サイーファ ケバブ アンド ビリヤニ/六本木


わがままな女とのディナーです。

元々はラ・スフォリーナにご一緒するはずだったのですが、当日夕方に「朝から気持ち悪くて今夜パスしていい?」との連絡。どうせ二日酔いなど大した理由ではないでしょうが、善隣外交に徹する私は深追いせず、慌てて代打を探し事なきを得ました。

わがままな女との繰り延べられた約束は1月中旬。私は既に六本木のイタリアンレストランを予約していたのですが、近くになって「最近イタリアンが続いて飽きちゃった」との連絡。キャンセル受付期限内だったので慌ててキャンセル。

新たにお店を予約することにつき、もう外したくは無いので「じゃあ何系のお店ならいいの?」と強く出ると、「何でもいい!イタリアンと中華以外なら何でも!」中華ふえとるがな。呆れるほどのジャイアニズムです。

ということで、SAHIFA KEBAB & BIRYANI。ミッドタウンすぐ近く。大通り沿いの路面店と立地は抜群なのですが、思いのほか目立たないお店です。

お店に入るなり鼻腔を刺激するスパイスの香り。店員は当然のこと、客も我々以外は全員が外国人でした。普通に英語が飛び交う店内で異国情緒満点。

最初はアラカルトでお願いしようと考えていたのですが、メニューを見ると料理も酒も格別安いというわけではなく、一方で、飲み放題付きのコースメニューが1人あたり4,000円以下と格安であったため、こちらを注文させて頂きました。
マサラパパド。香ばしいインド風マメせんべいです。パリパリとした食感にキリリとした香辛料が弾け、アミューズに最適でした。
ヘルシーガーデンサラダ。これは筋金入りの普通でした。特に深く考えず、他の料理の辛さに耐えかねた際に舌を中和する役割として活躍して下さいました。
南インド風のスープ。酸味が非常に高く、トムヤンクンを彷彿とさせるベクトルです。私は逆立ちしたってこのような思い切りの良い味付けはできない。
季節の野菜のパコラ。インド風天ぷらです。これは衣が分厚く腹にたまります。スパイスもあまり効いておらずそれほど好きじゃありません。
フレッシュハーブとスパイスたっぷりのカバブ。インド風釜焼きソーセージです。これは今夜の食事においてトップクラスに旨いのですが、8月の太陽のように辛いのが難点。破防法の適用対象となってもおかしくありません。途端に汗としゃっくりが止まらなくなり、味覚での阿鼻叫喚を思い出しました。
カジキマグロのフィッシュティッカ。種々のスパイスに漬け込み釜で焼き上げた逸品。辛さが食欲を呼び、いくらでも食べることができました。
釜焼きカリフラワー。こちらはちょっとオーバーサイズ。子供のゲンコツぐらいの大きさがあり、脳味噌のような外形と相俟ってグロめです。
チキンビリヤニ。サンバレーホテルの一件からビリヤニという響きに過剰反応してしまう。そしてなるほどサンバレーホテルに比べると見劣りしているのは明らかであり、もう一度かの店へお邪魔したい衝動に突き動かされました。
ヨーグルトのソースで味変することも可。
タンドリーチキン。ヨーグルトスパイスに漬け込まれた定番。フィッシュティッカと同様に心から旨い。私はこのような食事が大好きである。
キーマカレー。キーマカレー=茶色という先入観があったのですが、当店は緑色です。ライムのような爽快感溢れるグリーン味が見事であり、本日一番のお皿です。
バターチキンカレー。辛さは控えめであり、その代わりにバターのこってりした味わいが目立ちます。ややトマト味がどぎつくもあり、完璧に調和しているとは言い難いですが、全体としては素直に美味しい一皿でした。
パラタ(インド風パン)と
ナンは食べ放題なのですが、普通の人間の胃袋ではお代わりすることはまずないでしょう。当店のコース料理は米騒動などすぐに収まってしまうぐらい全体を通して量が多いです。
オマケでラムのカレーもお出しして下さいました。ごっそりと大きなラムの塊肉が惜しみなく用いられています。味も見た目の通り食欲をそそるものであり、ぶっ倒れそうなほど満腹であったのに意外と胃袋に入ってしまいました。銀座のカーンケバブビリヤニでも思いましたが、インド料理屋って気前いい店が多いですよね。そういえば店名が似ている。系列店なのかしら。
デザートはナッツ系のアイス。ひたすらに甘く、これまでのスパイスをしみじみとクールダウンして下さいます。
チャイで〆てごちそうさまでした。

課題はお酒。生ビールはぬるく濁った味がするし、ハイボールは異常に濃い。ワイン関連は明らかに飲み放題味でテンサゲです。まあ、この値段ですし、スパイスで舌はビリビリなのでそこまで繊細なものを求める必要もないのかもしれません。私は辛さに弱いので、喉が渇いたクジラのようにハイボールを飲みまくっていたので、おかげですっかり酔っ払ってしまいました。

いずれにせよ、見事な費用対効果を提示してくれるお店です。六本木の超便利な場所に位置しておきながら、この味この値段は神業的。しかもそんなに混んでおらず、ウォークインでもまず入ることができるでしょう。オススメです。六本木でのワイガヤな飲み会に是非。

「ねえ、もう1軒行くよね?あたしまだ酔ってないから、2次会はもっとしっかり飲みたいな。日本酒ね」21か条の要求を次々と突きつける女。こういうワガママ嫌いじゃないけど。



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