タランテッラ ダ ルイジ/白金高輪


「イケてる独身の男の子を紹介してくれないかな?」こういう依頼が来ると燃えます。すごく燃えます。合コンにおける幹事最強説を根底から覆し21世紀の画期を開きたいという屈折した動機。

もちろん私は既婚者であるため短期的な利益は何も無いのですが、中長期的には「あんな会を手軽にアレンジできるタケマシュランってやっぱすごくない?」という名声を得ることができるのです。これぞ仲人2.0。
用意したお店はピッツァの名店タランテッラ ダ ルイジ。前回お邪魔した際に、ちょうど良い個室があることに目を付けており、いつかパーティをしようと企んでいたのです。「素敵なお店だね」と評判は上々。冒頭から私のセンスの良さを示すことができました。
前菜盛り合わせ。12時から時計回りにパプリカのマリネ、マグロのカルパッチョ、パンツァネッラ、水牛モッツァレラのカプレーゼ、メヒカリのフリット、サラミに生ハム、中央は鴨肉です。

お気に入りはパンツァネッラ。トスカーナ地方のパンを用いたサラダであり、味付けはビネガー主体でサッパリ。郷土色豊かな料理って大好き。
さて今回の男性陣は医者が2人に弁護士が2人、そして審判役の私。ハイスペックな独身アラサーをたちどころに4人も用意した凄腕コーディネーターの私。

「ふうん、やるじゃん」と満足気な女子幹事。もちろん彼女は当然に美女であり、そのお友達も可愛らしい方ばかり。美人の友達は美人であるという経験則。現役のレースクイーンがひとり来れなくなったのが心残りです。
大好物のライスコロッケ。ごはんがミッチリと詰まっており、その隙間を埋めるかのようにトロトロのチーズが染み渡る。上質なチーズリゾットを成形したような味わい。これを製品化してコンビニで発売すれば飛ぶように売れるのではないか。
数種の海老を用いたリングイネ。甲殻類特有の旨味に溢れ、フォークで巻く手が止まらない。ツボを押さえた味付けも好み。ピッツェリアであるのにここまで多様な料理を提供できるシェフの力量には脱帽する。
三日月形の包み焼きピッツァ。ナイフを入れると複数種のチーズが渾然一体となって流れ出る快いプレゼンテーション。トマトソースとのバランスも絶妙。もちろん生地だってそれ単体で食べても充分に旨い。本日一番のお皿でした。
〆に女性陣はデザートではなくチーズ盛り合わせを要求。このあたり酒飲みであることがバレバレである。それにしても良く飲んだ。後からレシートを見返したのですが、ボトル換算でひとりあたり1.5本飲んでいます。
結局、開店から閉店まで個室を陣取りひたすら飲み続けていました。女子側幹事と私はご近所さんであるため、近場でもう1杯飲んで振り返りして帰ろうかと相談していると、「あたしたちも行く~」と、女性陣が2次会に全員参加するという奇跡。おいおい正気か今日はまだ月曜日で日付も変わろうとしている時刻ですよ。これは幹事に対する最大限の賛辞。今夜も長くなることでしょう。

翌日は参加者より感謝のお便りが舞い込みます。「昨日帰りに財布を落とし、なぜか家におにぎりが3個あり、朝家の中の10円をかき集めてなんとか職場にたどり着き、後輩に金を借りる事態。昨日はお疲れ様でした」


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