ」「いや、ああいう生活、実話だったら凄いことだけど、妄想で叙述しているとしたら、そっちのほうが凄いのではないか」などと当サイトの一挙手一投足が気になって仕方が無い様子。

ちなみに私が書く記事は全て実話です。登場人物が特定されないような工夫をしていたり、会話をそのまま文字に起こすと読み辛くなるので語感を多少は修正しているものの、原則的には私が体験したノンフィクションです。
クレマカタラナが絶品。スペイン・カタルーニャ地方の郷土料理です。フランスの『クレーム・ブリュレ』は全体に火を通して固めますが、『クレマ・カタラナ』は、カスタードクリームを冷やして固めます。濃い卵の風味にキャラメルのビターな風味が突き刺さる。これまでと同様に量もたっぷりであり、美味しゅうございました。

夜も遅くなったので、明日の仕事に差し支えないかと彼女たちに問うと、「そんなふうに気遣ってくれるの、超ステキ!あたしの周りの男たち、業界人だからか、そういう発想が全く無いんだよね」フフフ、ちゃらんぽらんな生活ながらも私がキチンと家庭を育んでいる理由はこういうところにあるのです。
「○○さん(私の名)にお願いして良かった!ほんと、どんな案件であっても手堅くまとめてくれますよね!」必ず役に立つ男。この後も私への礼賛が続き、くすぐったい気分だったけど、慕われることは良いことだ。私が破滅しそうな時は皆が1億円づつ提供してくれることでしょう。
宴もたけなわだというのに、通りすがりの町内会が当会に乱入。「え!?合コン!?じゃ、既婚者を除いたフィーリングカップルしましょう!」と、完全にドン滑る。しまった、と察した彼は私に助けの視線を送ってくる。が、時既に遅し。ここはサルベージせず彼を見捨てることとした。


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麻布十番にはフランス料理屋がたくさんあるのですが、残念ながら割高でハズレなお店も多い。外さない安定したお店は下記の通り。
  • エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
  • ALLIE ←ワインという食事の知的部分を担うソムリエの重要性を再認識させてくれるお店。
  • ラリューン ←クラシックな調理で正統派。むちゃ穴場です。
  • 麻布れとろ ←ここで合コンすれば幹事がモテる(と信じている)。
  • RRR ←ワインが割安。飲みまくれ!
  • ルバーラヴァン52 ←全般的に安い。2時間で追い出されるのが玉に瑕。
  • ブラッセリートモ ←和魂仏才、リーズナブル!
  • タストゥー ←トリュフを使ったデザートに身悶え。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

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