米沢牛 登起波(ときわ)/米沢(山形)

米沢牛専門店の中で最も古い歴史を有する食肉・外食事業者である「登起波(ときわ)」。創業は1894年であり、「米沢に登起波あり」と代々語り継がれる老舗。食べログでは百名店に選出されています。場所はJR米沢駅からタクシーで約8〜10分といったところでしょう。
1階は直営の精肉・お土産売場、2階がお食事処となっており、座席数は100席を超えるそう。ボックスシートのテーブル席が基本ですが、小上がりや個室、宴会場の用意もあるそうです。
アルコールは高くなく、プレモルの中瓶が700円ぐらいだったかな。山形の日本酒やワインも用意されており、山形愛が感じられます。が、すき焼きは自分が調理を担うためじっくり飲む暇がありません。
我々は創業以来の看板商品である「百年のすき焼き」を「特選ロース」で注文。前菜に米沢牛特選ロースが120グラム、山形県産米の「つや姫」にお味噌汁とお漬物が付いて11,000円です。前菜は、前菜というよりもアミューズ程度であり「とりあえず出しましたからね」といった程度です。
主題の「特選ロース」。写真は2人前で240グラムです。ちなみに登起波は米沢牛枝肉市場に直接乗り入れる買参権を持つ数少ない精肉業者の一社であり、仲買を介さず店主自らがセリに参加します。仕入れはすべて一頭買いで行われ、他地域の交雑種や輸入牛を一切仕入れない運用方針を徹底しているそうです。
お野菜は水菜にエノキ、ネギに白滝、豆腐にキクラゲ。キクラゲが入るすき焼きは初めてかもしれない。
すき焼きの作り方につき、関西は文字通り「肉を焼く」ことから始まり味をつけていきますが、関東が「割り下で煮る」のが主流でしょうか。しかしながら当店はまず野菜を焼き、その上に肉を並べてから割り下をかけるという、やはり初めてのスタイルです。
割り下も変わっていて、一般的なものは醤油・酒・みりん・砂糖をベースとするのに対し、登起波のそれには米沢産の地味噌がブレンドされているそう。なるほど融点が低く甘みの強い米沢牛の脂に、味噌の塩気とコクが合わさることで、脂のしつこさを抑えつつ肉の旨味を濃厚に引き立てます。
溶き卵を纏わせると、まろやかさが肉の甘みを一層引き立て、名物のきくらげの歯ごたえとも心地よい対比を描きます。これはもう、問答無用で美味しいですね。説明不要。似たような業態の「近江かど萬(かどまん)」と比べると、肉の量は少ないですが質は段違いに良いように感じました。
「つや姫」のゴハンにお味噌汁、お漬物もすぐに出してくれます。ゴハンはお代わりOKです。
美味しかった。ごまかしが一切ないストレートな味わいであり、カネさえ積めば旨いものが無限に楽しめるシステムです。通し営業なのも旅行者にとって使い勝手良し。今度はステーキや焼肉も試してみたい。ちなみに分店の「登」はカジュアル化戦略を進めており、牛丼・牛鍋・焼肉定食などを親しみやすい価格で提供しています。

また、当店は米沢市のふるさと納税の返礼品提供事業者としても参画しており、実質的な自己負担額を考えれば悪くないディールでしょう。お店でも結局セルフで調理するのだから、ありよりのありです

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