タカラブネ(TA QUE À LA BOUNET)/白金高輪

白金は芝新宿王子線(通称「白金北里通り」)沿いにある「タカラブネ(TA QUE À LA BOUNET)」。北里大学のすぐそばであり、「鮨 長島」のお隣です。シェフのお名前をフランス語風にもじった店名が印象的。
10席ほどの小さなお店。グレーを基調とした内装であり、ニューヨークあたりにありそうな和食店の趣きです。

船田憲宝シェフは日本料理店やフランス料理店で経験を積み、一時期はフランスで和食を教えていたようです。そのため人によって日本料理と評したりフレンチと表現したりとジャンル分けが難しいお店です。
フードもドリンクも全て値段が不明瞭。値段を聞いても「ひとつひとつの値段は覚えていない」のようにはぐらかされました。いや、別にちょっとレジ行って価格表を確認すればええんとちゃうの?ちなみにこの右側の缶の飲み物につき、「クラフトビール」との説明がありましたが、日本の酒税法上は発泡酒であることを指摘しておく。
「長芋・オクラ・キスの酢のもの」。ぬるぬるネバネバとしたひと皿です。
「ばい貝くず仕立て」。特大のばい貝は殻を取り外してくれているので食べ易いです。
お造りはアジとカツオ。醤油ではなく塩と味噌で食べるのが特徴的。薬味がタップリなのが嬉しいですね。
だし巻き卵が美味しい。フワフワとエアリーな食感でありつつ、味そのものには骨格があり絶品です。
「仔羊フライ」は良くも悪くもクセが全く無く、ブラインドで食べればラムだと気づかないかもしれません。ミント風味のソースはサーティーワンアイスクリームのような味わいでピンと来ませんでした。
お会計はフセン一枚総額表示での請求。しかしながらお金を支払った後に明細を提示してくるという謎運用。ちなみにボトルワインの値付けにつき「値段は覚えてないが8千円を超えることはない」と明言していたのに明細には8,800円との表記がありました。これが奸計なのか単なるアレなのかは不明ですが、揉めるのも面倒なのでビッグイシューを買う気持ちでさっさと退店。二次会へと向かいます。

港区の悪い部分を凝縮したような店であり、料理については居酒屋に毛が生えた程度で割高。シェフが常連客とダベってる場面が多く一見での利用は難しい。それでも行ってみたいという奇特な方は、常連客に連れて行ってもらうようにしましょう。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。