鮨みなと/旭川

旭川という海無き地ながら食べログ4.30でブロンズメダル獲得(2020年7月)、ミシュラン1ツ星という実力店。予約は取りづらいのですが、当日の遅い時間に電話するといきなり入れたりするという、目黒「鳥しき」のような仕組みの鮨店
テトリスのL字型のような形をしたカウンター席が10席ほどの店内。奥には個室もあるようで、彼らがにぎりに入る瞬間はバッチ処理で握りまくるので店内は大忙し。ゆえに場面にテンポが悪くなることがありますが、基本的にのんびりダラダラ飲む店なので気長に行きましょう。
結論から述べると、けっこう飲み食いしてお会計はひとりあたり1.6万円なので、東京の半額といった印象です。ゆえにビールや日本酒についても気前よく飲んで問題ないでしょう。

中港大将シェフは高校卒業後、札幌で7年間・東京で3年間腕を磨き、父が経営する「港寿司」が火災で焼失したことをきっかけに現店舗にて暖簾を引き継ぎました。
ツマミから始まります。ヒラメとそのエンガワ。生海苔を添えてワサビと共に塩でパクり。コクのある味わいです。
ツブ貝。ぜんぜん粒とちゃうやんかというほどの特大サイズであり、ゴリゴリと食べ応え抜群。臭みなどは一切なく、タネのレベルの高さを感じた瞬間です。
水ダコ。上手く火入れされており、ビッグサイズでありながらフンニャリと優しいタッチです。
ウマヅラハギはその肝のソースで頂きます。濃密な味わいであり、言えばポンポンと日本酒が出てくるあたり、店主は相当の酒飲みと見た。
気分を変えて冷製の茶碗蒸し。ウニに濃密な海苔のソースが印象的。こんなにコクのある茶碗蒸しは中々ありません。
ヅケにしたカツオ。すりつぶしたネギがニンニクのような風味を放ち、攻撃的な一皿です。
カスゴダイ。内側にインゲンを巻き込んで斬新な味覚です。
北海シマエビは茹で上げた後に燻製をかけているのか、香り含めて食欲をそそる味わいです。
太刀魚はバリっと焼き上げたあとに、刻んだ長ネギを塗りつけます。程よく脂がのった上にネギの青い味わい。
ノドグロは海苔巻きで頂くのですが、キャビアがトッピングされていました。うーん、このキャビアは不要不急であり、こういう一発芸は東京のアホな鮨屋に任せておけばよろしい。
利尻のニシン。トロっとした舌触りに官能的な味わい。ほええ、ニシンってこんな味になるんやね。
中トロ。これはまあ、一般的な中トロです。
ボタンエビは未だ尻尾がピクピク動いているものをバリバリと剥いたものであり、なんとも残酷な逞しさが感じられます。
その頭。味噌の部分がたっぷりと詰まっており、日本酒にピッタリです。
ホッキ貝の炙り。おおー、これは美味しい。ネットリとした食感の濃密な磯の香り。炙ったことによる香ばしいニュアンスなども堪りません。
殻付きのホタテをザザザとさばき、手で割いて造形したホタテ。なるほどホタテにしては力強い味わいであり、北海道はでっかいどうという美味しさでした。
トキシラズも味が濃い。回転寿司のサーモンとは全く異なる方向性であり、赤身(オレンジ身)のパワフルさが伝わるにぎりです。
キンキは少し火を入れて甘味を増します。脂も強く贅沢な味覚。
ムラサキウニとバフンウニを小丼で食べ比べ。私はハブンウニのほうが好きかなあ。コッテリと濃密な味が好きやねん。
毛ガニにはカニミソが練り込まれており、やはり濃密な味わい。当店のにぎりのタネは濃密続きである。
根室のイワシ。うおー、美味しい。メタボ体質のカラダからは溶けだすように脂が溢れており、ヌルヌルと旨味の強い逸品です。
他方、アジはバリっとマッチョな味わい。私はこういった青魚が好きなのです。
アナゴを食べておまかせは一通り完成。ここからは個人的な趣味でにぎりを追加します。
サバ。じっとりと旨味が増しており、また、しっかりと脂も残る。今夜は貝と青魚パラダイスであった。
カンピョウでフィニッシュ。シャリの量が中々に多くちょっとしたオニギリサイズであり、最後で一気に満腹になりました。

前述の通り、飲んで食べてお会計はひとりあたり1.6万円と、東京の半額。基本はおまかせなのでしょうが、徹頭徹尾アラカルトで注文している常連もおり、また、当日飛び込みや量の調整なども自由自在なので懐の深いお店です。やっぱ鮨屋はこれぐらい自由じゃなくっちゃね。東京の一斉スタート2回転制度はいずれ文化的に破綻することでしょう。
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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。