格之進R/六本木

大学の大先輩より「○○くん(私の名)って有名人?女の子に紹介してって言われたぞ。タケマシュラン愛読者だって」との連絡があり、トントン拍子に食事会がセッティングされました。
「肉好き・六本木」とのお題を頂戴したので、「祥瑞」「イル・フィーゴ・インゴルド」「エルビーシックス」「格之進R」を候補として挙げ、「格之進R」に決定。かくのしんあーる、と読みます。
5分前に入店すると既に皆さんお揃いでした。「遅刻は絶対に許されないことを存じ上げておりますので!」と前のめりの愛読者。
前菜は肉入りのポテトサラダ、生肉(?)、タケノコです。肉はさすがの素材味であって旨いのですが、その他は作りおき感が抜群であり心は揺さぶられない。

「へえ、タケマシュランってこんなカンジなんですね。記事読んでるとすっごくモテそうな方だったから」とバリキャリ女子。続けて口にはしませんでしたが『どんなイケメンが来るかと思ってて楽しみにしてたら全然大したことねえじゃねえか』とその目は語っていた。
サラダも盛り置きしているのかシナシナです。倉科カナのボリューム感とは大違い。
「あたし今日、実家の静岡から来たんです!」とビッグスマイルを向ける人妻。オデコ丸出しで歯並びが美しい向日葵のような笑顔。上戸彩にそっくりだなあと思って見惚れていると「上戸彩に似てるってよく言われます!」自分で言いやがった。
おでん的な一皿。大根や厚揚げに旨味の強い出汁が沁み込み抜群に美味しい。実はこれが一番美味しかったかもしれません今夜は。

「今夜は来て下さってありがとうございます。『グルメブロガーの苦悩2017』を読んだばかりだったから心配で。あたしたちで大丈夫ですか?」何をおっしゃる、美女との食事はいつだって大歓迎。
左からウチモモ、ハネシタ(ザブトン)、ヒレアタマ(?)。拳骨大の塊肉に嬌声があがる。楽しいプレゼンテーションです。
調理はすべて店員さんにお任せ。バシっと焼き目をつけた後は、弱火で入念に熱を通していく。昨今は炭火焼原理主義者が睨みをきかせていますが、ガス焼きでもきちんと美味しく焼けるものです。
10分ほど焼いた後、アルミホイルで包んで休ませる。焼肉屋でここまで凝った調理をするのは珍しく、食べ手を飽きさせません。
塊肉の調理と並行してショートプレート。かなり脂がキツく、肉の一口目としてはいかがなものか。牛丼屋の肉のように脂身が多く、悪い意味で印象的でした。

肉には赤ワイン。ボトルは4,000~6,000円といったところ。酒屋の3倍ぐらいの値付けであり少々割高かもしれません。

「この子、プロ専業主婦なんです。昔は同僚だったんですけど、いつの間にかイイ男捕まえて海外に移住なんかしちゃったりして」えへへと笑いながら特に否定もしない自称上戸彩。愛嬌もまたひとつの能力。
左はハバキ、右はトモサンカク。ハバキとは後ろ脚のももの外側、おしりに近い部分です。筋肉質でありながらも適度に脂が備わっており美味しい。トモサンカクは言わずと知れた稀少部位。なのですが、ちょっと脂が強かったかなあ。味そのものは深いコクがあって好きだったのですが。
塊肉が焼きあがる。これは文句なしに旨い。味の濃い健康的な赤身肉が皆のシア充レベルを押し上げる。

肉質としてはこれまで出されたものとそう変わらないと思うのですが、どうして段違いに美味しく感じるのでしょうか。いっそのこと焼いた肉はこれだけにして、もう少し手の込んだ前菜などバリエーションを持たせるほうがコース料理として良いような気もしました。
肉が旨すぎて思わずもう1本。ところで自称上戸彩の実家は富士山の近くにあるらしく、へえ、富士吉田とかそこらへん?と何気なしに訊ねると「あれは山梨県だから。富士山は静岡のものだから」と鬼の形相で烈火のごとく怒り出す。
デザートはごくごく普通のシャーベット。肉料理との落差が激しく投げやりに感じました。

「これが静岡の富士山!山梨みたいに裏側から見たってつまんないでしょ?」と実家の屋上から撮った写真を掲げる自称上戸彩。おお~、確かに威風堂々としてカッコイイ。それにしても実家に屋上があるっていいな。ここでバーベキューしたい。

そういえば何年か前に富士山に登ったよ、と富士山に係る持ちうる限りの話題を披露すると、「あ、あたしは登ってないや」と、なんと中途半端な富士山愛。今日から君は中戸彩だ。



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