日本でオワコン扱いされているバリの、思いも寄らない現在の姿

ひと昔前に南国リゾートと言えばハワイやグアム・サイパンが主流であり、次いでバリやプーケットも人気があって、学生ですらしょっちゅう出入りしていたと記憶していたのですが、ここしばらくはコロナ関係なしに「バリに行った」という話はあまり聞かなくなりました。
日本においてはすっかりオワコン扱いされているバリですが、それでも2021年には「Andaz Bali(アンダーズ バリ)」が開業するなど、実際のところの状況が東京からは掴めません。
ところでその東京の2023年8月の気候は35℃超えが当たり前にも関わらず、バリは30℃を超える日は少ない(写真はガルーダインドネシア航空公式ウェブサイトより)。そマ?赤道すぐ近くのバリのほうが東京より涼しいだなんてどうかしている。ちょっとわからないことが多すぎるので、この夏は自分で訪れ自身の目で確認することにしました。
東京からクアラルンプールで乗り継いでバリに到着。インドネシアには中部ジャワのアマンに泊まった2014年ぶりに訪れるのですが、ビザの仕組みは相変わらずいい加減ですね。事前にE-VISAが必要と書いている公的機関もあれば、手続きミスが多いので到着時に取得するのがベターとの記事(旅行会社のブログだ)もあったり、クレカは使えないだの使える場合もあるだの、日本円は使えるだの使えないだの情報が錯綜しています。

ちなみに私の場合は到着時ビザを日本円で購入(?)しました。周りを見渡すと皆、自国の通貨で到着時ビザを取得しており、クレカを使っている人は見当たりません。ちなみに私の場合、係の方が「フタリ?イチマンエン!」と手慣れたものです。
ハリウッドスターが到着したとばかりに出待ちと客引きの人人人。最近のタイやマレーシアはスマート化が進んでいるためこのような状況を見る影もありませんが、インドネシアとベトナムだけは時が止まっているのか10-20年間変わらずそのままです。
「サー!私です!テリーです!ホテルから指示があってお迎えに上がりました!」のような偽物の客引きも多く、例外なくしつこい。何ならGrabが「待ち合わせは建物を出てすぐの専用待ち合わせスペースに来るように」とアプリから指示するなど、そもそものコンセプトを覆すシステムへと移行していました。
ところがその待ち合わせ場所であるGrab Loungeは実に清潔で、スタッフもテキパキとしておりその辺の客引きとはレベルの違いを感じました。「こんにちは!予約はしてる?どれどれ、、、オッケーわかった、そこに座ってて!ドライバーが来たら呼ぶね!」と、これはこれでアリな仕組みかもしれません。
空港からホテルがあるサヌール地区までは車で20分程だと聞いていたのですが、とにかく渋滞が酷く、結局1時間近くを要しました。街は暗く運転は荒くバイクも多く、旅行で来るにはまだ我慢できますが、普通の日本人が生活するのはちょっと厳しいかもしれません。
最初に滞在するホテルは「Andaz Bali(アンダーズ バリ)」。2021年コロナ真っ盛りのタイミングでひっそりと開業したハイアット系のリゾートです。インドネシアでは初のアンダーズブランド。詳細は別記事にて

ちなみにアンダーズが位置するサヌール地区はバリで最初に開発されたリゾートエリアだそうですが、我々はアンダーズの敷地から一歩も出なかったので語ることは何もありません。
残り半分の日程は「Grand Hyatt Bali(グランドハイアット バリ)」に滞在(写真は公式ウェブサイトより)。同じハイアット系列であるもののアンダーズとは丸っきり芸風の異なるメガリゾートで、何とその敷地面積は18ヘクタールもあり、東京ドーム約4個分、ロマネコンティの畑の10倍の広さを誇ります。詳細は別記事にて
ちなみにグランドハイアット が位置するヌサドゥア地区はバリ島の南東にあるビーチリゾート地であり、インドネシア政府肝入りで開発したエリアです。このエリアに入るための関所があり、ホテルに入る際に更にゲートがあるという念の入れようです。
関所の外側は昔ながらのアジアの観光地の街並みが広がっており、絶対的な治安の良さとアジアの熱気を怖いもの見たさで楽しむことができるという、一石二鳥のリゾートエリアです。

ところでどういう取り決めとなっているのか、Grabのドライバーたちは縦横無尽にゲート内を走り回っており、普通にホテル内からGrabを呼ぶこともできます(Grabアプリの機能で「ロビーの車寄せまで来てね」等のメッセージは送る必要はある)。
結論として、バリは相変わらず凄く凄い素敵なリゾートでした。日本ですっかりオワコン扱いされているのは、日本からの直行便が無くなってしまい単純に馴染みが薄くなったからでしょう。

ちなみにソウルからは大韓航空が連日直行便を飛ばしており、韓国人は大勢遊びに来ていました。現地の方から見て東アジアの民と言えば韓国人が定番なのか、ホテルのスタッフから「アニョハセヨったら飲み干せよ」と挨拶されたのは1度や2度ではありません。
2023年8月からはガルーダインドネシア航空が成田との直行便をいくらか増便したようなので、再び日本でバリが評価されるキッカケとなるかもしれません。これが上手くいけばJALやANAも定期便を飛ばし易くなって、バリブームが再来すると思うのだけれど。
また、年配の方にとってはバリと言えばヌサドゥアとクタの印象が強いかもしれませんが、近年は欧米のクラブ文化が持ち込まれチャングーのビーチクラブが大成功を収めるなど、黎明期のイビサのような活力を持ち始めており、楽しみ方は多様化しているように感じます(写真はAtlas Beach Club公式ウェブサイトより)。
ちなみに話題のDJ SODAもバリで色んなプレイをしています。DJのオフィシャルyoutubeチャンネルなのに尺の殆どが水着のイメージビデオ風なのは議論が分かれるところかもしれません。
話を戻すと、今さらハワイでショッピング三昧、みたいな趣味嗜好を持つ日本人は多くないでしょうから、純粋にリゾートを楽しみたいのであればバリは中々スジの良い選択肢と言えるでしょう。もちろんハワイもステキなリゾートですが、3回に1回ぐらいはバリを挟むのも通っぽくてオシャレです。なんせ物価が安く、チップも不要だ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。