博多祇園鉄なべ（てつなべ）／祇園（福岡）

祇園駅から徒歩5分ほどの場所にある「博多祇園鉄なべ（てつなべ）」。博多の屋台で産声をあげ、祇園にお店を構えた後は行列の絶えないお店となりました。私もビビって平日の開店15分前に訪れたのですが順番は2番目。ちなみに食べログでは百名店に選出されています。
店内は奥に広く100席以上あるそうです。芸能人の写真とサインで敷き詰められているためか、内観の撮影はNGで写真は手元のみとの警告文が至る所に貼られています。また、『デパート・空港などで販売されている「鉄なべ餃子」は当店の餃子とは一切関係ございません。通信販売も行っておりません』との張り紙も多く穏やかではありません。
プレミアムモルツが500円程度で安い！と思いきや、今まで見たことのないスタイリッシュなサイズのグラスであり、普通のサイズ換算すると千円近くするでしょう。サーバーのメンテも甘く、ああ、これなら瓶ビールにすれば良かった。
酢モツにつき、モツそのものは悪くないのですが、酢というかタレというかの酸味が強烈でイマイチです。普通のチェーンの居酒屋の酢モツのほうが美味しい。
手羽先の煮。その名の通り手羽先を煮たものですが、これが全然美味しくない。口の中パッサパサとした食感であり肉の旨味が流れ出しており、醤油系の尖った調味しか感じられません。300円という価格設定を差し引いても不味かった。
スペシャリテの焼餃子。1人前で注文すると「1人前だと量は少なく、追加注文は2人前からだ」と脅されたので最初から2人前を注文しましたが、うーん、これも『不味くはない』程度であり、なぜ方々で称賛されているのかが不思議でしょうがない。焼きというよりも揚げ状態で、油分が多く餃子というよりも油を食べている気分です。味の素の冷凍のギョーザのほうが美味しくない？やっぱ1人前にすれば良かった。
明太いわしにつき、いわし部分は脂が乗って中々の美味しさなのですが、明太子が人工的に真っ赤っ赤な色合いで食欲が減退します。
以上を食べ、小さな小さなビールを飲んでお会計は3千円弱。うーん、個人的には全然無理な店でした。店員は横柄だし店内は衛生的とは言い難いし、マジでどうしてこんなに人気があるのだろう。名物に旨いものなし。味覚がどうのこうのというよりは、ソウルフードとはこうなんだと納得せざるを得ない食後感でした。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。